私には5歳になる一人息子がおります。毎日本当に手を焼いておりました。
そんなある日、町内である3歳児健診の際、担当の小児科の先生に「息子さんは何かこだわりすぎていますね」ということで、市内にある発達支援センターでの受診を勧められ、定期的に通うことになりました。
その時、ショックなことに「軽微なアスペルガー症候群」だと診断されました。
息子は興味のあることに対してはものすごい能力を発揮するのですが、他の5歳児が普通にできているトイレ(うんち)や運動会での集団行動がなかなかとれない……など、発達に偏りがあると診断されました。
10人に1人の子……。例えば、息子は2歳から英語教室に通わせているのですが、担当の先生がびっくりされる程、ものすごいスピードで新しいカテゴリー を覚えたり、発音はクラスでピカ一。しかし、いまだにトイレでうんちができません。排泄は個人差があるし、感情的に怒っても逆効果なのは分かっているので すが、ついキレてしまいます。
「手のかかる子は、とってもいい子です」
「『キレる』というのは、少なくとも、それだけ子どもに関わっている証拠です」
私は明橋先生のその言葉に救われ、涙が止まりませんでした。
息子は絵本やブロックが大好き! 私が家事をしている、ほんのちょっとの間にアイディアに富んだ個性あふれるものを創り出し、私が「たーちゃん、ものす ごいものができてるね。それはなあに?」「これはお家だよ。ママとパパとたかしのお家!」と得意気に、うれしそうに笑う息子。
寝る前には必ず絵本を何かしら持ってきては、「ママー読んでー」と言います。今お気に入りは「カラスのパン屋さん」です。
いまだにトイレでうんちができず、毎回パンツの中に……。月曜から土曜までは保育園へ預けているのですが、休日の時は5~6回もらします。お尻を洗い、パンツを洗っていたある日のこと。私はとうとうキレてしまい、感情的に息子を怒り、無理矢理便座へ座らせました。
息子は泣き出し、私も思わず抱き締め、泣きながら「たーちゃん、ママ怒ってごめんね」。
それ以来、私がつい他のことでも感情的に怒ることがあると、「ママー、怒ってごめんねって言ってー」と。
これからはあまり感情的にならず、長い目で見守っていこうと思います。
できなかったことも受け入れて認めてあげて、できた時にはすかさずほめるのが大事。
さて、これくらいの年齢になると、家事(お手伝い)にも興味を示し、私がお料理をしたり、掃除をしたり、洗濯をしていると、「たかーもー」と言っては小さな手で一生懸命、私のお手伝いをしようとします。
もちろん、ちゃんとしたお手伝いにはなりませんが、「たーちゃん、ママ助かったわ。ありがとう」と、にっこり笑いかけると息子もにこにこして、とてもうれしそう。
それ以来、私が言い忘れていると、「ママーありがとうって言ってー」と言う息子。
「ありがとうは最高のほめ言葉です」
「子どもをほめる、宝探しの旅へ出よう」
「あなた」メッセージではなく「わたし」メッセージで。
「子どもが幸せに育つためにいちばん大切なことは自己肯定感です」
これからも、この本をいつも傍らに置き、子育て本のテキストとして、感性豊かな息子と一緒に私も成長していきたいと思います。
「子育ては自分育て」
本当にそうですね。私はこんな息子を授かることができ、こんな素敵な本と出会うことができて、本当に今、幸せです。