泣きました。結構前の話ですが、初め本屋で立ち読みして涙目になり、買って、家に帰って一人でじっくり読んだときには本当に涙が次々にでてきました。なぜかでてきてしまうのです。これは1つ1つの親と子の物語が、ほとんどと言っていいほど、私の親を反映していたからだと思います。それと、私が気づくことができなかった、とても深い親の愛に気づかされたことも原因のひとつです。
ここで私の親を紹介すると、ふたりとも”心配性すぎる”というくらい心配性です。塾の帰りに友達と話して、いつもより少し遅くなったくらいで迎えにきたり、「打ち上げだから遅くなる」と行く前にいっておいてもすぐに電話がかかってきたり、ちょっと「~が痛い」というとすぐに「病院行く?」と聞いてきたり……と小さなことまで心配します。私はいままで何も考えずに”そこまで心配しないでいいよ”と少しいやがっていました。でも今思うと、そう言われた親はショックをうけていたと思います。なぜなら、この私が言っていた言葉は、愛はいらないといっているのと同じようなことをいっていた気がするからです。
この本は、心配することとその心配している人を思う気持ちはイコールの関係でつながれているということを私に教えてくれたと思います。そう考えているうちに「親はこんなにたくさんの愛を私達子どもに与えてくれているのか」と、とても幸せな気分になってきました。そして今まで以上に親が大好きになりました。
私はよく、なぜ親はこんなに、自分のことのように子どもを愛せるのか不思議に思うことがあります。そしてふと父と母という字について考えてみました。すると共通するものを見つけました。それはどちらの字にも点が2つあります。そして心という字にも点が2つあります。この1つの点が1つの心を表すとしたら「父や母になると、子どもに自分のもっている心を1つあげることになるから、2つの心をもっている」という意味を含ませてこの漢字にしたのかなと勝手に考えました。だから子は親の分身であり、親が育てた、だからそんなに愛せるのかな……。本当の理由は分からないけれど、自分が親になったら分かると思うので、その日を楽しみに待っていたいと思います。
親への感謝の気持ちを忘れずに毎日を大切に生きること、どれだけ親は自分のことを愛してくれているのかということ、今の自分があるのは親のおかげだということ、『親のこころ』には沢山のことを気付かせてもらいました。本当に感謝しています。