私は、現在3歳と4歳の子どもを育てています。年が近いためか、魔の2歳児から反抗が抜けないのか、よくケンカをしたりイタズラが続くので、叱ってばか りで毎日疲れてしまいます。2人ともとても活発で、我が強く、とても手がかかり、悪いところばかり目についてしまい、おとなしい子を見ては、「隣の芝生は 青い」現象ばかりです。
先日も、上の子の幼稚園の保育の様子を見る機会がありましたが、元々のマイペースに輪をかけて、他の子がしていることができず、「抱っこ」と甘えていたり、皆が支度を終えた頃、やっと状況を把握して動きだしたり、いちばん先生の手をわずらわせていたように思います。
あげくの果てにはクラスの子に「○○ちゃんていつもこうなんよ」「先生に怒られるんよ」と言われ、さらに落ち込みました。私の子育てが間違っているんだろうか? なぜできないんだろうかと涙が出てきました。
でも、この本を読んで、「手のかかる子は、とってもいい子です」という文にとても救われました。怒ったり、泣いたりギャアギャア言ったり、だだをこねた り……、毎日続くと親は正直大変です。しかし、そういうことを受け止めることで、自己肯定感をしっかり育んでいることに驚きました。
病院やデパート、電車の中など、子どもは所構わず、嫌だったり気に入らないと、大声で泣いたり、だだをこねたりしますが、制止して感情を閉じこめるだ け、子どもの言いなりになるだけでなく、思いを受け止め、共感することで、子どもは気持ちのコントロールができるようになるんだなあと思い、接し方に気を つけなければいけないと思いました。
思えば、「かわいい」と笑顔で接していたのは、かなり小さい頃。いろいろできて喜んでいたのも小さい頃……。今は、子どもと笑うこと以上に、できないことに目がいき、何度言っても聞かないことにイライラし、ほめるどころか、怒ってばかりだと気がつきました。
ほめて育てるのがいいと書いてあっても、ページのマンガのように「うちの子、全然ほめられるようなことしないんです」のまさにそのまんまなのです。自分 が従姉と比較されたから、比較しないようにしようと思っても、つい「何でできないの」「このぐらいできるでしょ」「もう○歳なんだから」「○○ちゃんはで きているのに」と知らないうちに比較し、がんばってできたことでも、親の私が思っているくらいできないと、できていないように捉えてしまっていました。
子どもにとっては、一生懸命やって少しでもできたのに、それを評価されないのでは、次へのやる気が出てきません。その子、その子でできる早さは違うし、 1から10のことを教えてもらっても、最初から10できる子もいれば、練習してがんばって10できる子もいます。また、できないとしても、今すでにほめる ところを持っているのかもしれません。今、目の前にあるがんばった1つ1つをほめて、その子自身の成長を感じていくことが大切だと分かりました。
次に目を引いたのが、「それは本当に叱るべきことでしょうか?」というところです。まだ分かる年齢になっていない、親にとって困ったことだが、人に迷惑 をかけるほどではないということです。振り返ると、姉妹ゲンカを繰り返すから、大声を出したり、食事をマジメに食べないから時間がかかり、怒ったり……。 でも、「子どもは、元来自己中心的で失敗ばかりして、言うことを聞かないものです」という文章を読んで、そう割り切ると、「こんなことで怒ってもしょうが ないな」「子どもは発達途上、社会のルールやマナーを学んではいるけど、まだ分からない部分もあるんだ」と思えます。
すべてを怒るのではなく、温かく見守り、考えさせられたり、一度注意しても、そのうちできるようになると、放っておくのも、親にとっても子にとっても大切なのではないかと思いました。
そうしても本を読んでも人間なので、イライラして「キレて」しまうことがあり、落ち込んでしまいます。
でも、本で「それだけ子どもに一生懸命関わっている証拠です」とあるのを見て、安心しました。子どもへの愛情があるからこそ、がんばって育ってるから大丈夫だよ、と言ってもらっているようで……。
でも、そこで安心するのではなく、「今のあなたではダメだ」という否定のメッセージを送っているかもしれないことに目を向けて、「今のまま」を認め、どうしたらできるか、どうしてほしいかを一緒に考え、伝えていくことが必要だと思いました。
4年、子育てをしても母も日々勉強。「初心忘るべからず」。持っている知識を過信するのではなく、かわいい笑顔と楽しい毎日のために、この本をそばに置いて実践しつつ、子育てをしていきたいと思います。