吉川英治の名作を、大きな活字の単行本で味わいたい、という読者の要望に応えました。
『親鸞』『三国志』に続き、日本人に圧倒的な人気を誇る『新編忠臣蔵』をお届けします。
美しい日本語、スピード感あふれる展開……。
吉川英治は「忠臣蔵」を舞台に、人間とは何か、人間関係の危うさを描き、悔いなき生き方を考えるヒントを与えてくれています。
(主な内容)
赤穂藩の家老・大石内蔵助のもとには、最初、決死報恩を誓った同志が120人もいた。しかし、月日の流れとともに脱落者が出てくる。内蔵助の長男・主税が、怒りを込めて、逐電した同志の非行を報告すると、父はかえって戒めた。
「いや、そういう臆病風邪は、ふと引き易いものだ。この内蔵助にすら、自身というものを、よくよく見さだめれば、卑怯、未練、愚痴、迷い、人間の持っているあらゆる弱点はみな自分にもある事がわかる。――主税、他人事ではないぞよ」
艱難辛苦し、最後の最後まで志を貫いたのは、47人だった。
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