質 問
小学2年生の子どもは、「先生の叱り声が怖い」という典型的な理由で学校に行けなくなっています。
学校に対応してもらいたいと思うのですが、本人は、他の子たちと違う特別扱いをされることを、とても嫌います。
そういう場合は、学校にどのように伝えれば、子どもにとっても学校の先生にとっても、いい環境を作れるのでしょうか。
答 え
HSC(ひといちばい敏感な子)は、敏感で繊細なところがあると同時に、完璧主義というか、人と同じでないといけないと、ひといちばい思っているので、特別扱いは嫌だ、という子も多いです。
ですから、そこは学校で、特別扱いと感じさせないような配慮が必要だと思います。
例えばHSCは、人前で発表するのが苦手だったりします。
そういう時に、順番で当てていくと当たりますので、「この子は人前で話すのが苦手だから、1人とばしてください」と言うと、明らかに特別扱いなわけです。
これでは周りも変だなと思いますし、本人も嫌だと思います。
そういう時に、先生が、「分かる人、手を挙げてください」とか、「発表したい人、手を挙げてください」と聞けば、別に発表したくなければしなくていいわけですよね。
また、「先生の叱り声が怖い」ということにしても、そういう子がいるクラスだけ小さい声で話して、他のクラスで話す時はガンガン怒鳴っているとすれば、それは特別な配慮です。
ですが、先生の怒鳴り声というのは、その子だけでなく、HSCの子でなくても嫌なのです。
実は、HSCに必要なことというのは、他の子にとっても大事なことなのです。
ですからHSCの子が傷つかないような配慮をしていくことが、また他の子を大事にしていくことになるのです。
HSCに配慮することで、他の子にとっても居心地のいいクラス、過ごしやすいクラスを作ることになると思っています。
そういうことを、私はやっぱり学校で考えてもらいたいと思います。
ただ、「現実的にそうなっていないから困るんだ」と思われるかもしれません。
もし、親から直接担任に言いにくいようであれば、そういうことを理解してくれる養護の先生とか、スクールカウンセラーの先生とか、学年主任の先生とか、分かってくれる人から担任の先生に伝えてもらう方法もあると思います。
特別扱いと感じさせないような配慮を、先生たちにぜひ工夫してもらいたいな、と思っています。