●やがて死ぬのに、なぜ生きるのか。
この人生の根源的な問いに答えを示し、世界を魅了しつづける名著、『歎異抄』。
本書は、仏教や歴史の知識が全くない「はじめての人」でも理解し、答えにまでたどりつける、入門書の決定版である。
●親鸞聖人の教えの全体像が分かってこそ
歎異抄は親鸞聖人の教えを知っている前提で書かれたものです。
ですから、親鸞聖人の教えの全体像が分からなければ、歎異抄も分からなくなります。
そこで、今日、はじめて歎異抄に触れる方には、まず親鸞聖人の教えの全体像を知っていただく事が、歎異抄の大枠を知るには、とても大事なことなのです。
では、親鸞聖人の教えの全体像とは、どんなものなのでしょうか。
それは、そのまま歎異抄の全体像ともいえるものです。
親鸞聖人の教えの全体像を理解する為の、例え話を紹介したいと思います。
この例え話にそって、親鸞聖人の教えの全体像を知り、歎異抄を読めば、世界を魅了する古典の名著を、グーッと身近に感じられるようになられるでしょう。(本文より)
●歎異抄の全体像を理解する例え話
(1)すべての医師から見放された難病人がいました。
(2)世界唯一の名医の存在を教える案内者が現れました。
(3)名医は、「難病人の苦悩の根元を突き止め、治せなければ命を捨てる」と、誓っていました。
(4)名医は、永い間、苦労を重ねて、遂に特効薬を完成されました。
(5)特効薬を飲んで難病が全快した患者は大変に喜びました。
(6)難病が完治した患者は、名医と案内者のご恩に深く感謝し、お礼を言わずにおれなくなりました。
本書では、(1)から(6)まで、何を例えているのかを明らかにしながら、歎異抄の全体像を解説していきます。