質 問
長女が学校に行けていない状態で、「HCS(ひといちばい敏感な子)かな?」と思うところがありますが、HSCかどうか、私はそんなにこだわってはいません。
ですが、今、小学校6年生で、思春期にも入ってきますので、思春期だから気をつけることがあれば、教えていただきたいと思います。
答 え
HSCの提唱者であるアーロン博士は、「思春期になるとHSCの子はあまり問題がなくなる」「そんなに手もかからなくなるし、大人びてくるから、結構手が離れてくる」と書いておられます。
ただこれについては、日本の場合はむしろ逆で、思春期に苦労する子が多いのではないかなと思います。
それは、まだまだ日本の学校、特に中学校は同調圧力が強くて、みんなと同じことをしないと先生から叱られたり、あるいは友達同士でも、ちょっと人と違うことをすると、それをきっかけにいじめられたりする。みんな人と合わせていかないといけない。そういう部分が、皆にとってもそうですが、特にHSCの子にとってはきつい、ということがあると思います。
確かにHSCは5人に1人で、たくさんいるわけですから、決してHSCがみんな不登校になるわけではありません。
ですが、私も不登校の子に多く関わってきましたが、別にいじめにあったわけでもない、先生との相性も悪くない、だけど学校行こうとすると「おなか痛い」「頭痛い」と言い出す子は、8割、9割、HSCではないかと思っています。
学校にいることそのものが疲れてしまう、ということがあるのです。
ですから、例えば家に帰ってくるとすごく不機嫌。特に思春期になると、めちゃくちゃ不機嫌になったり、親に当たってきたりすることがあります。
「親に何てこと言うんだ」と思いますが、実はそれだけ疲れている、ということなのです。
あるいは友達関係でも、ささいな友達の一言を気にすることがあると思います。
そういうのを聞いた時は、「それは、もしかしたらこういう意味なんじゃないかな」とか、「必ずしも悪い意味じゃないかもしれないよ」といういうふうに、別の考え方を伝える。リフレーミングですね。
学校ではいろいろ苦労していますので、そういうことを理解して、話を聞いて、フォローしていただいたらいいかなと思います。
ただ思春期というと、まず親と話をしなくなります。話をしない場合は、様子で判断するしかないですね。
もちろん、人間関係を上手に、そんなに問題なくやっている子もありますけれども、今どきの思春期の人間関係は、なかなか大変なんだ、ということを、ちょっと念頭に置いていただいたらいいかな、と思います。