年が明けましたが、新型コロナウイルス感染の流行はまだ治まりません。
そうこうしているうちに、スギ花粉症のシーズンが近づいてきてしまいます。
花粉症になると、くしゃみが出たり、鼻をかんだりと、飛沫が飛んでしまうことも多くなりますから、できるだけ花粉症の症状を抑えたいところです。
花粉症の症状をできるだけ抑えるキーワードは「バレンタインデー」です。
チョコレートを食べれば花粉症が治るわけではありません。では、一体どういうことなのでしょうか。
症状を軽くする「初期療法」とは
3月、4月の耳鼻咽喉科の外来には、鼻がグズグズ、目がショボショボしている花粉症の患者さんがごった返します。
症状が強くなってきたので、花粉症の薬を処方してもらいに受診されたのでしょう。
しかし、症状をより効果的に抑えるには、のみ薬であっても、鼻スプレーであっても、もっと早くから花粉症の薬を始めたほうがよいといわれています。
「初期療法」といって、症状はまだ出ていなくても、花粉がちょっとでも飛散しはじめた時から薬を使い始めるとよいのです。
初期療法は、症状が強く出てしまってから飲み始めるよりも効果が高いといわれています。
メラメラと燃え盛るたき火に水をかけて消すよりも、まだ種火しかついていないたき火に水をかけて消すほうが、楽に消せるのに似ています。
スギ花粉の飛び始めはいつ頃から?
スギ花粉の飛び始めは、今年は例年並みで、
西日本では2月上旬、
中・東日本では2月中旬、
北日本では2月下旬から3月上旬にかけて
と予想されています。
(2021年のスギ花粉飛散開始時期– 日本気象協会 tenki.jp から引用)
症状が出ていなくても、その時期から薬を使うようにするとよいのです。
また、これらの時期よりももっと早く、花粉が少量飛ぶこともあり、それに敏感に反応する人もあります。そういう人は、その頃から対策を立てましょう。
つまり、キーワードは「バレンタインデー」なのです。
いつも私は来られた患者さんに、
「バレンタインデーの頃から花粉対策をしましょう」
とお話ししています。
早めに受診すると、こんないいことも
花粉症シーズンはたくさんの患者さんが病院を受診されます。
そうすると、1時間待ち、2時間待ちとなってしまい、どうしても診察時間は短くなってしまいがちです。
もしバレンタインデーの頃や、それより前に耳鼻咽喉科の外来を受診されれば、待ち時間も少なくて、医師も話をゆっくり聞いてくれるでしょう。
「いつもの薬だとちょっと物足りない」とか、「去年の薬は眠くなったので眠くならない薬はないのか」とか、いろいろ気になることを聞いてみてください。
そうすることで、よりよい治療ができるようになります。
バレンタインデーはあこがれの人に愛を告白する日だけではなく、あなたの大事な目や鼻を守ってあげる大切な日なのです。
花粉症対策はバレンタインデーから!
ぜひ覚えておいていただきたいと思います。