自己肯定感を大切にしているママたちに、一度会ってみたい。
そして、お茶でも飲みながら子育てを語り合いたい…
そんな思いになったことはありませんか?
「子育てハッピーアドバイス」シリーズの編集に関わりながら、日々の子育てではドタバタ中の担当者が企画した、「子育てハッピーアドバイス茶話会in 大阪」が、2月16日(土)に行われました。
今思い出してもちょっと笑える(?)、その模様をレポートしたいと思います。
初めて会ったとは思えない…
初めて主催するイベントにドキドキしながらも、当日の参加確認メールには、次々と嬉しいお返事が…。
「本日はどうぞよろしくお願いします。とても楽しみです!」
「昨日の夜から楽しみ過ぎて、プチ緊張とウキウキの間にいます(笑)
きっとハッピーな茶話会になる予感☆ではでは、のちほど」
初めてお会いする人との緊張の出逢いの瞬間…。
でも、イベントスペースに入って来た人たちは、なぜかみんな初めて会ったとは思えない、なつかしい感じがするのでした。
自己肯定感って、思ってる以上に深い!
最初の20分は、案内では“編集担当者からの自己肯定感のお話”の予定でした。
でも「自己肯定感ってなに?」と掘り下げて考えたとき、一方的に語るものではないように思えてきました。
そこで、解説は明橋先生の書籍に任せて、輪読のみに。(明橋大二著『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方』より)
そのあとは、一人一人が日々の子育てから感じている「自己肯定感」を、ワークショップ風に語ってもらいました。
自分は自分でいてもいい、という安心感があることかなと思います。
自分のできていないところに目を向けるのではなく、「できたところ」に目が向けられること。そして、「がんばったね」と自分をほめられること。
自己肯定感は高い低いではなく、育むもの。自分を大切に感じることができるか、感じているのか、それが大きな鍵だと、娘たちと過ごしていて思います。
なんと深い学び。言葉だけではなく、日々の子育てから知らされているからこそ、伝わってくるものがあるのだと思います。
こういう茶話会がしたかった…と実感しながら、そのまま、次は自己紹介のステージへ。
自己紹介で判明した「意外なこと」とは?
ここは、「個人情報保護のためカット」となりそうなくだりですが、一通り自己紹介が終わって驚いたのは、ほぼ全員が、HSC(ひといちばい敏感な子)を育てている親御さんだった!ということです。
書店で『HSCの子育てハッピーアドバイス』と出会い、お子さんがHSCだったと知ったという方もいらっしゃいました。
また、10年前からシリーズの愛読者で、新刊でHSCのことを知り、これまでの疑問が氷解したという方も。
私自身、HSCを知るまでの子育ては、長いトンネルを手探りするような感じがしていました。
だから皆さんの悩みに、「子どもの甘えをこれだけ大切にしている(大切にしているからこそ悩む)、そんなお母さんに育てられる子は幸せ」と思いながら聞いていました。
アドラー心理学講座で、自己肯定感を育むスキルを
そしていよいよ、今回のイベントの目玉「アドラー心理学講座」です。
1万年堂ライフの人気ライターとの初コラボ企画。
子育てにも応用できる基礎のところを、パワーポイントを使ってわかりやすく解説してもらいました。
皆さん、メモを取りながら、熱心に聞き入っておられます。
自己肯定感を育む関わりを、アドラー心理学流には「勇気づけ」と呼ぶそうです。
そして、その勇気づけの基本は、
「相手にとっていやな存在になってしまったら、勇気づける力がなくなります。
だから勇気づけようと思ったら、相手の味方でなければならない」
そうそう、親子関係も同じです。
「どんなことがあっても、お母さんは味方だよ」
と伝えることが大事だと、明橋先生は言われています。
8.子どもをまるごとほめる
「大好きよ」
「あんたといると楽しいわ」
「どんなことがあっても、お母さんは味方だよ」
「やっぱりうちの子がいちばん!」
「おまえはいいやつだ」
「とにかく、あなたのことを信じてるから」
「生まれてきてくれてありがとう」
このような、子どもをまるごとほめる言葉は「能力への自信」よりも、「存在への自信」を育む言葉です。
こういう言葉をかけ続けられた子どもは、自分の存在を全肯定されたと感じます。
