読書感想文を書くために、『光に向かって100の花束』を読んだ時、短時間で適当に読んでしまった。しかしその後、著者の高森顕徹さんは、こんなふうに 読まれるためにこの本を書いたのではないのだと気付き、反省した。こんな失礼な読み方をしたことを反省した。だから今度は、一話一話丁寧に確認するように して再読を始めた。
そうしたら、この本には、短時間で適当に読んだだけでは絶対、消化しきれないほどの素晴らしい話がたくさん詰まっていた。全ての話が素晴らしかったけれど、その中でも特に心に残ったものを述べていきたい。
まず1つ目は、16番の「にこやかな笑顔と、明るいあいさつほど世の中を楽しくするものはない」だ。
これは僕の通う学校でも、「先生とすれ違ったら、会釈だけでもいいからあいさつをしろ」と常日頃から言われている。ただ、頭ではとても大切なことだと分かっていても、今まではなかなか気恥ずかしさが抜けず、実行にうつせていなかった。
しかし、この話にもあった通り、1日最低1人でもあいさつをしていけば、10年経てば、3650人の人を幸せにすることができるので、これからは学校ですれ違った先生はもちろん、近所の人にも会ったらあいさつをするようにしたい。
2つ目に、これも学校の話になるが、僕の通う学校では、「紳士たれ」とも言われている。つまり「紳士でありなさい」という意味だ。ただ、今までは「紳士な行動をしなさい」と言われても、実際にどういうことをすればいいか分からなかった。
しかし、22番の「ああこれで、ぼくは、英国人の誇りをキズつけないですんだ」に登場するイギリス人のブラウンは、勉強のライバルである菊池が入院中で 授業が受けられない時も、ノートを送っていたという話を読んで、この話に出てくるブラウンのような行動をとればいいのだなと思った。ブラウンの持っている 「高潔な紳士の誇り」を、僕も持てるように努力していきたい。
最後にもう1つ、心に残ったものを述べたいと思う。78番の「殺して生かす」についてだ。
この話は、乗合馬車で、青年が大金を隠し持っていたところ、ギャングが入ってきた。そうしたら、隣にいた人が、その隠し場所を教えてしまい、その大金が 盗られてしまった。しかし、実は、その隣の人はもっと大金を持っていたので、それを守るためにしたらしい。さらに青年は盗られたよりも多い金を渡されてい た。しかし、この隣の人は裏切ったことにより、散々罵られている。
この話の後、こう続いている。
「人生には、より大切なことを遂行するために、一時は相手を裏切り、ののしられ、迫害も覚悟しなければならぬことのあることを、知っておかなければならない」
まさにその通りだと思った。自分がこのような事態に陥ることがあるかどうかは分からないが、これを常に忘れないように、生きていきたい。
僕は、この本を読んで自分の小ささを思い知った。この本に大切だと書いてあることのほとんどが自分でできていないことだったし、おそらくこれからもそれをすぐに実行にうつしていくのは、とても難しいと思う。
しかし、その大切なことを常に忘れないようにして、立派な大人になった時には、この本に書かれている大切なことがちゃんと実行にうつせているようになりたい。