内容紹介

親として、子として、大切なものを見失っていませんか……

エピソードと体験談の二部構成で、古今東西、変わらぬ「親心」をつづります。
わが子へ無償の愛を注ぐ、野口英世、エジソン、吉田松陰の母。
母を慕って決死の覚悟で海を渡るジョン万次郎。
一心に息子の帰りを待ち続ける岸壁の母。
母の心に泣いた西郷隆盛……
これら35のエピソード中に、忘れかけていた親の姿を見つけることができます。

目頭が熱くなる体験談

体験談編には、53名の「親への思い」を掲載しました。
1万年堂出版では、『親のこころ』を発刊するに当たり、「親の恩」と題して原稿を募集したところ、2000通以上のお手紙が寄せられました。その中から選び抜いた感動的な体験談です。
年老いていく両親を見て感じること。
子供を持って、初めて知らされる親の恩。
「孝行のしたい時分に親はなし」の悲しさ。
思わずほほえんでしまうものや、目頭が熱くなるものなど、どこか懐かしく、心に響きます。

 

執筆者プロフィール

書籍の感想

  1. こんな母親になりたい ! – 親のこころ

    私は、母の愛情をあまり感じないで大きくなりました。でも、この本を読んでいて、涙が流れて止まりませんでした。こんな母親になりたい!と思いながら、読ませていただきました。とても感動したので、10人の知人にプレゼントしました。 (富山県 43歳・女性)   母を早くに亡くし、いろいろな思いがあるので、書店で立ち読みして、泣きました。私は今、2人の子供の母として、日々がんばっております。この本を読んで、励みになります。 (大阪府 42歳・女性)   どの文章も心がグッときましたが、特に270ページ「叱られて、泣きながら夜道を走った」は、提出物を出さない、最近の生徒たちに読んで聞かせ、「母親とは?」と考えさせてやることができました。ありがとうございます。 (岡山県 37歳・男性・教員)   母の日に購入しました。この本を通して、今まで親に多くの心配をかけてきたことや、今まで育ててくれた親の恩が、しみじみと思い起こされてきました。 本を読み終えた直後に、母親に感謝の気持ちを込めて手紙を送りました。 (富山県 20歳・男性・大学生)   水戸黄門の「誕生日は、最も粗末な食事でいい。この日こそ、母を最も苦しめた日だからだ」の言葉にひかれて、この本を注文しました。 どの言葉も母親の私には、しみ入るものでした。 (長野県 58歳・女性・主婦)

    2012.01.23

  2. 親の大切さが分かった – 親のこころ

    これを読んで、親の気持ちを考え直してみることができました。親の大切さが分かりました。 (静岡県 15歳・女子)   親に反抗ばかりしてきた自分がとても小さく、恥ずかしくなりました。「親孝行」したいな。 (大阪府 15歳・女子)   読んでいる間、感動して、泣きっぱなしでした。普段あまり本を読まない僕がなぜか止まらなくて、すぐに読み切ってしまいました。母への感謝の気持ちで一杯になりました。この本を読めて良かったです。 (京都府 16歳・男子)   昔も今も、子を思う親心は変わりません。私も3人の子供をもっていますが、常に心配がたえません。 本書の中の、「背もだんだん縮み、足を引きずりながら手料理を作ってくれる」を読んで、亡くなった母と重なってしまいました。蒸しまんじゅう、煮しめが得意だった母は、私たちが帰るのを待つように、いつも作っていてくれました。もう二度と食べることはできませんし、味も思い出すことはできません。ただその姿が、いつまでも頭に浮かびます。すばらしい本をありがとうございました。 (宮崎県 51歳・女性・看護師)   読んでいるうちに目頭が熱くなってきました。親心に「ほろり」と涙が出る場面もしばしばでした。親はありがたいもの。自分の母親と重なって、じ~んときたので、思わず遠く離れて暮らす母に電話しました。 (東京都 42歳・女性・主婦)

