すすった鼻水はどこへ行く?
花粉症の症状が強くなってきて、鼻水がだらーっと出てきた時には、思わずすすってしまうことがあるでしょう。
しかし、鼻水をすするのはあまりよくありません。
すすった鼻水はどこへ行くのかというと、鼻の突き当たり、鼻と喉の境目の所に行きます。
この場所を上咽頭といいます。
上咽頭へ行った鼻水はやがて喉へ下りて、最終的にはのみ込んでしまいますが、この上咽頭で鼻水が悪さをするのです。
鼻水をすすり過ぎるとよくない理由
鼻水を強くすすり過ぎると、いろいろよくないことが起きます。上咽頭には鼻と耳とをつなぐ管「耳管」の出入り口があります。
鼻をすすった時に、細菌やウイルスの含まれた鼻水が、耳管を通って耳へ行ってしまうことがあるのです。
そうすると、急性中耳炎(耳の中が細菌やウイルスに感染してしまうこと)になり、耳が痛くなったり、熱が出たり、耳だれが出たりします。
また、鼻水が上咽頭にたくさんあると、上咽頭の粘膜が炎症を起こしてしまい、粘膜が赤く腫れてきます。
そうなると、耳管の入り口が狭くなってしまい、耳の中に水がたまってしまいます。
これを滲出性中耳炎(耳の中に水がたまって、聞こえづらくなる中耳炎)といいます。
このように、鼻を頻繁にすすっていると、急性中耳炎や滲出性中耳炎になってしまう可能性があるのです。
特に小さな子どもさんは、耳管が短く未熟なため、急性中耳炎や滲出性中耳炎になりやすいのです。
鼻のかみ方のコツ
ではどうすればいいのでしょうか。
鼻はしっかりとかまなければなりません。
鼻のかみ方にもコツがあります。
片方ずつ、左右別々に、あまり力を込めずに、優しくゆっくりかんでください。
鼻水に対する対処として、次のようなことに気をつけましょう。
(1)力まかせにかまない
力まかせにかむと、粘膜に傷がつき、鼻血が出ることがあります。また、鼻に強い圧力がかかることで、鼻水が耳管を通って耳へ行ってしまい、中耳炎の原因にもなります。
(2)両方の鼻を一度にかまない
両方を一度にかむと、細菌やウイルスが鼻の奥に追い込まれてしまって、副鼻腔炎(蓄膿)の原因になることがあります。
(3)鼻を無理にほじらない
鼻くそを無理に指でかきだそうとすると、粘膜に傷がついて、鼻血が出ることがあります。またその傷口から細菌が入って、膿んでしまうことがあります。
最近は鼻をうまくかめない子どもが増えているようです。
まずは大人が上手な鼻のかみ方をマスターして、子どもたちにもぜひ教えてやってください。
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