1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス』を読んで

本橋良太さん(29歳・東京都) 一般の部

私はこの本を読み終わった後、リビングで仲良く折り紙で遊んでいる妻と、7歳になる息子を、思わず後ろから強く抱きしめてしまいました。「なぜ、妻のよ き理解者として生きられなかったのであろう、なぜ息子に対して心広く受け入れる父親として……」。この本を読んだ後、激しい後悔と育児に対しての認識の甘 さに心から気付き、恥ずかしい気持ちで一杯になりました。

私はいつも怒鳴って怒ってばかり、仕事のことでイライラし、妻や息子に当たり、まるでどこかの会社のワンマン社長王様気取り、妻や息子の話なんてどこ吹 く風、そんな気性の激しい私がこの本を読んだ直後、涙をボロボロ流しながら何回も「ごめんなさい」と抱きしめてきたので、2人とも目が点になり、息子は少 し怖がっていました(笑)

私は21歳の時に息子ができ、結婚。両親には「子供が子供を育てている」と言われるような、信用が全くない自分。仕事に悩んでいる時とも重なり、初めて の家庭、初めての育児、どう対処して良いのか全くわからず、おおよそ、この本の駄目な父親モデルには十分な行動をたくさんしてきました。

今思えば仕事と家庭の両立に加え、育児の知識不足が原因でした。妻と協力し合って二人三脚で生活していかなければならない時に、この本に出会っていればと悔やまれます。

この本の著者は、終始一貫して1つの言葉をとても大切にしています。それは「受け入れる」「受容」です。

人間がどんな時に心安らぎ幸せな気持ちになれるのか? 「この人と出会えて本当によかった」と心から思える安堵。それは、そのままの自分をまるごと肯 定、受容して頂いた時に最も感じられると思います。著者は正しいから受け入れて、間違っているから受け入れないという、正誤に偏る判断で人を見るのではな く、まずは「この人はこの人で良いんだ」と相手をまるごと受け入れる。そこからしか、よい関係の歯車は回り始めないと伝えたいと思いました。私は妻や息子 を、頑張れば認めて、頑張らなければ認めないという条件付きで受け入れてきました。

しかも古い固定観念を持ち続け、妻が育児疲れをしてぐったりしている時に、家事は女性がするものと強く叱責して、「ああしろ、こうしろ」と言っていました。肯定や受容とは程遠い姿でした。

しかし、この本を読み少しずつ実践していると、結局、相手を受け入れないと自分も受け入れてもらえない、当然のことにやっと少し気づきました。夫婦に限 らずそうですが、優しくすれば優しくされ、相手の話を聞かなければ、自分の聞いて欲しい話も聞いてもらえません。自分の世界は自分で作っています。しか し、正直、仕事での圧迫やストレスが苦しい状況で、ワタワタなのに我慢して力んで無理して理想のパパを頑張ってもいつかは破裂してしまいます。

そうではなくて、まずは自分の損得勘定でよいから受け入れる。我慢し、努力し、力まなくてよいと思います。仕事のことで心身ともに疲れている時もあると 思いますが、妻の話を受け入れる。顔が引きつってもよいから、「あーそうなんだ。いつもありがとう」の一言で、妻は口では何て言うかはわかりませんが、受 け入れられたことに内心は喜んでいるはずです。

笑い話ですが、家では毎日ビール2本(発泡酒)と決められていました。しかし、最近はたまに生ビールが出てきます。妻も以前よりはよく笑ってくれていま す。努力や根性では敷居が高くなってしまいますが、自分の損得として少しずつ実践していれば、状況は180度変化していくのだと思いました。この本の通り に行動していくと、本当に心温まる幸せな生き方が必ずできる、と確信しました。相手を変えようとせず、自分が変わるようにする。この本を読み、2人を強く 抱きしめました。

こんな私ですが、父親、夫として認めてくれている2人に本当に感謝。大切なことに気づかせてくれた明橋先生に心からお礼を申し上げます。

ありがとうございました。

忙しいパパのための 子育てハッピーアドバイス

忙しいパパのための 子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)