もう二度と来ない幸せを経験すると、その後の人生がずーっとつらい
「崩れたら崩れたときさ。思い出が残ればいいんだ」と言うむきも、あるでしょう。
たしかに、去ってしまった幸福をいくら嘆いても詮ないこと。つらい現実を忘れて、楽しい思い出にひたりたくなる気持ちは、誰にでもあります。
しかし病気になって、昨日までの健康を喜ぶことができるでしょうか。
「もう戻れないよ どんなに懐かしく想っても あの頃確かに 楽しかったけど それは今じゃない」(「End roll」)と浜崎あゆみの詞にもあるように、あの頃がどんなに楽しかったとしても、それは戻れぬ昔であり、「今」は楽しくないのです。
思い出には〝甘さ〟こそあれ、今を楽しくする〝力〟はありません。
また、二度と来ない幸せを経験すると、その後の人生がずっとつらくなることもあります。
誰よりも理解してくれた人と引き離されたら、どんな気持ちになるでしょう。
「一番の幸せと信じていたのは、一番の不幸だったのではなかろうか。いっそ知らずにいたほうが良かった」と後悔するかもしれません。
なまじ輝きを与えられると、ちっぽけな平凡は選べなくなってしまいます。
どんなに素晴らしい人とのめぐり会いも、無条件で幸福とはいえないでしょう。
「不幸な境遇にあって、かつての幸せをおもうほど悲惨なことはない」
――ダンテの『神曲』地獄篇の言葉です。
あまりに貴重な過去は、現在の地獄をよけい惨めにさせます。
(『なぜ生きる』p.81-82 著:明橋大二・伊藤健太郎、監修:高森顕徹)
『なぜ生きる』書籍紹介
子供から大人まで、多くの人に勇気と元気を与えている書籍です。
発刊から20年たった今でも多くの方に読まれています。
忙しい日々のなか、ちょっと立ち止まって、「なぜ生きる」、考えてみませんか?
『なぜ生きる』のお求めは、お近くの書店や、弊社まで(TEL: 03-3518-2126)
お問い合わせください。
『歎異抄ってなんだろう』『歎異抄をひらく』書籍紹介
先の見えない今、「本当に大切なものって、一体何?」という誰もがぶつかる疑問にヒントをくれる古典として、『歎異抄』が注目を集めています。
令和3年12月に発売した入門書、『歎異抄ってなんだろう』は、たちまち話題の本に。
62万部突破のロングセラー『歎異抄をひらく』と合わせて、どちらも、読者の皆さんから、「心が軽くなった」「生きる力が湧いてきた」という声が続々と届いています!

