『まっすぐな生き方』は、伝記のオムニバスに思え、楽しく読むことが出来た。また、すぐに読めた。読んでいる間も、読み終わった後も大変心地よく、何度でも読み返したいと思った。以下が、この本を読み返したいと思った理由である。
1つ目は、文字が大きく、分かりやすい表現のため、読みやすいところだ。特に、太字の箇所には、人生のエスプリが凝縮されている。教訓にしたい言葉ばかりである。
2つ目は、写真の美しさだ。写真は厳選されたものばかりで、そこに美意識を感じることが出来る。あくまでも、自然の美を追求した写真の数々に、大変癒やされた。本文を読むことに疲れてきたと思う時、美しい写真が目の保養になるだろう。文字を読むことは脳を鍛え、美しい写真を見ることは心に潤いと安らぎを与える。文と写真の相乗効果は絶大と言えよう。
3つ目は木村泰山氏の書だ。この本の魅力に書も含まれるだろう。私はこれまで幾度も彼の書に肺腑を衝かれた。この本の書は文面以上の重みを感じる。短いながら、人生の真髄が垣間見える。見落としてはならないと思った。私は彼の書が好きになった。上手なだけではなく、趣があり、人柄を感じることが出来るから。これは今まで気付かなかったことで、新発見だ。書が私に新しい読書の楽しみ方を教えてくれた。
私が好きな話は、8章「日本サッカーの父 クラマー」と、19章「城造りの名人 加藤清正」である。この2つに共通することは、基礎や基本の大切さで、それらを決して疎かにしてはならないということだ。これは当然のことのように思われるけれど、実は忘れやすいことだ。スポーツでも、勉強の良く出来る人も、このことを熟知している。それを踏まえた上で、レベルを上げていく。初めから難しいことばかりをしているわけではない。私はこのことを肝に銘じようと思う。
8章では、他にも考えさせられることがあった。私は中学生の時、ソフトテニスをしていた。練習に外部から指導者が来ることがあった。何が気に入らなかったのか、私はその指導者の前で、拗ねてしまった時がある。これはとても失礼なことだ。すぐにではなかったけれど、直接謝りに行った。許してはもらえたけれど、あのような態度を取ってしまったことを大変恥ずかしく思った。あの時の私には、もっと上手になりたい、強くなりたいという気持ちが欠けていたと思う。私はこの話に出会えたことに感謝している。もうあの時の失敗は絶対に繰り返したくないから。
私が最も感銘を受けたのは、武者小路実篤と、あるバスの車掌の話だ。私は良二の生き様を美しいと思った。その一生はまるで桜のようである。儚いと思われるかもしれない。けれど、人生は長寿だけが目的ではない。心を込めて、精一杯生き抜くことが、生まれてきた目的ではないだろうか。私は、彼の生き様は十分称賛に値すると思う。また、彼を日本人の中の日本人だと思う。
彼にとっての桜とは何だったのだろう。人間そのもので、哲学と美意識の象徴ではなかったのだろうかと私は考えている。その精神はとても崇高なものであるが故に、死ぬ間際まで、「生きる」ことの意味を問い続けられたのだろうと思う。私は桜を見るたびに、彼のことを思い出したい。彼の人生は短かったけれど、人々の心の中に生き続けるだろう。我々が桜を愛でる限り。
「まっすぐな生き方」と聞けば、かっこ良く聞こえ、簡単なように思える。実は、それがいかに大変なことかは、先人たちの数々の偉業が証明している。彼らは偉業という実績を残したくて、努力をしてきたわけではなかった。「まっすぐな生き方」をしてきた結果が偉業となったのではないか。偉業という記録を記憶に留めるのではなく、そのための努力を記憶に留めるべきだろう。
私はこの本の参考文献の多さにも驚いた。著者の情熱や想いを考えると、胸が熱くなってくる。『まっすぐな生き方』を著しただけでも、偉業に思える。いや、私はそれだけではいけないと思う。先人たちの生き様を後世に伝えなくてはならないという使命感を感じている。それがこの本を読んだ人の責務ではないだろうか。
『まっすぐな生き方』は、文章、写真、書の3つが調和した、とてもすばらしい本である。多くの人に感動を与え続ける良書であると私は確信している。今を生きる全ての人に読んでほしいと思う。私はこの本を通じ、様々なことを考え、考えさせられた。また、これからの私の生きる道を示していると思った。先人たちに恥じない生き方をしようと誓った。そのためには、日々精進あるのみ。そのことを胸に刻んで、生きていこうと思う。ありがとう。
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