1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『こころの朝』を読んで

八ヶ代潤さん(中学2年生・三重県) 小・中学の部

僕は、この本を読んで、すごく勉強になりました。1つ1つの教訓を読んで、どれも素晴らしいことが書いてありました。その中でも僕の心に残っている話がいくつかあります。

戦国武将、上杉謙信の信条は「自分らしく、自分の心に恥じない生き方を」ということです。
これは、謙信が川中島で武田信玄と戦った時のことです。武田方のある武将が上杉家の勇者・落合彦助を討ち取ったと言いふらして、その武将は、信玄から褒 美をもらいました。だけど、落合彦助は謙信の側にいて、その武将は主力に褒められたいために、嘘を言ったという話です。それで謙信は、たとえ素晴らしい働 きをしても、周囲からまったく評価されなくても、誰も恨む必要はなく、「おまえは、よくやった」と、自分の心で誇れるなら、それが一番いいと言いました。

僕は、これを聞いて、とても感動したし、この生き方はとても素晴らしいと思いました。僕も自分で「素晴らしいことをしたなあ」と思うことがあって、でも 周りは僕を全然評価してくれない時があります。そのとき僕は、少し納得できません。でも、謙信の生き方を聞いて、「自分の生き方を変えてみよう」と思いま した。

パスツールは、「人の2倍、3倍の時間をかけて努力すれば、必ず追いつき、追い越せる」というのです。これは、化学者を目指しているパスツールが、勉学 に励む話です。パスツールは、名門校の受験を目指して、パリへ出た。しかしパスツールは、憔悴し切って故郷へ帰ってきました。でも、近くの学校で勉強し直 しているうちに、もう一度パリへ行き、化学者になろうと決意が固まってきました。そしてパリに行って、パスツールはじっくり勉強して、5年目に見事トップ クラスの成績で合格を果たしたのです。

念願かなったパスツールは、勉学と研究に熱中しました。体を壊すのでないかと、心配した父親は、手紙で息子を諭しています。父親から心配の手紙をもらったパスツールは返事に、「クラスの中には、先生の話を半分くらいしか聴かなくても理解してしまう優秀な人もいます。でも、僕は、人の2倍、3倍の時間をかけて、頭の中で整理しないと、完全には納得できないのです。だから、人が寝ている間に勉強しないと追いつけません。若いから、多少、睡眠時間を削っても平気です。体調管理には気をつけますから、安心してください」
と書きました。僕はこの文がとても心に残っています。

今、自分にも熱中していることがあるけれど、パスツールとの努力の差はものすごくあります。僕は、パスツールの生き方を、とても素晴らしいと思います。 少し無理しすぎだとも思いましたが、パスツールは、それだけ勉強しないと納得できないと言っているので、本当にすごいなあと思います。

僕もこれだけ努力をして追い越したいと思うけど、今の僕とパスツールとでは、熱中していることに対する気持ちが全然違うと思いました。

僕は、この本を読んで、いろんな素晴らしい生き方をしている人がいるんだということが分かりました。僕も、自分の生き方を見つけて、素晴らしい人生が送れるように、努力していきたいと思いました。