「こうだから好き」「○○だからえらい」という条件つきだけではなく、時には、何の根拠もなく、ほめる、肯定していく、そういうことも、私はあっていいことだと思っています。(明橋大二著『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方』より)
心理学を今から勉強するには、時間もお金もかかりますが、これなら茶話会ついでに、実践的なスキルが学べます。
…と、ひとり企画について悦に入っていると、実践的なワークになって、皆さんの本音が噴出してきました。
「あなたはこうだ(youメッセージ)」と決めつける言い方ではなく、「私はこう思う、こう感じた(Iメッセージ)」と伝えるのがいい、ということで、参加者が当てられていくと…。
「その前に、これはどういった場面のことですか?」
と質問の手が挙がります。
「著者が例にしていたのは、夫の浮気の場面です」。
「そんなときに、信じてるって言うなんて、絶対ムリです!」
「ふつう、まず怒るんじゃないんですか?」
「こんなこと言ってたら、これはいけると思ってまた浮気されるんじゃ…」
大阪流ツッコミ攻勢が始まり、セミナーは大爆笑の渦と化してしまいました。
もちろん、心理学的次なる手も明かしてはもらいましたが、講師への温かいツッコミは止むことがありません。
そしてそれは、参加者同士の共犯意識ならぬ、共感へと変わっていきました。
本音をぶつけ合う場こそ必要
実はこれは、編集担当者としては期待していた展開だったのです。
『子育てハッピーアドバイス』シリーズには、読者の方からたくさんの喜びの声が届けられています。
同時に寄せられるのは、
「大切なのは分かるけど、いつもやるなんて無理」
「うちの子は、そんな簡単にはいかない」
といった感想です(多かれ少なかれ、みんな持っていると思います)。
それが高じると、
「自己肯定感を大切にと言いながら、子どもの言いなりになっているから、なめられるんじゃ…」
と、自己肯定感を育む関わりそのものを、否定する声まで出てきてしまいます。
でも、甘えが必要な量は、子ども一人一人違います。
特にHSCは、親が悩みのどん底に突き落とされるぐらい、甘えを必要としてくるときがあります。
そんな様子を見て、周りからは「親の育て方が悪いから、子どもにいろいろ問題が起きるのだ」というように言われてしまいます。
2月に発売したばかりの新刊、『教えて、明橋先生! 何かほかの子と違う? HSCの育て方 Q&A』には、このように書かれています。
HSCを育てている親御さんが、必ずといっていいほど、周りから掛けられる言葉があります。
それが、「甘やかしているから、わがままになるんだ」「過保護に育てているから、こうなるんだ」という言葉です。
確かに、HSCは、不安が強くなりがちで、それだけ親の関わりを必要とすることがあります。保育園へ連れて行くと、子どもがなかなか親から離れない、ある程度つきあわざるをえない、ということがあります。
そういう様子を見て、「お母さんが子どもを甘やかしているから、子どももだだをこねるのよ。もっと突き放したら、子どもも自立できるのに」などと言われることがあるのです。
しかし、そういう親の態度は、子どもの行動の原因ではなく、結果なのです。
親は親なりに、いろいろと試行錯誤して、突き放したりもしてみた。でも、それだと、もっとパニックになって、もっと時間がかかってしまうから、最終的に、子どものペースにつきあうようになった。親の行動は、子どもの特性からくる結果なのです。
今目の前にいる子どもの問題に、一生懸命対応しようとしたからこその接し方は、決して間違っていません。
そしてそれは、自分にしかできない子育てです。
そんなオーダーメイドな子育てを、お互い語り合える場を、今後も作っていけたらと思っています。
皆さんの感想と、最後にお礼を
ご参加くださった方へのお礼とともに、今回の「子育てハッピーアドバイス茶話会」に寄せられた感想を紹介させていただきます。
皆さん温かい方ばかりで、楽しい雰囲気がただよっていた。いろんな方の悩みが聞けて勉強になった。子育ての先輩方の話を聞ける時間は貴重だ。
周りにはHSCの子はいないので、同じ子育ての感想を聞けて良かったです。
話しやすい雰囲気で、ちょっと思ったことなどを発言しやすかった。他の参加者の方々の、日々の子育ての工夫などを話し合う時間が、もっとあればよかったなあと思いました。
一言で“安心感”。自分だけじゃない…という安心感は、深い癒やしにもなるし、そのつながりは救いにもなります。アドラー心理学講座もまた違った切り口で新鮮でした!
ありがとうございました。次回またお会いしましょう。