今年の春頃、仕事の帰り道に、何気なく書店に入った。「おむすび」という、最近、あまり聞かなくなった言葉に目がとまり、パラパラとページをめくった。すると、あちこちに、花や風景や木々の奇麗な写真があり、その中に吸い込まれていくような私がいた。
そして、それを手にとって、自然に、足はレジのほうへと向かっていた。でも、それから仕事が忙しくなって、読み始めたのは最近です。最初の「プロローグ」は、全国各地から寄せられた年齢、性別を問わない、多くの人達の体験談が掲載されていた。
次々と読んでいくにつれて、55年間の私の人生そのものではないかという錯覚にさえ陥った。小さい頃から病弱で、母に心配ばかりかけてきた私は、34歳で結婚し、やっと幸せをつかめると思ったが、夫は借金まみれ、私の400万の持参金は、あっという間になくなった。そして、その結末は、やはり離婚だった。子供が高校へ入学する年でした。あれから5年、まもなく、その子供にも、赤ちゃんが生まれる。私にとっては、大事な大事な初孫だ。親として、今までの子供に対するいろいろな思いが頭の中をかけめぐる。
私は、プロローグのすべての話に、共感した。その全体を通して言えることは、親にとって、子供とは、何物にもかえがたい宝物だということだ。次の一部は、私には、少し、中身が濃すぎて、書かれてある内容が難しかった。
でも、みんなに伝えようという主旨は、最初のプロローグと同じだと思う。第1話から第19話にかけて、いろいろ考えながら、読んでいった。中には、分かりやすいのもあった。一番共感できたのは、第2話「親という字は木の上に立って見る」。本当にそう思う。
親は、常に子供のことを見守って、子供が間違った方向へ進みそうになったら、正しい方向へと導かなければならない。
時には厳しくするのも、親の愛情だと思う。私は、スーパーで、清掃の仕事をしているが、最近の若者、特に、学生のマナーが悪い。やはり、小さい頃から、していいことと悪いことの区別を、はっきり教えるべきである。
「親のこころ、子知らず」とは、まさに、こういうことを言うのかもしれない。
続いて、第二部、読んでいくにつれて、いろいろなシチュエーションにおける親の気持ちが、ひしひしと伝わってきた。
子供を思う親のこころに、ただ、ただ感謝する話ばかりだった。19話でお弁当の話があった。私は、小学校、中学校では、いつもは給食だったが、運動会とか遠足になると、母は朝早く起きて、お弁当をつくってくれた。
母の得意なおむすび弁当だ。3人姉妹だったので、お弁当も3つ。大変だったと思うけど、嫌な顔ひとつせず、にこにこしながら、三角おむすびをにぎっている母の姿が、そこにあった。子供ながらに、母の手の中で、奇麗な三角になっていく、おむすびを見ていると、母の手は、魔法の手のように思えてきた。
私は、今でも苦手。なかなか三角にならない。角がなくて丸くなる。まるで、私の性格みたいだ。母のお弁当は、おかずも豪華で、きれいな色の卵焼き、タコさんウインナー、ほうれん草のおひたし……など。そんな料理の得意な母が、私の自慢です。
私は、この本を通して、両親への感謝というものを改めて感じた。「生んでくれてありがとう」。私は、父と母の子供として生まれてきたことを、本当によかったと思っている。
父は、8年ほど前に亡くなって、いないけれど、母には、これからも、ずっとずっと、長生きしてほしい。年を重ねるごとに、背中が丸くなり、力も弱くなっていくので、大事にしたい。本当に、本当に、そう思う。
そして、もうすぐ母となる20歳の娘に、この本を薦めたい。
『親のこころ おむすびの味』、このタイトルの奥に秘めた意味を、再度考えながら、終わりにしたいと思う。
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