「ありがとう」があふれる学校にしたい。お互いのいいところを、素直に認め合える学校にしたい。
そんな気持ちを持って、『10代からの子育てハッピーアドバイス』を読みました。
そこに書いてあることは、どれも当たり前のことばかり。目新しいことは、特にありません。でも、1つ1つは、やっぱり大切なことばかりです。
「ここに書いてあることは、当たり前のことばかりだけれど、自分はこれをしっかりできているのだろうか?」
「自分は、しっかり相手のことを認めて、ありがとうと言えていたのかな?」
本を読んでは反省し、また読み進めては反省する。そんなことを繰り返しながら、あることが分かりました。
「生徒が『ありがとう』と言えないのは、職員である僕にも原因があるんだ」
「まずは生徒よりも先に、僕自身が『ありがとう』と言おう」
「そうすればきっと、生徒も『ありがとう』と、言いやすくなるはずだ」
それまで、原因は生徒の側にあると思っていたものが、本を読んでいくことで、自分にも原因があることが分かりました。相手の立場から見ることで、それまで見えなかったものが見えてきたのです。
もっとはっきり言うと、実は「見えなかった」のではありません。「見ようとしなかった」だけだったのです。
自分の側から見ているだけなら、相手の悪いところを見て、「ここを直すべきだ、ここはこうあるべきだ」と言えます。
でも、相手の側から見ると、自分にも直すべきところはたくさんあるのです。そのことに、うすうす気づきながら、ずっと気づかないふりをしていました。
「直すべきところは、自分にもある。まずは、自分から変わろう」
そうやって決心するまでは、少々時間がかかりましたが、今はこの決断をしてよかったと思います。
「相手のいいところを見つけたら、恥ずかしがらずに、どんどん伝えよう。生徒よりも先に、生徒よりも多く、たくさんのありがとうを伝えよう」
そんなことを心に刻み、次の日から学校で実践していきました。
最初の3カ月くらいは、生徒からだけでなく、同僚からも不思議がられましたが、今はもう平気です。最近では、自分の受け持ちではない生徒からも、気軽に声をかけてもらえるようになりました。
そして、何よりもうれしいことに「ありがとう」という言葉が、学校の至るところで聞こえるようになりました。
「手伝ってくれて、ありがとう」
「分からないところを教えてくれて、ありがとう」
「私のミスをカバーしてくれて、ありがとう」
今では、ありがとうの花が、学校中に咲いています。それとともに、認め合える関係も芽生えてきました。先輩が後輩のいいところを素直にほめている。それを聞いた後輩が、まるで満開の桜のような、最高の笑顔で聞いている。
「ああ、これが学校のあるべき姿だよな」
先輩にほめられて喜んでいる生徒の笑顔を見ながら、僕までうれしくなりました。
笑顔は、見ている人まで、幸せにしてくれるのですね。とっても、とっても気持ちいいです。
『10代からの子育てハッピーアドバイス』は、僕を変えてくれました。
「まずは自分から動こう、自分から変わろう」
その気持ちを、そっと後押ししてくれました。
「ありがとう」と言える学校にいると、本当に楽しいです。
「認め合える関係」があると、心がウキウキします。
僕自身、とってもハッピーになれました。これからも、僕は「ありがとう」と言い続ける自分でありたいです。
『10代からの子育てハッピーアドバイス』を読んで、本当によかった。自分が変われば、周りも変わっていくのですね。