質問:子どもの話を聞く時は「共感が大切」といわれますが、どういうことでしょうか。
子どもの話を聞く時は、「気持ちを受け止めることが大事」とか、「共感が大切」といわれますが、どういうことでしょうか。
具体的に、どんなふうに声を掛けたらいいのか、教えてほしいです。
答 え
例えば、子どもが、「学校へ行きたくない」と言ったとします。
その時に、「だめ。子どもは学校に行くものなの!」と言うのは、子どもの気持ちを突っぱねている対応です。
また、「じゃあ、休みなさい」と言うのも、子どもは、行動面では受け入れてもらったと感じるかもしれませんが、気持ちを受け止めてもらったとは感じないでしょう。
気持ちに共感、受け止める対応とは、例えばこの場合、まず
「どうして行きたくないのかな?」
と聞きます。
子どもが理由を話したら、なるほど、と聞きます。
そのうえで、
「そういうことで、学校に行きたくなくなるくらい、つらいんだね」
と言います。
これが、気持ちに共感し、受け止める対応です。
理由を言えない時も、
「理由はうまく言えないけれど、とにかく、学校に行きたくなくなるくらい、つらいんだね」
と言います。
キレない子を育てる言葉がけとは?
ここでは、学校へ行く、行かないという、行動面は問題にしていません。
まず、「行きたくない」という気持ちに焦点を合わせて、その気持ちに寄り添っています。
もちろん、その後で、「お母さんは、あなたに学校へ行ってほしい」などと、こちらの願いを伝えることは、状況に応じて差し支えありませんが、まずその前に、子どもの気持ちに共感することが大切なのです。
では、子どもが、「もう死んでしまいたい」と言ったらどうするでしょうか。
「死んではダメ!」と直に返すか、「じゃあ、死ねば?」と言うか(こういう親御さんはあまりないと思いますが……)。
ここで、気持ちに共感し、受け止める対応とは、理由を聞いたうえで、
「死にたいくらい、つらいんだね」
と伝えることです。
相手の行動の裏に隠された気持ちを汲み取って、言葉にして返す。
そのように対応してもらった子どもは、また、言葉によって、気持ちを吐き出すことを覚えます。
それが、キレない子を育てる、いちばんの近道なのです。