1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『光に向かって100の花束』を読んで

和田奈津子さん(29歳・山形県) 一般の部

『光に向かって100の花束』と私は、かれこれ10年来のお付き合いです。ふと悩んだときなど、本書を開いてパラパラとながめているうちに必ず、何かしら、その時の自分にぴったりの、感慨のある言葉と出会えるのです。
これは、いつも思うのですが不思議ですね。

「大切な忘れ物を届けに来ました」

この言葉は、本書のオビに書いてある、すてきなメッセージです。

「大切な忘れ物」というのは、小さい頃に親や学校の先生から教えられた、思いやりの心のことなのだと思います。

子どものころは叱ってくれる大人がいましたが、大人になると、叱ってくれる人というのは、身にしみて貴重な存在に変わります。

大人になった私は、基本的には自分で自分を叱り、励ましていかなければなりません。

痛い。心細い。なかなかうまくいきません。

転んでばっかり。

そんなときに出会ったのが、『光に向かって100の花束』でした。

私の思う、本書の良いところは、いつでも自分の好きなときに、大切なことをそっと教えてくれるところです。
本を開き、心を開きさえすれば、自分だけに、自分の至らないところをやさしく教えてくれます。
人間と違って、一度教わったことを忘れても、もう一度ページを開いて向き合えばちゃんと親切に教えてくれるのです。

「また忘れたの、ばかだなあ」なんて言いません。

安心して、何でも相談できる、親友のような心地よさが本書にはあります。

たとえ親友でも、聞きづらい事だってあります。

そんな聞きづらい事でも、本書は、いつ、どんなときでも、凛とした佇まいで、本当に大切なことを示してくれるのです。

すでに、手垢で真っ黒の、私の『光に向かって100の花束』です。

今のところはまだ未定ですが、もし、将来、子供や孫ができたとしたら、一緒に、大切に読み継いでいきたいと思っております。