    2012.01.23

  3. この本は、最初から涙、涙…… – 親のこころ

    若い頃、不良で、どれだけ親に迷惑をかけたか!! 反省して、今度は親孝行を、と思った時には親はなし。この本は、最初から涙、涙……でした。長男、次男にも読ませようと思っております。ありがとうございました。 (新潟県 55歳・女性)   読めば読むほど、涙が出て読めません。 母を思い出して思い切り泣きます。 (三重県 64歳・女性)   図書館で『親のこころ』を借りて帰り、読んでみたところ、心にしみることばかりでした。この本を返してしまうより、自分の本にして、たびたび読んでみたいと思い、書店で購入しました。 (愛媛県 84歳・女性・主婦)   この本を読んで、自分の小さい頃を思い出し、もっと親を大事に、せめて、やさしい言葉をかけてあげたかった。親は子供をどんなに思っているのか、今になってもつくづく考えさせられます。良い本を読ませていただきありがとう。子供にも読ませます。 (福島県 62歳・男性)   私の母は、今90歳です。父は3歳の時に亡くなりましたので、母一人の手で4人の子供を育ててくれました。 母親が亡くなってからでは、この本はきっと読めないでしょう。つらくて、悲しくて……。生きているうちに、この本を読むことができて、涙、涙です。 あと何年、母親が生きていてくれるか、その時まで少しでも時間があれば会いに行きたいと思います。 (北海道 59歳・女性)

    2012.01.23

  4. 母親へ「ありがとう」と言いたくなる本 – 親のこころ

    この本を手にとった理由は、もうすぐ子供が生まれるからです。初めての出産です。出産にあたって、最近は親のありがたみをひしひしと感じており、いつまでたっても親は親、子は子だと改めて痛感しています。 『親のこころ』を読んで、普段あまり気づかない母親の愛情をより深く感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。 母親へ、「ありがとう」と言いたくなる1冊です。 (熊本県 27歳・女性・会社員)   月に1度、ボランティアグループで行っている、地元の中学校での読み聞かせ(朝10分間、文部科学省より表彰)で、『親のこころ』を利用しています。 子供たちは短い感想文を書いています。その感想文も涙ものです。「こんな感動した本は初めて」とか「図書室で借りて読みたい」とか、「自分の思いもよらない親の優しさを知った」……など、口には出さない子供の心を見ることができます。 (高知県 47歳・女性・自営業)   親はこんなに子供のことを思っている、愛してくれているなんて知らなかった。親が私のことを大切に思うように、私もずっと親を大切にして、できるだけ親孝行していきたい。 (岐阜県 15歳・女子・中学生)   こんなに泣けたのは、久しぶりです。今まで、親不孝したと思い、自分なりに両親を大切にしてきたつもりでした。この本と出会い、「もっともっと足りないぞ」と言われたように思います。 (鹿児島県 43歳・女性)   この本によって、親がどれだけ私のことを考えてくれているのかということと、もっと親を大切にしなくてはいけないなということに気づきました。そして、今まで以上に親が好きになりました。本当に、この本に感謝しています。 (神奈川県 15歳・女子)

    2012.01.23

  5. マンガしか読まない息子も泣いていた – 親のこころ

    先日、高校生の息子が、この本を読んで泣いていました。「すごくいい本だネ」って……。マンガしか読まなかった息子が、くり返し読んでいます。本は宝です。本を読むことで優しい心を学んでいってくれたら、とても嬉しいです。 (愛知県 49歳・女性・主婦)   母の日に購入しました。この本を通して、今まで親に多くの心配をかけてきたことや、今まで育ててくれた親の恩が、しみじみと思い起こされてきました。 本を読み終えた直後に、母親に感謝の気持ちを込めて手紙を送りました。 (富山県 20歳・男性・大学生)   母のことを思い出し、1人で泣きました。この感動を忘れず、これからの人生に生かしたいと思います。 (大分県 64歳・男性)   読み始めから涙がポロポロで、ハンカチを握りっぱなしで、読んでいる間、親とはこういうものか、こうでなくてはならないと、つくづく感じられました。良い本を読むことができました。 (群馬県 39歳・女性)   涙があふれて止まりませんでした。子に対する親の思いの強さ、深さに勝るものなしです。読み終わって、母に電話をしました。あなたの子供で良かったと、つくづく思いました。 (静岡県 44歳・女性)

    2011.03.08

目次

プロローグ 親のこころ・陽だまりの山道

1 死の淵に立つ母の手が伸び、付き添って寝る私の掛け布団を力なく引き上げてくれた
(愛知県 54歳・女性)

2 「お母さんだって熱があるのに……」
(東京都 28歳・女性)

3 車が心配だからと、高齢の母は、五十歳を過ぎた私の手を握り、横断歩道を渡る
(長野県 81歳・女性)

4 「この子を産んだら、あなたは一〇〇パーセント死にます。いいのですか……」
(徳島県 30歳・女性)

5 親は、子供が「ただいま」と家に帰ってくるまで心配なんだ
(愛知県 29歳・女性)

6 子供の命と引き換えに逝った妻の最後の言葉は、三人の子供を「よろしくお願いしますね」
(神奈川県 44歳・男性)

