1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『光に向かって心地よい果実』を読んで

中前由喜さん(25歳・島根県) 一般の部

人が生きる上で大切なことを教えてくれる本がある。それは『光に向かって心地よい果実』だ。私はこの本を読んで、最初のうちは、当たり前、知っていることのように思っていた。私にとって、内容が少し易しいのではないかと思っていた。

でも、読み進めるうちに、この本の奥深さに気付いていった。長い文章が続くわけでもないのに、とても読み応えがあった。一文一文に含蓄があり、人の一生 を鋭く見つめていると思った。この本は、私を叱っているように思えた。怠惰な私への喝に思えたけど、これほど温かいお説教は、なかなかないように思えてな らなかった。心が安らいだのも事実である。文字も大きく、写真も多く、大変見やすいというのが私の第一印象だった。内容は、易しいものという印象を受けて いたが、本の持つ力を大きく感じる内容だった。

私は本を読んで感動したことはなかった。それは、感動する本に巡り会えなかったということだ。これだけの感動を与えてくれた『光に向かって心地よい果実』は、私にとっての宝物だ。大切に読み続け、多くの人におすすめしたい1冊だ。

活字や哲学アレルギーだからといって、この本を読まないのは、本当にもったいないことだと思う。難しい表現も理屈も一切ない。それに押しつけがましくもない。「頭が悪いから、こんなに難しい本は読めません」と難しく考えず、気楽に読んでほしいと思う。

説教を受け入れたところで、私は悟りのような心地よさを感じたのだと思う。私の心はこんなにも素晴らしい言葉ばかりを求めていたのかと分かった。私はこ れまでにいろいろな人に叱られたけれど、有り難いと思うことはなかった。これからの私の人生で、それに気がついてよかったと思う。私が人を叱る時は愛情を 込めて叱れるようになりたい。

私が気に入り、日常生活の中で実践していきたい言葉がある。それは「かんしゃくの くの字を捨てて ただ、かんしゃ」である。これは、ただ「好き」だけ で終わらせたくはない。実践することに意味があると考えている。私は本来、短気な性格で、日常生活の中での実践は難しいかもしれない。でも、続けていくこ とが幸せへの唯一の道だ。私はそれと、いつも笑顔でいることを心掛けたい。

私はこの本を人生の師匠にしたい。というのも、懐の広さを感じたから。不安や戸惑うことがあれば、いつでもこの本を読んで、原点回帰したい。そのため に、目立つところに置いている。シンプルにストレートに、温かく心に響く言葉ばかりなので、何度でも繰り返し読みたい。そして、自分の人生をすばらしいも のにしていきたい。
この本は私の人生の師匠であるだけでなく、父や母、兄や姉、先輩、教師のように大切な存在になった。また、私を幸せへと導いてくれると信じている。

『光に向かって心地よい果実』を様々な人におすすめしたい。受験、就職、結婚などの人生の岐路に立っている人。仕事、勉強に行き詰まり、発送の転換を図り たい人。ただ何となくイライラ、モヤモヤする人。こういう時に読むと効果は絶大だ。目からうろこのヒントが満載である。人生をよりよくするための応援歌の ような本と言えるかもしれない。

私はこの本を読んだ時は、「私の人生なんて……」と考えていた。私は四半世紀生きてきた。その中で、いじめに遭い、受験に失敗した。何度か自殺も考え た。病気ではないけれど、忙しい日々が続き、疲れ果て、「自分なんて……」と卑下してしまうこともある。マイナス思考から抜け出せなくなる。そんな時に、 近くの書店でこの本に出会った。1万年堂出版の本は、5年前に『なぜ生きる』を読んで以来だった。私はまたこの出版社の本を読んでみたいと思っていた。そ して、買って読むことにした。またこれも運命だと感じた。私をマイナス思考から救ってくれたのも、この本である。

随分助けられ、勇気をもらった。こんなに素晴らしい本ならば、もっと早く出会いたかった。私はこの本に感謝してもし切れないぐらいの気持ちを感じている。

『光に向かって心地よい果実』を読んで、『なぜ生きる』を読んだ時のことを思い出した。両方には、普遍のメッセージが込められていることに気がついた。 『なぜ生きる』を読んだ時のあの感動は、私の心の中で、少しも色あせていなかった。どちらも甲乙つけられないほど、素晴らしく、偉大な本だと思う。私はこ れからの人生を1万年堂出版の本とともに歩んでいきたい。付録のしおりにも大変癒された。

「大切な忘れ物を届けに来ました」

この言葉に、ああ読んでよかったと思った。しおりはおもてなしの心だと思った。大変うれしかった。本当にありがとう。