5人に1人の敏感タイプ=HSPとは? #10

  1. 人生
  2. 心理

刺激探究型の「HSS」とは-HSPには刺激を好むタイプもいる

『生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン』の著者、高木のぞみさんがつづるHSPシリーズです。

HSP(ひといちばい敏感な人)というと、内向的でおとなしいイメージを持つ人が多いかもしれません。でも、そうとも限りません。
一口にHSPといっても、人それぞれで、いろんなタイプがあります。

今回は、刺激追求型の「HSS」について、紹介したいと思います。

HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。

人は、大まかに分けて4通りに分けられる

HSSとは、心理学者のマービン・ズッカーマン氏が提唱した概念です。
「High Sensation Seeking」の略で、「刺激を求めること」という意味です。

いろいろな刺激を好むと聞くと、HSPと対極ではないかと思いますが、同時に存在す
ることもある気質で、どちらも生まれつきの気質です。
大まかに分けると、次の4通りに分けられます。

  • HSP/非HSS
  • HSP/HSS
  • 非HSP/HSS
  • 非HSP/非HSS

それぞれが別の気質なので、どちらかが強い、どちらも強い、どちらも弱いということ
がありえます。
ちなみに私自身は、HSPは強め、HSSは弱めのタイプだと自覚しています。

HSS型のHSPとは、どんなタイプ?

あくまで私の場合ですが、HSS型のHSPとはどんな人なのか、いくつか挙げてみます。

頭の中に2人のタイプがいて、片方は「やりたい!」と思うことが次々浮かんで突っ走
ろうとし、もう片方は「大丈夫? 飛ばしすぎじゃない?」と心配している。いつも頭の中でその2人がディベートをしている、というのがいちばん適当な言い方かもしれません。

それでも「やる」「行く」と決めると、これでもかと入念に計画を立て準備をします。
そして、イベントが終わると、家に帰った途端にスイッチが切れて、何も手につかない、ということもよくあります。

「そんなに疲れるなら行かなきゃいいじゃない」と思うこともありますが、退屈な状態に耐えられず、刺激が欲しくなってまたやりたくなる、という感じです。

もちろん、HSP/非HSSの人も、家にこもっていると退屈してくると思いますが、より極端な行動になりやすく、最適な度合いのレベルが狭いのも、HSP/HSSあるあるだと考えています。

子どもの頃はこういう複雑な気質ということも分からなかったので、心身ともにアップダウンが激しく、「私、どこかおかしいんじゃないか」と思っていました。
また、学校などではHSSを表に出して行動していたため、周りからは「ひといちばい敏感」だとは気づかれなかったとも思います。

この気質と理解してからは、やる時はやり、休む時は休む、と切り替えることで、かな
りコントロールが利くようになってきました。

グレーゾーンの人も存在する

ですからHSPといっても、いろいろです。同じHSP/非HSSだとしても、HSPの敏感さが強い人と、それほどでもない人では、感じている感覚は違ってきます。
またかりに、HSPの敏感さのレベルが同じくらいの人だとしても、HSSと非HSSでは全くタイプが異なります。

HSP、HSSのどちらのチェックリストも主観によるものなので、当てはまる数が多いからHSP度が高い、あまり当てはまらないからHSP度が低い、と一概に言い切れるものでもないと考えています。

加えて、HSPでない人が鈍感かというと、そういうわけでもありません。
HSPほどいろいろなことから影響を受けないにしても、限りなくHSP寄りのグレーゾーンの人も多く存在すると感じています。

人と比べるより自分の特性を認めよう

大事なことは、HSPといっても人それぞれで、周りの人と比べる必要はないということです。
「人よりHSPが強めだから生きづらいんだ」と落ち込む必要もないし、「HSPが弱めだから、生きづらいなんて言ってちゃいけない」ということはありません。

あなたのつらさは、あなたにしか分かりません。
あなたがどんなに頑張って生きてきたのかも、あなたにしか分からないのです。

どちらがより敏感さが強いか、誰がHSPで誰がHSSなのかと知るよりも、自分自身がどんな特性を持っているのかを知ることが大事ですよね。

頑張って生きてきた自分を、どうか認めてあげてください。
そして、「いろいろな人がいていい」と思うと、「私もこんな私のままでいいよね」と思えてほっとします。
多様性を認め合えることは、すごく素敵なことだと思います。

HSPの連載はこちら

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

生きづらいHSPのための、自己肯定感を育てるレッスン

高木のぞみ、高木英昌(著)