『光に向かって100の花束』と私は、かれこれ10年来のお付き合いです。ふと悩んだときなど、本書を開いてパラパラとながめているうちに必ず、何かしら、その時の自分にぴったりの、感慨のある言葉と出会えるのです。
これは、いつも思うのですが不思議ですね。
「大切な忘れ物を届けに来ました」
この言葉は、本書のオビに書いてある、すてきなメッセージです。
「大切な忘れ物」というのは、小さい頃に親や学校の先生から教えられた、思いやりの心のことなのだと思います。
子どものころは叱ってくれる大人がいましたが、大人になると、叱ってくれる人というのは、身にしみて貴重な存在に変わります。
大人になった私は、基本的には自分で自分を叱り、励ましていかなければなりません。
痛い。心細い。なかなかうまくいきません。
転んでばっかり。
そんなときに出会ったのが、『光に向かって100の花束』でした。
私の思う、本書の良いところは、いつでも自分の好きなときに、大切なことをそっと教えてくれるところです。
本を開き、心を開きさえすれば、自分だけに、自分の至らないところをやさしく教えてくれます。
人間と違って、一度教わったことを忘れても、もう一度ページを開いて向き合えばちゃんと親切に教えてくれるのです。
「また忘れたの、ばかだなあ」なんて言いません。
安心して、何でも相談できる、親友のような心地よさが本書にはあります。
たとえ親友でも、聞きづらい事だってあります。
そんな聞きづらい事でも、本書は、いつ、どんなときでも、凛とした佇まいで、本当に大切なことを示してくれるのです。
すでに、手垢で真っ黒の、私の『光に向かって100の花束』です。
今のところはまだ未定ですが、もし、将来、子供や孫ができたとしたら、一緒に、大切に読み継いでいきたいと思っております。