職場で、電車の中で、街中で、誰かの口臭が気になった経験はないでしょうか。
あるいは、「自分の口の臭い、相手にどう思われているんだろう」と考えることはありませんか。
焼肉屋に行けばその帰りにガムをいただいたり、休憩時間になれば歯を磨いている方を目にしたりすることからも、古今東西、年齢を問わず、口の臭いは多くの人の関心事であるとわかります。
今回は「口臭」について様々な角度から迫っていき、その対策をご紹介します。
予防法① 「自覚臭」と「他覚臭」の違いを知る
実は、自分で感じる臭いと、他人が感じる臭いは異なります。
それぞれ「自覚臭(じかくしゅう)」、
他人が感じる臭いを「他覚臭(たかくしゅう)」といわれます。
「ニンニクを食べたけど大丈夫かな」「私、コーヒー臭くないかしら」というのが自覚臭です。
対して、他人が「あの人、臭う」と思うのが他覚臭です。
自覚臭と他覚臭の組み合わせで、以下の4通りに分けられます。
- 自覚臭も他覚臭もない-理想的な状態です。
- 自覚臭はあるが、他覚臭はない-敏感で他人に迷惑をかけたくない、という気持ちの強い方でしょう。社会的には何の問題もありません。
- 自覚臭も他覚臭もある-自覚があるので、何かの対策が行われます。
- 自覚臭はないが、他覚臭がある-自分でも気づかないうちに迷惑をかけている可能性があります。
知らず知らずのうちに、誰かに迷惑をかけないためにも、自覚臭と他覚臭の違いに注目しなければなりません。
くさいトイレに長くいると鼻がバカになり、くさい臭いに気づきにくくなります。
それに近いことですが、他覚臭があっても自覚していない場合もあります。「私は大丈夫かな」と意識するところから口臭の予防は始まります。
客観的に他覚臭を測定したい場合、口臭を測定する機械があります。
また、大学病院等で専門の測定を行うことで、より厳密にわかります。
測定器のある歯科医院、病院は限られているので、あらかじめ調べておくことをお勧めします。
予防法② 口の臭いの一日の変化を知る
口臭の強さは、一日を通して変動します((下図参照)。
特に、寝起きや食事前の、唾液が活動していないとき、口臭は強くなりがちです。
予防法③ 臭いの出る食品を知る
臭いといっても、「酒臭い」「ニンニク臭い」など、実に様々です。
強い臭いを発するものは「日本酒」「キムチ」「ニンニク」などです。
これらのものは肺から出てくる口臭のため、2~3日臭いが続くこともあります。
これらの臭いが必ずしも人を不快にするわけではありませんが、気になるという方はレモンや牛乳で中和することも有効でしょう。
予防と対策④ 口臭の正しい原因と治療法を知る
さて、人を不快にする臭いの原因物質は、大きく3つあります。
- 硫化水素
- メチルメルカプタン(腐ったタマネギの臭い)
- ジメチルサルファイド(腐ったキャベツの臭い)
の3つです。すべて硫黄が含まれている化合物です。
中でも特に身近で想像しやすいのが「硫化水素」でしょう。そう、腐った卵の臭い、温泉の臭いです。これらの臭いが積み重なって、ある数値を超えると人に感じる臭いとなってあらわれます(下図参照)。
ところが、これらの物質は直接食べ物に含まれているわけではありません。さて、どこから現れてくるのでしょうか。
口臭は大きく分けて、全身由来の口臭と、口の中由来の口臭の2つがあります。
全身由来のものは、重度の糖尿病のときに出てくるアセトン臭などがあります。これは全体の約10%ほどといわれています。
口臭の90%は、口の中が由来といわれています。
ですから、口の中由来の臭いの原因さえ突き止めれば、事実上、口臭のほとんどを封じることができます。
では、口臭の原因は一体何なのか。
実は「舌の汚れ」と「歯周病」といわれます。
「舌の汚れ」の正体と、その対策
舌の汚れとはどういうものでしょうか。
舌がきれいなピンクではなく、白く苔の生えたようになっているという人はありませんか。
これを「舌苔(ぜったい)」といいます。
舌苔は、細菌や口内の代謝物の塊であり、口臭の原因となっています。
これを取り除くためには、舌ブラシ、もしくは普通の歯ブラシで、おえっとならない程度に、舌の奥(根元側)から手前(舌先)に向かって優しくブラシを引いてください。これを2~3回行うことで舌苔がとれます。
ただし、強く何回も続けると、舌の表面を傷つけてしまうので、注意が必要です。
「歯周病」が臭いの原因となる理由
歯周病といえば、新聞の広告でも、テレビのコマーシャルなどでもよく聞くようになりました。
この歯周病菌が血液や食べカス、唾液を分解したり、腐らせたりすることで、この臭いが生み出さされてしまいます。
この歯周病の治療、予防をすれば、口臭の悩みはほとんどなくなってしまいます。
さて、歯周病とはどんな病気なのか、その治療法、予防法はどういうものか、次回詳しくお話ししたいと思います。
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