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セキュリティはスマホの番犬|マーチャン(若宮正子)85歳のシニアのためのデジタル活用法

世界最高齢のデジタルクリエーターとしてその名を知られる若宮正子さんの『老いてこそデジタルを。』が大好評です。

消費税の増税前から、よく耳にするようになったスマホ決済の「◯◯ペイ」。
ポイント還元率が高いなど、その魅力に引かれてスマホデビューした、というシニアの方も多いようです。
そのようなデジタル初心者に、ぜひ知ってもらいたいセキュリティ対策について、本書の中からご紹介します。

パスワードは使い回しをしないで

インターネットの世界は、例えるならば都会の雑踏地のアパートに住んでいるのと同じようなものです。
家の玄関の鍵をしっかりかけるように、スマホのセキュリティにも気を配ってほしい、と若宮さんは言います。

インターネットを利用すると、誰かとメッセージを交換したり、家にいながらにして買い物をしたりすることができますので、とても便利です。
それらのサービスを利用するときは、ID(銀行で例えると銀行口座番号)と、パスワード(銀行で例えると暗証番号)を設定する必要があります。

しかし、そのIDとパスワードを盗まれて、知らない間に勝手に使われていた、という被害も出ています。

パスワードやIDが他者に盗まれるのは、設定が甘いことも原因です。
パスワードを「12345678」としている人も少なからずいます。また、同じパスワードを使い回したり、自分の誕生日をパスワードにしていたりする人も、要注意です
これらはすぐにパスワードが割り出されてしまいます。
家族の誕生日やペットの名前も、意外とバレてしまうもの。個人情報が特定できるようなパスワードも避けましょう。
(4章 130ページ)

そうはいっても、IDやパスワードをいくつも覚えておくのは大変です。

忘れないためにはID、パスワード帳を作っておくといいと思います。実際にノートに書く方もあれば、アプリを使って管理している方もあります。
新しく何かを登録する場合は、面倒でも、必ずサービスごとに記録を残すようにしましょう。

(4章 130ページ)

またID、パスワード帳は誰にも見られないように管理することも大事です。

不審なメールは開いただけで感染することも

パソコンにはセキュリティソフトを入れていても、スマホには入れていない、という人は多いのですよね?
ところが最近はスマホを狙ったウイルスが増えているのです。

感染しないためには、次のようなメールに注意しましょう。

  • 不審なメールのURL(ホームページのアドレス)をタップしない
  • 不審なメールの添付ファイルを開かない
  • TwitterなどのSNSに来た怪しいダイレクトメッセージを開かない
  • 知り合いからでも怪しいと思ったら開かない(知り合いがウイルスに感染し、乗っ取りに遭っている可能性もあるからです)

どんなセキュリティソフトを入れればいい?

セキュリティソフトは番犬のようなものです。
不審者(ウイルス)が侵入しようとすると、反応して追い出してくれます。

セキュリティソフトを入れる際に、気をつける点として、次のようなことが挙げられます。

無料のものは注意が必要です。
安心なのは、契約している携帯電話会社のセキュリティソフトです。まだ入れていないという方は、契約している携帯電話会社のショップなどに問い合わせしてみましょう。
ただし、セキュリティソフトは多く入れたほうがいいものでもありません。たくさん入れてしまうと、それぞれのソフトが常に動いている状態になり、かえってスマホに負担がかかってしまいます。
番犬が何匹もいると、ワンワンほえてうるさくなってしまうのと一緒です。信用できるものを1つだけにしましょう。
(4章 133ページ)

架空請求を見破る方法があります

利用したことのないサービスの請求が届いた経験はないでしょうか。
それは、お金をだまし取ろうとして、メールを送りつける詐欺の手口の一つです。

最近は銀行や大手百貨店を名乗ったものも増えて、信じてしまう人も多いのです。
見破るためには、どうしたらいいでしょうか?

まず文章の最後にある署名を見ましょう。そこに電話番号が書いてあったら、本物かどうかを確かめてみます。
銀行や百貨店の公式のホームページに記載されている電話番号と、同じかどうかをチェックして、違っていれば無視してかまいません。
どうしても気になるようでしたら、企業の公式な電話番号にかけて、問い合わせしてみるといいと思います。
絶対に、メールに記載されている番号やメールアドレスに連絡するのはやめましょう
(4章 142ページ)

万が一トラブルに巻き込まれてしまったら

消費生活センターに相談を。
消費者ホットライン:188(局番なし)

新しいアプリを入れるときの注意点

ゲームアプリやショッピングアプリなど、さまざまなアプリの中には、不正なものがあります。

配送業者を装い、メールやウェブ広告などからアクセスさせて、"このアプリをダウンロードしてください"と誘導したり、人気アプリの偽物をダウンロードさせたりして、課金したり個人情報を盗んだりします。

アプリを購入するときは、Android(アンドロイド)ならPlayストア、iPhone(アイフォン)ならAppStore(アップストア)といった公式ストアで購入しましょう。
これらは、アプリが公開される前に安全性の審査が行われますので、安心です。
また、携帯電話会社が運営するアプリストアも安全です。
(4章 147ページ)

もし怪しいアプリを入れてしまったり、セキュリティソフトにかけてウイルスが検出されたりしたら、すぐにアンインストールすれば大丈夫。
削除したいアプリのアイコン(マーク)を長押しすると、「×」または、「アンインストール」という表示が出てきます。

初心者だからこそセキュリティの知識を

スマホを持ったら、便利な使い方と同時に、ぜひこのようなセキュリティのことも知っておきましょう。

知識があれば、安全に、より便利にデジタルの世界を楽しむことができますよ。

若宮正子さんからのメッセージです。