7 「おまえの痛いその足、私がもらって死んでやるのに……」
(熊本県 59歳・女性)

8 「せめて子供だけでも人並みにお腹いっぱい食べさせてやろう」。短い生を終えた母の心のうちが、悲しいほど分かる年になった
(愛知県 60歳・男性)

9 背もだんだん縮み、足を引きずりながら手料理を作ってくれる
(東京都 44歳・女性)

10 「お母ちゃんは欲しゅうねえし、のどは渇いておらんからいらん」
(岡山県 64歳・女性)

11 「絶対に幸せにする。幸せになる」
(神奈川県 37歳・女性)

12 「結婚資金として、お母さんが毎月少しずつ振り込んでるんだよ。今、これだけあるから。心配しなくても、大丈夫。ね」
(長野県 22歳・女性)

13 うれしかった、ランドセルの鈴
(埼玉県 16歳・女子)

一部  親のこころ・豊饒なる海

(1)水戸黄門
誕生日は、最も粗末な食事でいい。
この日こそ、母を最も苦しめた日だからだ

(2)良弁杉の由来
母は、大ワシにさらわれた子供を30年間捜し続けた

(3)西郷隆盛
ああ、母に心配をかけてしまった。
親不孝なことをしてしまった。すまんことをしてしまった

(4)貝原益軒 親孝行の「養生訓」
自分の親を愛さず、他人を愛してどうする

(5)野口英世の母
どんなことがあっても、おまえだけは一生安楽に養い通すぞ、
たとえこの母が食べるものを食べずとも

(6)孔子 風樹の嘆
孝行のしたい時分に親はなし 石に布団は着せられず

(7)芥川龍之介「杜子春」
もしおまえが、ムチを受けている父母を見ても黙っていたら、
俺は即座におまえの命を絶ってしまおうと思っていたのだ――

(8)紀貫之「土佐日記」
子供に先だたれた親の悲しさ以上の
悲しみはこの世にありません

(9)石川啄木
たわむれに母を背負いて

(10)望児山
母は、息子の帰りを信じて、雨の日も、風の日も、山に登った

(11)エジソン
母のために生きようと思いました。
この人だけはがっかりさせるわけにはいかない

(12)姥捨山
わが子は、母を捨てようとしているのに、
母は、その息子のことを案じ続けた

(13)斎藤茂吉「死にたまふ母」
「親の死に目に会えないのは親不孝」といわれるのは、
親が最後まで気掛かりなのは子供のことだからだ

(14)正算僧都の母
母の米を毎日一粒ずつ加えてご飯を炊き、
ご恩を忘れないようにした

(15)断腸の思い
母猿は、岸をつたってどこまでも追っていった

(16)上杉鷹山の手紙
父母の恩に、せめてその万分の一だけでもと心の及ぶだけ、
力の届くだけを尽くし、努めることを孝行という

(17)ジョン万次郎
漂流してから、12年め。万次郎は日本へ帰ってきた。
母に、どんなに慕っているかを知らせるために

(18)与謝蕪村
母のふところには、どこにもない格別な温かさがありました

(19)吉田松陰の母
「親思う心にまさる親心……」。
松陰は処刑される1週間前にこの歌を詠み、
母は、松陰の死刑の時刻に、息子の夢を見た

(20)ファラデー
母親の涙には、化学では分析できない深い愛情がある

(21)鴨長明「方丈記」
飢饉の時には、子供よりも必ず親が先に死ぬ。
ようやく手に入れた食べ物は、愛する子供に譲ってしまうからだ

(22)山上憶良
世界中の財宝を集めても、わが子に勝る宝はない

(23)防人
自分を殺そうとする息子のために、母は天を仰ぎ、
涙を流して哀願した。 息子の罪を許してください、と

(24)竹取物語
親心は、千年前も今も変わらない

(25)又八の母・お杉
子供のことを思うと、闇夜の道に迷うように思い迷ってしまう

(26)ドラえもん
のび太は、タイムマシンで自分の誕生日に。
そこで両親の愛情を知る

(27)岸壁の母
「もしかしたら……」。母は、岸壁で帰らぬわが子を待ち続けた

(28)古典落語「寿限無」
なにかこう……死なねえ保険付きというような、
すてきな名まえをお頼み申します

(29)大岡越前守忠相の判決
本当の母親はどちらか

(30)豊臣秀吉、最後の願い
「秀頼を頼む」。息子のためならば、恥も外聞もない

(31)黒澤明の映画「生きる」
親が末期ガンで苦しんでいるのに、子供は気づいてくれない。
耐え切れず、布団にもぐり込んで泣いた……

(32)法然上人の父
決して犯人を恨んではならない。
私が非業の死を遂げるのは、因果応報なのだ

(33)孟子の母
ここは、わが子を育てるのに、ふさわしい所ではない

(34)源氏物語
子供のことで心配事が起きると、
何も手につかなくなり、分別さえも失う

(35)吉川英治「胸に住む母」
親にとって、子供は幾つになっても子供

二部 親のこころ・キラキラと川は流れ

1 いちばんかわいいのは、病気をしている子がいたらその子、
家にいないで遠くへ行っている子
(香川県 66歳・男性)

