HSPとHSCの親子関係について明橋先生に質問に答えていただきました!
HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。
質問
次女がHSC(ひといちばい敏感な子)で、夫もHSP(ひといちばい敏感な人)なのですが、夫は子どもを理解するどころか、ぶつかることが多くて、どうしたものかと悩んでいます。
次女は、宿題や片づけ、お風呂、夜寝る、という毎日のことをなかなかやろうとしないので、夫が何度も「やれやれ」と言って、しまいにはキレてしまう、というパターンが多いです。
答え
お父さんは、かんしゃくを起こす子の大人バージョンみたいな感じなのですね。
そういう話はよく聞きます。
男性の場合、敏感なところがあっても、それを周りに受け入れてもらってきたかというと、必ずしもそうではないのです。
むしろ、敏感なところを出したら、それにつけこまれるとか、あるいはよけいにいじめられるとか、否定されるとか、そういう不安を持って、自分の敏感な部分を出さないように、フタをして、背伸びをして、強がって、心に鎧を着て生きてきた、というところがあるのです。
だから、自分の敏感さに対して、もしかしたらコンプレックスを持っておられるのかもしれません。
ですから、自分の娘に、自分と似た敏感さがあると、同じだから共感できるというところもあるけれども、逆に、同じだからよけい腹が立つ、イライラするということがあるわけです。
子どもが、自分の長所だと思っているところに似ていると可愛いけれども、自分の嫌なところに似ていると思うと、やっぱりイライラするのです。
これは、母親でもそういうことがありますよね。
ご主人は、おそらく、そういうことではないかなと思います。
結局、お父さん自身が敏感さでいろいろ傷ついてきた、そういう傷がじゅうぶん癒やされていない、ということだと思うのです。
ですから、そういう時は、
「あなたも敏感なんだから、子どものことをもっと理解してよ」
ということを言わなければならない時もあると思いますが、その一方で、
「あなたも敏感なところがあって、苦労してきたんやね」
とか、
「お父さん、頑張って乗り越えてきたんやね」
と、お父さんのことも労って、そういうふうに声をかけていくと、ちょっとまた対応が違ってくるかもしれません。
HSPということを知った時、多くの人は、「自分の敏感さが分かって、むしろそれで救われた」と言います。
けれども、男性の場合は、逆にそういうことを認めないというか、無理やり認めさせようとすると、よけいに意地になるということがあります。
ですから、
「お父さんはそういうこと、乗り越えてきたんやね」
と認めたうえで、
「ただ、お父さんみたいに強い人ばっかりじゃないから、できないこともあるかもしれないよ」
など、そういう言い方をすれば、下の娘さんに対する見方も、変わってくるのではないかなと思います。