1万年堂出版が開催した
読者感想文コンクールの
入賞作品の一部をご紹介します。

銀賞

『光に向かって100の花束』を読んで

黒田蘭さん(18歳・熊本県) 一般の部

私が初めてこの本を知ったのは、新聞を読んでいた時である。
題名と『大切な忘れ物を届けに来ました』というキャッチフレーズに、何かとても魅きつけられるものを感じた。
読者の声も載っていて、必ず買って読んでみたいと思って私は新聞を切り抜いた。
買って読んだ後、私は思った。忘れていた多くのこと、まだ知らなかった多くのことを、この本は届けてくれたのだと……。

中身についてだが、100の話がとても分かり易く載っていた。
素晴らしく、納得できる話ばかりであった。
普段の自分の生活を思い出しながら、読み深めていった。

一番印象に残っている話は、『矢は一本しかないと思え(一意専心)』である。
やはり、人間は底力というものを持っているのだと思う。
この一本しかないと思った瞬間、緊張が走り不思議な集中力が出てくるのだろう。
あと一本あるからという心の余裕があるのならば、集中力も欠けてくる。
何事においても、もう後がないという気持ちで取り組まなければならないと感じた。

また、一つのことに集中する力が生きていく上でとても大切だと感じた。
私は、書道をしている。今までの話を、書道に置き換えて考えてみた。例え紙が何枚もあったとしても、この一枚しかないのだと思って常に書いていきたい。
普段、まだ残りの紙があるとついつい残りの紙を清書にしようと考えてしまいがちである。後がないのだと思って、一枚の紙に取り組もうと思う。

また、この話の中にでてきたように一つに集中することも忘れてはならない。
他のことを考えていては、良い字が書けない。これからも、集中して書道に臨みたいと改めて思わせてくれた話であった。

次に印象に残っているのは、『先生、毒薬を一服盛ってください(名医の処方)』という話である。
嫁の気が変わるだろうと予想した名医は、毒薬でなくソバ粉を盛ってやった。
相手の気持ちの変化まで考えることができるなんて、本当にすごいと思う。その時ばかりを考えるのではなく、先を見通す力があるのだろう。

それと共に、初めは嫁にソバ粉であることを言わなかったことから、自分で気づかせようと嫁の持つ良心を引き出す力があったのだろう。
何でも悟りを教えてしまうだけでなく、自分から見つけさせようとする、自主制を引き出させるのが大切だと思った。

私は将来、教師になりたいと思っている。中学校か高等学校で教えたい。教える者にとって、この話はとてもためになると思う。
もし教師になったら、この話をいつもいつも頭に置いておかなくてはならないと思っている。
これからどうなるだろうかという先を見通す力と、可能性を引き出させる力をつけなくてはならない。

今例に挙げた二つの話のように、とても役に立つものばかりであった。
普段の自分の生活を見直すこともできたし、これからどのように生きていかなければならないのか考えさせられた本だった。
読んでみて、さまざまなことを知れて本当に良かったと思っている。
友達や妹やいとこや多くの人に、この本の良さを伝えた。私のように、いろいろなことに気づかされるのではないかと思う。

前にも述べたが、私は教師になりたい。教師という仕事に就くことができたら、私はこの本を紹介しようと思う。
一つずつでも良いから、この本の話を子どもたちに聞かせてあげたい。どれも全く良い話なので、必ず教えたい。

この本を読むと、心が温まった。そして、すごく感動した。ずっとずっと大切にしていきたい本である。
『大切な忘れ物』を届けてもらったし、忘れ物しそうなものも届けてくれた。
『光に向かって100の花束』というこの本を読んで、元気が湧いてきた。光に向かって、明るく元気に生きていこうと思う。

生きるとは何なのかも考えさせられたし、人間として輝くためにはどうすればいいのかをいろいろな形でヒントとしてくれた。
長い人生、時にはつまづきながらもこの本を片手に人間として輝いて生きていけるように頑張っていきたい。
この本と出逢えて本当に良かった、心からそう思える。

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