HSPの自己肯定感の育み方について、明橋先生に教えていただきました!
HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。
質 問
HSP(ひといちばい敏感な人)の場合、自己肯定感が低いまま大人になった、親になったというケースは少なくないと思います。
大人になってからでも自己肯定感は育めるのでしょうか。もし、育めるならば、具体的にどうすればいいのでしょうか。
答 え
私はどんな講演でも、「自己肯定感を子どもの心に育てることが大事だ」という話をしていますが、その中で、質疑応答があると、必ず出てくるのがこの質問です。
要するに、自己肯定感の大事さは分かったけれど、親である自分は決して自己肯定感が高くない、むしろ低い、そういう自分が子どもの自己肯定感を育てることができるのでしょうか、ということです。
切実な悩みなのですけれども、私はそういう人には、「正しい知識を持って育てれば大丈夫ですよ」と言っています。
ですがその一方で、自分を否定しながら子どもだけをほめる、というのは、なかなか難しいことなのですね。
やはり、親御さん自身も自己肯定感を持つことが、大事なことだと思います。
そのために、まずはHSPということを知るということが、自己肯定感を高める第一歩ではないかと私は思っています。
親御さんの場合は、HSPという言葉も知らずに、「なんか自分は生きづらいな」とか、「なんか自分だけおかしいんじゃないか」と、自分を否定して生きてきたと思います。
しかし、決してそうではなくて、持って生まれた特性で、優しかったり、気づいたり、素晴らしい特性でもあるんだ、5人に1人、そういう人があるんだ、と知るだけで、自己肯定感を持てる一つのきっかけになるのではないかと思うのです。
あとは、親御さんが自分を守ることに罪悪感を持たなくていい、ということです。
HSPを提唱したエレイン・アーロン博士は、飛行機の酸素マスクの例えをされています。
飛行機の中が酸素不足になった時に、上から酸素マスクが下りてきます。
そういう時に、隣に子どもがいたら、皆さんだったら、子どもに先にマスクをつけますか? 自分に先につけますか?
ほとんどの人は、子どもに先につけると思うのです。
ですが、それは間違いなのです。
大人がまず自分の酸素マスクをつけるということが大事なのです。
そうでないと、親が酸欠になって倒れてしまったら子どもを守ることができません。
ですから、大人がまず酸素マスクをつけて、自分の酸素を確保して、そのうえで子どもにつけることが正しいのです。
これは客室乗務員がそう言っていましたので、間違いないことです。
ですから自分を守る、自分を大事にすることに罪悪感を持たなくていいのです。
そのためには、周りに助けを求めていいのです。
そして、親の自己肯定感を高めるために、自分のこともほめていいですし、周りに自分のことをほめてくれる人を、1人でも2人でも持つ、ということが大事ではないかな、と思っています。