人生は考え方次第?嫌な仕事のモチベーションを上げる方法
こんにちは、歴史から学ぶ人生ナビゲーターの木口です!
「人生の荒波」とはよくいったもので、世の中、実にいろいろな悩みがあるものです。
その中でも、仕事に関する悩みは多いのではないでしょうか。
「勤続30年、嫌な仕事ばかりで、いまだにやり甲斐のある仕事を任せてもらえない…」
「上司が嫌な仕事ばかり押し付けてくる」
「部下は、嫌な仕事だと文句ばかり言って全然動いてくれない」
嫌な仕事だからモチベーションが上がらないとはいえ、やらなければ会社に居場所はなくなるし、出世もかなわないでしょう。
時々ガス抜きでもしなければやっていられません。
各地の大名が天下取りを目指す戦国時代は、下手をしたら命がないという、今より激しい競争社会だったといえるでしょう。
嫌な仕事もたくさんあったと思います。
そんな弱肉強食の厳しい時代の中で、秀吉はなぜあれほどの活躍ができたのでしょうか?
信長・秀吉・家康の、嫌な仕事への向き合い方とは?
その仕事にはきっと独自の「哲学」があったに違いありません。
嫌な仕事へのモチベーションの上げ方を、ひとつ聞いてみましょう。
女将、お願いします!
戦国武将に学ぶ!嫌な仕事への向き合い方
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皆さんお仕事、というか戦国サバイバルを生き抜くためには、さぞ苦労があったと思うのですが。
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それはもちろんだ。寝ておって天下がとれたら苦労はせん
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はい。それは長く、険しい道のりでした・・・(涙)
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特に秀吉さんは、農民出身ですよね。
人一倍苦労があったかと思うのですが、仕事にどのように向き合っていたんですか?
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そうじゃの。
ワシはこの通り小柄で腕力もなく、学問もない。
農民出身じゃで家来もおらん。身一つじゃ。
周りの同僚がずいぶん大きく見えたものじゃ。 -
おまけに猿顔ときとる(笑)
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ちょっと、コンプレックスにしてるんですから(汗)
そう、だからこそ嫌な仕事でも人一倍頑張らねばならんと思っておった。
ある時、薪奉行を仰せつかっての。
城で使う薪を管理をする仕事じゃ。 -
薪の管理ですか。なんだか地味そうで嫌な仕事ですね。モチベーションも上がらなそうですし。それ、面白いんですか?
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面白いかどうかと聞かれると、面白くはない。
そなたやそなたの主人は、仕事が面白いからやっとるのか? -
面白いかというと・・・生活もありますし、嫌な仕事でもやらねばならないからやるって感じでしょうか。
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そうじゃろ。気が向く仕事ばかりなはずがない。嫌な仕事もあるじゃろう。
ワシはの、頂いた仕事に打ち込むことこそ自分の使命じゃ、と思い直して、嫌な仕事でも向き合って、ただ目の前のことに懸命に取り組んだのじゃ。
無駄をなくしたり、不正を正したり、できることは何でもやったの。 -
こいつが責任者になって薪が3倍も長持ちするようになってな。
見事なものよ。こいつは使えると思ったのじゃ。
価値を生み出した信長と嫌な仕事でもチャンスを待った家康
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天下人・秀吉さんにも、そんな下積み時代があったのですね。
その成功は、決して偶然ではないことが分かります。
お二方はどうですか? -
オレはな、つねに人のやらんことをやろうと考えた。
人と同じことをやっておったら、人と同じ結果にしかならんだろう。
“常識”を疑ってみるのよ、常識を。
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と言いますと?
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たとえば褒美よ。
それまで家臣への褒美といったら、土地をやることだった。
だが、土地には限りがあって、いつかは頭打ちになる。そこでどうするか。
オレは茶道をたしなむようにした。
そして茶器を買い集めて家臣にも自慢げに披露した。
めったに見せてやらんぞ、とか言ってな。
すると家臣の中から自分も茶器がほしいと、目を輝かせる者がたくさん現れた。
そこで仕事の褒美として、土地ではなく茶器をくれてやったりしたのじゃ。
考え方次第で価値のないものに価値を生み出す、どうだ、天才だろう。
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なるほど、頭いいですね!
