1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銅賞

『10代からの子育てハッピーアドバイス』を読んで

奥田仁美さん(52歳・和歌山県) 一般の部

私が、この本と出会ったのは、去年の夏でした。仕事帰りに、何気なく、駅の近くの本屋さんに立ち寄ってみると、可愛いイラストの本が、何冊か積まれていました。思わず手にとって、ページをめくっていきました。
わかりやすい内容だったので、10代の子供をもつ親として、ぜひ参考にしてみたいと思い、読んでみることにしました。

まず、私が初めに注目したのは、「10代の子供に接する10カ条」です。1から10までわかりやすく箇条書きにされていて、なるほど……と思う反面、今までの17年間の子育ての中で反省すべき点が、たくさんありました。今までずっと、”素直でいい子”、わがままなんか全然言わないで過ごしてきた子供に、反抗期なんてあったのだろうか? いくら考えてもわかりません。多分、我慢してきたのだと思います。私の知らないところで、子供も辛い日々を、過ごしてきた事でしょう。

そんな中で、私は、昨年3月に離婚しました。すごく悩みましたが、それしか方法がありませんでした。一番心配だったのは、子供の事、次に、生活に対する不安でした。私は、心の中で、子供に、何度も何度も”ゴメンね”とあやまりました。思春期、まっただ中の子供にとっては、きっと複雑な気持ちだったと思います。ただ高校に合格していたのが、せめてもの救いでした。そして、高校生になると、以前と明らかに、違う事がありました。

それは、私の前では、余り話をしなくなった事です。また、私と全然出かけなくなった事です。なぜだろう?なぜだろう? 私の心の中は疑問符でいっぱいになりました。でもこの本を読んで、私は、納得しました。”思春期の親離れ”という言葉が出てきたからです。私には、未知の世界でした。こういう時期があるなんて……。

親が自分の不安から、過保護、過干渉しないともありました。その通りだと思いました。私は、いろいろな面で、干渉しすぎたのかもしれません。きっと私が、子離れできてないのでしょう。反省しています。

それから、自殺の事も書いてありました。

小学生、中学生の自殺なんて、私達の子供の頃には、考えられない事です。でも、その事が、頻繁に新聞にのっているのは、今の子供達が、心に言いようのないダメージを受けているのではないでしょうか? そして、それに打ち勝つ強い精神力と気力を、もっていないような気がします。自殺という行為にいくまでに、子供も、もがき苦しんで、すぐそばにいる親に何らかのサインを出しているはずです。そのサインに親は、気づくべきだと思います。子供の自殺は、私は、親の責任でもあると思いました。

最後に、いじめについてですが、私の興味ある問題のひとつです。

時々、真剣に、”なぜこういう事が起こるのか?”と考える事があります。でも、いくら考えても、答えが見つかりません。頭の中が真っ白になっていくだけです。しかし、ただ1つ言える事は、この本にも書いてあるように”いじめられている人は、決して弱くない”という事です。本当に弱いのは、いじめている方かもしれません。いじめに関しては、何ページにもわたって、いろいろな例題をあげて、分かり易く書かれていたので、すごく参考になりました。
私は、この本と出会って、子供との接し方が少し変わってきたような気がします。

“親の知らないところで、子供が苦しんでいる!?”たしかにそうかもしれません。

子供は子供なりに、大なり小なり、悩みを抱えている事でしょう。もう少し早く読んでいたら……と思うと、残念でなりません。

特に、最初の10カ条は、何回も読んで、実践したいと思います。

10代からの子育てハッピーアドバイス

10代からの子育てハッピーアドバイス

明橋大二(著) 太田知子(イラスト)