「鬼は外!福は内!」
2月3日は節分。大きな声で豆を投げる家も多いでしょう。
豆を投げて福が来ればいいですが、小さなお子さんのいる家庭では、豆を投げて鬼がくることがあります。
鬼?それは「誤飲事故」です。
節分の風物詩をきっかけに、子どもの誤飲について知っていただきたいと思います。
子どもは何でも口にするもの
生まれてすぐの赤ちゃんは自分で動くことが出来ませんが、生後5〜6カ月ごろになるとずりばいを始め、その後ハイハイをするようになります。
そうすると床に落ちているものを、何でも口にするようになります。そして、口に入れてはいけないものを口にして、誤飲をしてしまうことがあります。
大人が見ているところならば、すぐにやめさせられますが、誤飲事故のおよそ4割は大人の見ていないところで起きると言われています。
食べ物があやまって気管に入ることも
特に3歳以下の子どもは、口の中に入れたものを誤って吸い込んでしまい、食道ではなく気管に入り込んでしまうことが多いと言われています。
大人であれば、のどから気管に異物が入りかかった時に、それが気管に入らないように咳をして防ぐ仕組みがありますが、3歳以下の子どもではこの働きが弱いからです。
餅やグミやこんにゃくゼリーがのどに詰まりやすいのはよく言われていると思いますが、そのようなものだけではなく、丸くつるつるしたもの(大豆、ピーナッツ、キャンディーなど)が気管に入りやすいと言われています。
お父さんのビールのつまみの枝豆も要注意です。おじいちゃんやおばあちゃんが、孫かわいさにピーナッツいりのクッキーやせんべいを食べさせるのも危険です。
特に小さい豆類は気管のさらに奥の気管支まで入っていってしまいます。
気管に入った時の症状、そして対処法は?
誤飲した現場を見ていた場合はわかりますが、そうでない場合はどうやって知ればよいのでしょうか。
まずは、周囲に豆類など原因になるものが無かったかどうかを調べましょう。
そして、突然咳をしはじめ、その後咳が続いている場合には、疑った方がよいでしょう。
気管の異物を疑ったら、病院を受診しましょう。聴診やレントゲン、CTで異物があることがわかれば治療を行います。
治療は全身麻酔で内視鏡を用いて異物を摘出することになります。
もし内視鏡で摘出できない場合には開胸手術になることもあります。
気管や気管支は肺に空気を送る大事な通り道ですから、たやすくできる治療ではありません。
また、肺炎などの後遺症が起きたりして、場合によっては命に関わることもあります。
何よりも誤飲は予防することが大事です。
小さいお子さんには豆類を食べさせないこと。
そして小さいお子さんがいる家で豆まきをするときは、袋入りの豆を袋のまま、まきましょう。