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【産後うつ】 睡眠不足の妻に絶対言ってはならない言葉ー精神科医のアドバイス(1)

産後は不安とイライラがあって当然

「子育ては大変だけど、子どもはかわいい(*^_^*)

子どもが生まれる前は、そんなワクワク感で一杯でした。今ももちろんそう思っています。

一方で、実際に生まれてみると、ちょっと違った思いも出てきました。

「子どもはかわいいけれど、子育てって大変…(*´Д)

同じことを言っているようで、その心はけっこう違います。そしてこれは、子育てを経験された方の多くがうなずかれるのではないかと思います。

子どもがかわいいのは本当。子育てが大変なのも本当。
これらの気持ちが、シーソーのように揺れ動く…。

決して子どもがかわいくないわけじゃないのに、思うようにならない理不尽な現実に、悶々としてしまう。

ただでさえ大変な妊活、妊娠、そして出産。
しかしそれはゴールではなくスタートです。

出産は富士の登山と同じくらい疲れるといわれます。そんな体のまま、24時間体制の大仕事が始まります。
そして次から次へと新しいことが起これば、誰でも不安になるし、イライラするのも当然です。

そこで、少しでも心身をラクにして、産後うつ予防のためにも大切な、妊娠出産の前からできて、産後にも大切な3つのアドバイスをお伝えします。

今回はその1回め「睡眠の大切さ」についてです。

いちばんつらいのは眠れないこと

生後すぐの赤ちゃんは、まだ昼夜のリズムができていないため、昼間も寝ますし、夜中も起きます。さらに、まとまった時間寝ていられないため、寝たと思ったらすぐに起きることもしばしばです。

これは、大人にとっては、深い眠りに入ったと思ったら起こされるので、睡眠のリズムが崩れます。キツイ生活の始まりです。

睡眠はすべての健康の基本です。睡眠不足はカラダもココロも不安定にさせます。
そのため、赤ちゃんが寝ている間は、お母さんも少しでも寝ることが大切です。

赤ちゃんが寝ている間に家事をしたり、やりたいこともいろいろあると思いますが、寝不足の時はできるだけ一緒に寝てしまったほうがいいと思います。

「子育て中は眠れなくて当たり前、誰もが通る道だから」という意見もあります。
しかし、それは「大変な時期を過ぎてから」当時を振り返った時に思えることであって、子育て真っ最中に参考にすべき意見ではないと思います。

子どもが生まれると、赤ちゃん中心の生活になります。
お母さんもお父さんも、家庭の優先順位をそれまでと変える必要があるのだと思います。

寝ているようで眠れていない

この時期のお母さんの、寝不足の最大の原因は、まとまった睡眠時間がとれないことでしょう。
疲れを取るためには最低3時間以上、できれば6時間はまとめて寝たいところですが、赤ちゃんは30分~数時間おきに目を覚ますことが多いため、お母さんも途中で起きてしまうことが多いと思います。

時間おきに目が覚めると、たとえ合計で6時間眠れたとしても疲れはなかなかとれません。
はたからはずっと寝ているように見えても、熟睡はできていないのです。

「寝てばかりいて何もしていない」と夫や家族に言われてツラい、というお母さんの声を聴きますが、これは絶対に言ってはいけない言葉の一つだと思います。

「寝ている」のはとてもいいことであり「眠れてよかったね」と声をかけてもらえて然るべきです。

何もしていないのではなく、24時間赤ちゃんの面倒を見続けるという「子育て」をしているのですから。

出産後の体は想像以上に疲れています

出産という大仕事を終えたばかりのお母さんの体は、ただでさえホルモンバランスをはじめとした大きな変化の真っ最中です。

よく「出産は登山よりも大変」といわれますが、そんな大仕事の後は、本来ならば睡眠をはじめとした休養が必要不可欠です。

また産後の体は、「交通事故の後みたいなもの」とも例えられます。

出産した後の骨盤は、赤ちゃんのあんなに大きな頭がメリメリっと押し広げながら通り抜けてきていますので、実は腰がひどい捻挫をしたような状態になっています。
誰かが交通事故にあったと聞いたら、何と言いますか?

「大丈夫?今は大丈夫でも、後から後遺症が出てくるって話もよく聞くから、ちゃんと休むのよ」って、多くの人が言うと思います。

産後も同じような状態なのです。

引用:Conobie[コノビー] 産後の体ってどんな感じ?あの衝撃と同じです。

他にも、ママの体は満身創痍です。

・おっぱいのトラブル (痛み、熱さ、乳首に傷ができるなど)

・腱鞘炎や肩こり (赤ちゃんを抱っこする・授乳などによる)

・頭痛 (寝不足や不規則な生活、精神的な疲れ、肩こりなどによる)

・貧血 (悪露や不正出血、それらや出産時の多量出血などによる)

・肌荒れやむくみ (体内の水分バランスの乱れ、不規則な生活などによる)

引用:Genki Mama 出産による「ママのダメージ」ママ、そしてパパにも知ってほしい事実 

それなのに、いきなり慣れない子育てという次の大仕事が始まり、休むに休めない状況なのです。

まとめ

1分でも長く寝ることは、心身の疲れをとり、産後うつ病予防のために極めて大切です。
この時期のお母さんの睡眠の重要性は、どれだけ強調しても過ぎることはありません。

眠れない時はどうすれば寝つきやすくなるか、自分なりのリラックス法、手軽に気分転換できることなどを、一つでも多く、出産前から研究しておくことをおススメします。

●次回、2回めは「産前産後の食事」について、3回は「お母さんの自己肯定感の大切さ」について、お伝えしたいと思います。