5人に1人の敏感タイプ=HSPとは? #7

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人混みで疲れるのはHSPだからかも?HSPがホッとするためのダウンタイム方法

『生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン』の著者、高木のぞみさんがつづるHSPシリーズです。
HSP(ひといちば敏感な人)には、人が多く集まる場所に行くと疲れやすい、という人が多いようです。

私は「自分はHSPなんだ」と受け入れたとき、自分がおかしかったのではないと分かって、ものすごくほっとしました。
ですが、職場や人の集まる場所に行くと、やっぱりすごく疲れてしまうので、何とかならないかな、とよく悩んでいました。

人混みに行くと疲れやすい人が多いHSP。原因と対策を、まとめてみたいと思います。

HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。

人混みはHSPにとって情報過多な場所

まず、HSPとはどんな人のことでしょうか。

HSPとは、 アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱した概念で、「Highly Sensitive Person」の略、「人一倍敏感な人」という意味です。

「感覚や人の気持ちにとても敏感で、ちょっとしたことにも気づく、気遣いに長けている」と同時に、「強い刺激に圧倒されたり、多くの人の中にいると、すぐに疲れてしまったりする」という特徴もあります。
アーロン氏によれば、人口の2割くらいに見られるといいます。

では、なぜHSPの人の多くが、人混みに行くと疲れやすいのでしょうか。

※私は専門家ではないので、あくまで私の実体験と考察です。

一言で言うと、人混みに行くと「情報過多」になるからだと思います。

人混みの多いところにいけば、いろいろなところに注意がいき、沢山の情報量をうけとるので、家に変えるとくたくたで眠くなるということが日常茶飯事です。

HSPは、いろいろな刺激に人一倍敏感です。
人がたくさんいる場所は、さまざまな刺激であふれています。
・周り中から聞こえてくるガヤガヤした話し声
・視線
・感情
・音
・匂い
・温度や湿度

HSPは、これらの快適な幅(耐えられる度合い)が狭いことが多いと思います。

例えば、満員のレストランなどでは、周りの話し声や食器の重なる音、水の落ちる音、エアコンや換気扇の音が、結構な騒音と感じます。

また、不機嫌な人や表情が暗い人がいると、全くの他人でその人と話したわけでもないのに、その人の感情をもらってしまうことがよくあります。

これらの刺激のほとんどが、「情報」として頭に入ってくるので、情報過多になってしまうのだと思います。

脳が疲れやすいイメージは、例えるなら目の細かいホウキ

私の中でのHSPのイメージは、神経系が余計に枝分かれしていて、些細なことも情報として拾う、例えれば、とても細かいチリも拾ってしまうホウキです。
ホウキにもいろいろありますが、熊手や竹ぼうきではなく、細かい目のホウキ。

でも、これは、熊手や竹ぼうきが劣っていて、細かいチリを取れるホウキが優れている、ということではありません。

ですからHSPの能力が高いということではありません。
拾う情報を処理するスピードは同じでも、情報量が多いと、脳が疲れやすいという感じです。
頭が疲れたように感じます。

これも例えるなら、砂時計の大きさは一緒だけど、砂の量が多いと、砂が落ちるまでの時間が長いですよね。

その情報を処理するのに、脳を使ってしまう時間がそれだけ長くなるから疲れやすい、ということなのかなと理解しています。
そしてその情報は、自分に必要のないものまで、とりあえず入ってきてしまうために、必要なものを取捨選択するのにも時間がかかります。

要するに、人一倍処理する量が多いから、人一倍疲れやすいということです。

あなたが弱いのではなく、それだけ頑張ってるから疲れやすいともいえると思います。

大切なのは「これはHSP特有の感じ方だ」と肯定すること

ではどうすればいいのかと思われますよね。

まず、そのように感じるのはHSPに特有のことだと知ることが何より大事です。
そうしないと、「私が気にしすぎだから疲れてしまうんだ」とか「弱いからだ」などと、自分を責めてしまうことになるからです。

HSPの敏感な人たちが、人混みが疲れるのは当然のことなんですよね。

ただ、ここで、「じゃあ感じないように努力したらいいんじゃないのか」と思われるかもしれません。
しかし、HSPは考えて、感じようとしてそう感じているわけではないのです。

だから、感じ方や情報の量を変えることは、そうしようと努力したところで難しいと思います。

HSPは人混みに行くと、情報がどうしても多くなる、多くの人とは感じ方が違う。
このことが分かってくると、疲れやすいのは当然のこと、拾ってきた情報を取捨選択する時間、休む時間、ダウンタイムが何よりも大切だと思うようになります。

また、きちんと休む時間を取れば、相手の気持ちが分かったり、場の空気を感じ取れるHSPの特性を活かしていくことができるのです。

人より休む時間が長いことで、「自分は劣っている」とか「ダメなんだ」と思ってしまいがちですが、「HSPとはそういうものなんだ」と知れば、自分を責めることが減ります。

ダウンタイムの具体的な方法

では、効率的に休むためにはどうしたらいいか、ですが、結論を言ってしまうと、これは人それぞれだと思います。

「ほっとできること」をやることがいいと思うからです。

その中身は人それぞれなので、具体的に言うのは難しいですが、私はこのようなことをしていました。

・物理的な刺激を避ける
・瞑想
・森林浴
・月光浴
・クラシックを聴く
・アロマを焚く

詳しくはまた別の記事で書きたいと思いますが、「刺激を避ける」、そして「一人になって受けた五感の刺激を減らす」、この2つが効果的でした。

具体的な行動に移すためにも、まずはゆっくり休んでいいんだな、と知るところから始めてもらいたいなと思います。

まとめ

HSPは人混みや人間関係でとにかく疲れやすいと思います。ですがそれは、あなたが弱いのではなく、頑張っているから疲れてしまうのだと思います。

それだけ頑張っているんだから、休めるときは、ぜひほっとできることを探して、自分のために時間を使ってほしいなと思います。

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

高木のぞみ、高木英昌(著)

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