1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『子育てハッピーアドバイス』を読んで

斉藤英美さん(25歳・神奈川県) 一般の部

私は、新聞でこの本を知り、その日のうちに、当時2歳だった娘と歩いて40分の本屋さんまで買いに行きました。

その頃は、毎日イライラして子供を怒り、本当は怒りたくないのに怒ってしまう自分と誰も助けてくれない現実が嫌でした。たった1人だけ私を助けようとしてくれたのは娘でした。怖い顔の私を笑わせようと「かあちゃん笑って」と怒られたばかりなのに最高の笑顔を作って見せてくれたり、私が楽になるように家事を手伝ってくれました。そんな良い子を怒る自分が嫌で何とかして優しい母親にもどりたいと思っていた時にこの本と出会えたのです。

この本は、字が少ないのにポイントを押さえてあるので良く理解でき、さらにイラストでも表現されているので娘がお昼寝をしている時間で読み終えることが出来ました。各章の初めや終わりの部分には、草原でのんびりと寝転んだような気持ちになれる、のびやかなイラストがあり、「そうか、そうか」と一気に読みたい自分にとって良い息ぬきになりました。特に娘が起きる前にと焦って読んでいたので字だけでなくイラストがあることでリラックスすることが出来ました。

私は16章の「子どもを守ろうとするなら、まず、それを支えているお母さんを守らなければなりません」を読んだ時、涙があふれ出てきました。その後の17章「母親に休日はない」を読んだ時には、毎日の苦しい生活が終わるような気がして肩の力が少し抜けて、その安心感からなのか大粒の涙がボロボロと湧き出てきました。娘が生まれてから2年間、どんなに辛くても娘を守るために頑張っていた事を思い出したのです。

話せないほどのどが痛い時も、熱が40度ある時も、お腹が痛くて死にそうな時も、主人は一度も仕事を休んではくれません。なので夜勤の主人を送り出した後、食事、お風呂、寝かしつけ、そして翌朝は掃除、洗濯とても辛くて悲しかったです。その忘れようとしていた辛さを、この本を読んだことでしっかり受け止めることが出来ました。すると、辛そうな私を思いやってイスの上に背伸びをして立ったまま、ビショビショになって食器を洗ってくれた娘も辛かったことに気がついたのです。

私は、この本を読むまで毎日、がんばろう、もっとがんばろうと思って子育てをしてきました。子供の成長はとても早いので、それに追いつくのがやっとなのに、子供の為にと育児書を読みあさり、子供が喜びそうな遊びの計画をたてたり、生活リズムの身に付け方などを細かく考えましたが、それが成功することはなく、自分のイメージどおりにならずにイライラしてしまいました。

しかし、この本を読んだことで、自分と相手の間に線を引くことを学び、子どもとの間にも線を引いて良いことを知ることが出来たので、頑張ることが少なくなりました。そうしたら、毎日、頑張ろうとしていた自分は、毎日、頑張っていたのだと気が付きました。頑張ってがんばって疲れていたから、家族の行動まで気になりイライラしていたのだと思いました。

私は、主婦だから、家の事をキチンとこなし、家族がのんびりできるようにとか、病気などにならないようにと色々頑張っていたけれど、毎日家にいる私がのんびりしていなければ、他の家族ものんびりできない気もしてきました。この本を買う時、今の自分を止めて優しい自分に戻りたいと思いました。そして性格を変える本や、素敵な女性になれる本も沢山買い、自分を変える方法を探していました。どの本にも自分の考え方、行動を変える方法はありましたが、涙が出て、気持ちが楽になったのは『子育てハッピーアドバイス』だけでした。毎日、家事と育児でいっぱいで頑張っている自分にも気が付かず、涙があふれるほどのストレスを我慢していたら怖い顔になるのも無理はないと気付いたら優しい自分が少しずつ戻ってきました。

「1万年堂新聞」の読者の便りを読むと、自分と同じ考えの人が多いので、この本を読んでいない人の中には、私のように悩んでいる人が沢山いると思いました。なので、私はこの本で学んだことを、その人たちに伝えたり、本を貸してあげたりして、みんながハッピーになれば良いなと思います。

子供を授かった時、とてもハッピーでした。一生懸命に育てよう、守ろうとしているうちに、ハッピーよりもストレスを感じることが増えてしまいました。しかし、この本を読んだことで、またハッピーな子供との生活を楽しめます。