2 母は、最後に残った子供たちの茶碗の一粒、
釜に残った一粒を食べていた
(茨城県 66歳・男性)

3 母は、布団の中の僕の体を、「大きくなれ、大きくなれ」とさすってくれた
(大阪府 74歳・男性)

4 顔半分の赤あざは、「家を売ってでも、必ず治療を受けさせてやる」
(静岡県 42歳・女性)

5 忘れられない、父とのドライブ
(北海道 31歳・女性)

6 「母さん、おまえが死んでからでないと、死ねない」
(北海道 76歳・女性)

7 あなたが何歳になろうとも、私の子供!
(栃木県 13歳・女子)

8 「もう死んだほうがましだ」。
母を苦しめてしまったあの一言
(茨城県 32歳・女性)

9 「こんな大事な娘、泣かすようなことをしたら絶対に許さない」
(神奈川県 28歳・女性)

10 「ご両親が、好きな物を食べさせて
やってくださいとお金を置いていったよ」
(群馬県 35歳・女性)

11 「お母さんは、受験勉強はできんけど、応援してやれる」
(宮崎県 17歳・女子)

12 申し訳ない! 親の恩に報いることができなかった
(長崎県 59歳・男性)

13 お魚の煮つけ、お父さんはとっても骨が好き
(神奈川県 66歳・女性)

14 おいしい物は、まず子供たちに
(千葉県 38歳・女性)

15 カラスの鳴かない日はあっても、あんたのことを忘れた日はないのよ
(大阪府 78歳・女性)

16 「産んでしまうと、また産みたいと思うんや」
(滋賀県 28歳・女性)

17 母になって、母親のありがたさが分かる。母とは不思議な生き物
(静岡県 35歳・女性)

18 あの時の、母の背中の広さ、温かさは今も忘れない
(香川県 42歳・女性)

19 母は医者に言った。「私も一緒に死ぬ」と
(大阪府 20歳・女性)

20 母の涙を初めて見た日、どれだけ愛されているかを知りました
(兵庫県 14歳・女子)

21 変われば変わるものです、親って
(大分県 33歳・女性)

22 母が置いていった袋いっぱいの十円玉
(静岡県 51歳・男性)

23 母は、内職でためたお金でかわいいワンピースを二着も買ってくれたが、私は「気に入らない。こんなの着ない」と……
(愛知県 35歳・女性)

24 自分は独りじゃないんだ。父母の電話でほっとする
(岐阜県 34歳・男性)

25 「元気な声を聞いて安心した」
(富山県 53歳・女性)

26 愚かなまでに子を思う親心に泣きました
(東京都 43歳・女性)

27 幾つになっても、子供は子供
(福井県 45歳・女性)

28 忘れられない。体をなでてくれた、手の優しさ
(愛知県 52歳・男性)

29 夫婦ふたり、話題はいつも子供のこと
(広島県 79歳・男性)

30 遠い息子との電話が、いとおしくて
(愛媛県 55歳・女性)

31 子供にはたくさんの料理、母は残りくずでお茶漬け
(福岡県 38歳・女性)

32 事故、事件などないか。病気、ケガはしてないか……
(鹿児島県 42歳・女性)

33 母は、私の目をなめ、目やにを軟らかくして、ガーゼでふき取った
(大阪府 74歳・男性)

34 母には、何でも話せちゃうからうれしい
(北海道 30歳・女性)

35 この子のためにも、私は風邪なんてひいていられない
(岐阜県 29歳・女性)

36 「ああ、これは本当に青竹が割れるわ」
(徳島県 30歳・女性)

37 あの時に戻れるなら……
(大阪府 31歳・女性)

38 この茶碗、この箸……みんな息子の物
(東京都 45歳・男性)

39 いつもケンカばかりの母が、私のことを……
(新潟県 30歳・女性)

40 叱られて、泣きながら夜道を走った
(山形県 59歳・男性)

エピローグ 親のこころ・虹の渡る湖

六十億の母あれど
高森 顕徹