HSP(ひといちばい敏感な人)の特性の1つに、「美術や音楽に深く心を動かされる」というのがあります。

では、人気漫画家の高野優さんは、どんな葛藤を経てマンガの道へと踏み出したのでしょうか?

感性に突き動かされるすべてのHSPに読んでもらいたい、優さんの心に響くマンガエッセイです!

高野優のオフィシャルブログ:「釣りとJAZZと着物があれば」

進むべき道は音楽?それとも美術?高野優HSPマンガ

 

井の中の蛙の行方

  1. 高野優さん似顔絵

    育児マンガ家の、高野優です。

     

美術も音楽も、

わたしにとって切り離せない大切なもの。

 

「美術」というと高尚な雰囲気が漂うし、

胸を張って語れるほど詳しくはないけれど、

作品を前にしたときに

圧倒される感覚がとにかく好きで

 

「音楽」も同じ。

物心がついたころには慣れ親しんでいて、

夢中になったミュージシャンと同じ楽器を選び

同じ道に進もうと誓った

 

でも、努力だけではどうにもならなくて。

力なく、ごろりと横たわって天井を見上げたとき、

ふと口をついた諺。

 

井の中の蛙大海を知らず

 

そのとおり、もうあきらめよう。

それから、迷って悩んで、ときに立ち止まって

ようやくたどりついたのは

いつか見たもうひとつの道

 

あの諺に続きがあると知ったのは、

音楽の道をあきらめてからずいぶん経った日のこと。

 

「されど空の青さを知る」

 

つらかった日々が無駄ではなかったと思えて、

ちょっとだけ泣けた。

 

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明橋大二(著) 太田知子(イラスト)