1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

金賞

『輝ける子』を読んで

浅野能成さん(39歳・滋賀県) 一般の部

子供ができるまでは、赤ちゃんをあやして、夫婦ニコニコしているイメージがありました。でも実際は、退院して娘と共に妻が帰ってきて早速の夜泣き。子育ては想像していたよりも数段大変だと感じました。そして、いろいろな育児書を読んでみましたが、「理想はそうだろうが、実際はね……」と言いたくなるものばかり。理想とは裏腹に、常にイライラした日々を送っていました。

そこで、出会ったのが、『子育てハッピーアドバイス』シリーズでした。書かれている多くのことが、目からうろこで、気分が楽になり、シリーズをすべて読み終わると、本に書かれていることもそこそこ実践できるようになってきました。続けて『輝ける子』を手に取り、自分の育児に対する行動と照らし合わせながら読んでみて、大いに共感するものがありました。そして、自分の考えと共に、感想をまとめてみようと思いました。

本書全体に流れている重要なこととして、「自己肯定感」というものがあります。これは、自己肯定感が人生の土台になって、その上にしつけがあり勉強がある、ということ。実は5歳の娘と2歳の娘が困ったことをした時、今までは、すぐに怒鳴ったり、たたいたりしていました。でも、今はまずは話を聞き、子供の気持ちを汲み取り、時には抱きしめたりするようになりました。

そして、これは、大人の世界にも言えることで、自分が落ち込んだ時には、自分を肯定する言葉を自分に掛けるようにしています。これで、意外と早く立ち直って、前向きになれるから不思議です。

2つ目は、子は親の鏡であるということ。私の娘は、外で、バスが走っているのを見ると2人とも大騒ぎします。実は私自身が無類のバス好きなので、子供も関心を持つ。まさに子は親の鏡ですね。本当に趣味や関心を持つ方向が、親と同じなので笑ってしまいます。

しつけも同様で、「親が、身をもって示すこと」が重要であると本書にあります。「挨拶しなさい」「はやく寝なさい」と口うるさく言っても、一向にできるようになりません。でも、少し恥ずかしくても、親が元気よく挨拶をする、したいことがあっても子供と一緒に布団に入る、そんなことで、少しずつ改善されていきます。逆に、口だけで子供を動かそうとすると、泣き出したりしてよくない結果になることでも実感できます。

私は仕事でも家庭でも、それぞれ役割があって、やりがいと夢を持って取り組んでいます。それが子どもたちにも伝われば、と思います。少し前は不景気とかリストラとか、大人の世界は暗い感じでした。今、世の中を見ると、親子の楽しそうな姿を多く見ることができます。私が変わったからか、世の中が変わってきたのか、きっと、今後もっと良くなっていくのだと予感しています。

3つ目に、「子供がわがままで手がかかるのは、ちゃんと子育てしてきた証拠、安心していい」というメッセージが本書にはよく出てきます。これは、実に私たちに安心感を与えてくれました。つまり、親自身が「自己肯定感」を持つことができたわけです。

特に、「わがままだったから不登校になったのではない」、という話は、目からうろこでした。わがままはマイペース、リラックスした状態だ、と思えると、子供のことをとても肯定的に思えることができます。幸いに、娘の幼稚園の先生も、もっと自分を出して、困らせるくらいしてほしい、と言ってくれます。良い先生に恵まれて幸せだと思います。そして、そんな子供のありのままを認め、愛することができるように、と思っています。そして、これは、大人の世界にも当てはまります。夫婦関係や、仕事での人間関係でも、そのまま応用できるのです。最近、仕事で失敗しても、大変な時も、自分を否定せず、前向きにとらえることができるようになったと感じています。これも子育てを通じて、自分が成長した証拠でしょう。これからも、手がかかる子供たちに、一生懸命手をかけていきたいと思います。

時々、幼稚園のお弁当を作ると、「パパのお弁当のほうがおいしい」なんて言ってくれます。一緒に遊ぶと、「パパ好き」と言ってくれます。そんな幸せが、子供と向き合うことで、得られます。確かに大変で疲れますが、今、この瞬間しか味わえないこの喜びを大事に大事にしていきたいと思います。

こんな父親は、きっと子供たちと一緒に輝いているでしょう。この本のおかげで、子育てはもちろんのこと、仕事、夫婦関係、その他いろいろなことが楽しく、肩の力を抜いてできるようになったと思います。ありがとうございました。

最後に、本書に書かれているような大切なことを、世の親たちはあまり知らないのかもしれません。情報が多く、おかしなことが、まことしやかにささやかれる時代です。本書に書かれているように、親と子の幸せのために、社会をあげて応援していく必要があるのではないか、と強く感じます。