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苦手な相手とコミュニケーションを取るには?「苦手意識」は修正できる【NLP実践講座④】

「あの上司の前に立つと極端に緊張する」
「あの先輩は厳しくていやだ」
「彼は、空気の読めない人だから嫌い」
「彼とは気が合わない」

そんな苦手意識を何とかできないかな、と思ったことはありませんか?
子どもから大人まで、悩みの多くは人間関係です。

今回は、苦手な相手とも、うまくコミュニケーションをとっていく方法を、内科医で東洋医学の専門医でもある清水和彦氏に紹介していただきます。

相手の悪いイメージができあがっていませんか?

「あの人、苦手だなあ、話したくないな」

会う前から、そのような悪いイメージができ上がっていては、良好なコミュニケーションは望めません。

何事も、よいパフォーマンスを披露するには、よいイメージを持つことが大事です

病棟勤務をしている看護師には、勤務交代のときに、「受け持ち患者の申し送り」という大事な業務があります。

三交代制であれば、日勤の看護師から準夜勤務の看護師へ、準夜勤務の看護師から深夜勤務の看護師へ。自分が受け持っていた時間帯に、患者に何か変化がなかったか、正確に、もれなく伝えなければならないのです。

伝えるほうは、あらかじめ、しっかりと病態把握をして、大事な情報をメモしておきます。
聞くほうも、聞き漏らすことがないように真剣そのものです。

この申し送りの時間帯には、間違っても、医師は看護師に話しかけてはなりません。
ピリピリとした、緊張した空気に包まれています。

このとき、伝える相手が苦手な人だとしたら…?
どうすればいいでしょうか。

場面を想定し、自分を客観的に見てみましょう

場面設定は、病院のナースステーションで、日勤から準夜勤への勤務交代のとき。新人看護師が厳しい先輩看護師に、受け持ち患者の状況の申し送りをしている最中です。
患者の状況を説明しだすと、ボロボロと問題点が露呈し、先輩から厳しく追求されます。

「ちょっと、患者の状況を全然、把握できてないじゃないの」
「日勤帯で何やってたの」
「なに、よく聞こえないわ」

そんな状況を想定して、医療研修TNサクセスコーチング代表で、サンタフェNLPマスターでもある看護師の奥山美奈さんが、解決法を教えています。

実況中継イメージトレーニング

 

  1. あなたの目の前に映画館の大きなスクリーンがあるとイメージします。
  2. そのスクリーンに、あなたが緊張しながらN先輩に申し送りをしているシーンを思い出して映しだします。
  3. スクリーンの中のシーンを実況中継します。
    「彼女(又は彼)の声は震えて小さくなってきましたねぇ。おっとN先輩は聞こえづらいでしょうか、何度も『えっ?』『もう1回言ってくれる?』などと聞き直していますねぇ」
    とか
    「彼女(又は彼)の呼吸が浅く早くなってきています。それにともなって早口にもなってきました。言葉が噛んでしまっていますねぇ」
    とか
    「彼女の申し送るときの姿勢が、だんだんと前かがみになってきました。おっとそこへ彼女のメモを見ようと、N先輩も覆いかぶさるように彼女の頭上に前かがみになってきました。彼女の緊張度はマックスの状態でしょう!!」
    などとニュースキャスターのように解説していきます。
  4. 今度はスクリーンの中の彼女が(自分が)緊張状態から抜け出せるようにアドバイスをしていきます。
    「もうちょっと声は大きく、それにゆっくりハッキリ話した方がいいな。そしたら聞き返されないよ」
    とか
    「呼吸が浅く早くなってきてるよ! ほら深呼吸、深呼吸。大丈夫だよ」
    とか
    「前かがみになってるよ! 悪いことしてるわけじゃないんだから背筋をピンと伸ばして!」
    というふうに声をかけます。
  5. アドバイスを生かして実際にN先輩に申し送りをして上手くいっているシーンをイメージします。
    「上手くできるようになってよかったなぁ~」
    と、しばし満足感にひたりましょう。

(『ナビトレ ナース必修対人力を磨く22の方法』より))

苦手意識は修正できます

このように、実況中継をすることで、自分を客観的に見ることができるのです。
そして、問題点も明らかになります。

声が小さかった
早口で聞きづらかった
姿勢が悪くて、自信なさそうに見えた

などです。

また、先輩の状況も客観的に見ることができます。

どうして、険しい表情になり、不機嫌になって、厳しい注意をされたのか。先輩の立場になってみるのです。

これから担当する患者の状況が分からなければ、大変困ります。何かトラブルが起これば、担当看護師である自分の責任になるのです。
曖昧な説明では済まされないのは当然です。

自分の問題点を明らかにして、改善できるところは改善していきましょう。
先輩の立場も理解して、正確で分かりやすい説明を心がけるようにしましょう。

どのような説明の仕方、話し方が望ましいか。
目指すべきよいイメージをハッキリさせます。
そうすれば、後は、そのために、しっかり準備をして望むと、素晴らしい申し送りになります。

また、「あの看護師の話し方はいいなあ」「説明が分かりやすいなあ」、そんな人がいれば、モデルとして真似をするのが近道となります。

苦手意識とは、脳のプログラムに問題があるのです
そのプログラムを修正してしまいましょう。

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