家臣の皆さんのモチベーションも上がりそう!
この盃も、メルカリとかで売れないかな~。
家康さんはどうですか? -
私は別段、特別な才能などありません。
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あるじゃないですか、
“泣くまで待とうホトトギス”っていう特殊能力が。 -
それって、つまりどういうことですか?
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嫌な仕事でも辛抱強く忍耐して、チャンスを待つ能力です。
これは、10年におよぶ人質生活で身につけたものでしてね。
嫌な仕事もあるし、世の中は思い通りにならないことばかり。しかし焦りは禁物です。
焦ってしまえば、自分も他人も傷つけます。 -
オレとは正反対だな。
通れん道を押し通るのがオレ流よ!
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信長様のやったことは、いわば旧体制の破壊ですな。
イノベーションってやつですかね。 -
なるほど、みなさんそれぞれお仕事への向き合い方があるんですね。
嫌な仕事も考え方次第。
勉強になりました。ありがとうございます。
嫌な仕事もチャンス!?秀吉と家康の仕事哲学
「なんでオレが、こんな嫌な仕事やらなきゃいけないのか…」
「もっと大きな仕事なら、モチベーションが上がるんだけどなぁ」
など、ついつい不足を言いたくなることもあるでしょう。
嫌な仕事しかもらえないから、やる気が起きないのだ、と思いがちですが、嫌な仕事にも向き合って、一心に取り組んだのが秀吉でした。
心に不満があれば、当然仕事も雑になります。
秀吉は与えられた一つ一つのことを「嫌な仕事」ではなく、「チャンス」と思うようにしていたのではないでしょうか。
だからこそ、嫌な仕事でもモチベーションが上がったのでしょう。
遠大な計画をもつことは大事ですが、それがためについ目の前のことがおろそかになってしまうことがしばしばあります。
秀吉は後年、こんなことを語っています。
「一歩一歩、着実に積み重ねていけば、予想以上の結果が得られるだろう」
未来のことは未来にまかせ、目の前のことを精一杯やろうとする姿勢があったからこそ、嫌な仕事にも全力で取り組めたのではないでしょうか。
そうした一途な努力は、不思議と誰かが見ていてくれるもの。
秀吉成功のカギを見る思いがします。
それは家康の「じっくりと時期を待つ」という姿勢にも通じるものがあるかもしれません。
生まれた家は、織田、今川という二大勢力に挟まれ、生き残ることに必死で、家康は幼い頃から10年以上の人質生活を強いられていました。
独立してからも、隣国の強敵に圧迫され続ける日々。
家康は「堪忍は無事長久の元、怒りは敵と思え」と自戒しています。
すぐに結果がほしいと焦る私たちは、嫌な仕事を避けて「たった3日でできる○○」などの言葉に飛びつきます。
そんな簡単にできるなら誰でも成功者になっているはずですが、現実はそうはいかないでしょう。
嫌な仕事にもじっと耐えてチャンスを待てば、いずれ道は開けるのではないでしょうか。
まとめ
与えられた仕事に誠実に向き合えば、焦らなくても結果は自ずとついてくる。
嫌な仕事も考え方次第で成功へのステップになる。
そんなことを教えられた気がします。
ちなみに信長の茶器の話。
ある家来が大手柄を立てて、褒美に一国を与えられたんですが希望していた信長所蔵の茶器がもらえなかった! とふくれっ面になったとか。
そう考えると、家臣のモチベーションを上げる信長の思惑は大成功したといえそうですね。
信長、頭いい!
参考文献
『信長・秀吉・家康の研究 上・下』(童門冬二)
『戦国武将名言集』(桑田忠親)
『世界名言集16徳川家康名言集』(桑田忠親)