セカンドライフ心理学 #3

  1. 人生

50代からの挑戦!言葉の力で新しい自分になる方法

人生の挑戦を成功させるには?

「第二の人生、せっかくなら新しい自分になりたい!」
そんな気持ちでこの記事を読まれているあなたにお尋ねします。

新しい自分に挑戦するときに、「本当に変われるかなあ」と不安な気持ちになりませんか?
「自分は基本的に受け身だから」とか「今さら変わるなんて無理でしょ」とか、やらない理由や言い訳ばかりが、どんどん頭に浮かんできませんか?

そんな心が出てきたとしても、それはあなたが特別意志が弱いからでもありませんし、人一倍臆病だからでもありません。
このような心は誰にでも起きてくるものです。

心理学の用語では、これを「コンフォートゾーンから出た」と言われます。
コンフォートゾーンとは、居心地の良い環境であり、慣れ親しんでいる現状のことです。

コンフォートゾーンについては、前回の記事でも書いていますので、詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
「第二の人生で新しい趣味を始めるには?挑戦を阻む不安の心理を解明!」

居心地のいい場所を離れると、挑戦できる

居心地のいい今の自分から新しい自分になるというのは、現状のコンフォートゾーンから出て、新しいコンフォートゾーンに移るということです。
現状の快適な環境からは離れるので、最初は違和感があるかもしれませんが、やがて新しい自分が当たり前の状態になっていきます。

例えば、引っ越しをするときを考えてみましょう。
新しい家に移れば、最初は他人の家に来ているような違和感を覚えるかもしれません。
しかし、時間が経つにつれて新しい環境に慣れ、自分にとって快適な空間となっていきます。

不安なのは最初だけです。
移ってしまえば、そこが自分の居場所になります。
つまり、コンフォートゾーンを出れば、新しい自分になれるということなのです。

人生を変える言葉の力「アファメーション」

では、具体的にどうすればコンフォートゾーンを離れて、理想の自分になることができるのでしょうか?

その方法として、アファメーションというテクニックがあります。
アファメーションとは、「自分自身に対する肯定的な宣言」のことです。
英語のaffirmationには、肯定という意味があります。

「私はできる」や「私はもっと良くなる」など、前向きな言葉を発言します。
理想の自分を言葉にして、自分自身に言い聞かせることにより、それが本来の自分だと思い込む方法です。

そう聞きますと、「本当に思い込むだけで変われるの?」と思われるかもしれません。
実はこの「思い込み」には、すごい力があるという研究結果があります。

本当はすごい!思い込みの効果

思い込みの一つに、有名な「プラシーボ効果」という医療用語があります。
プラシーボ効果とは、偽薬効果とも言われ、偽薬を投与したにも関わらず、治るという思い込みによって、実際に症状が回復したり和らいだりする現象のことです。
例えば、「この薬を飲んだら病気が治ります」と渡されたものが本物の薬ではなかったとしても、病気を治す力のある薬だと信じて飲めば治ってしまうということです。

他にも、「ピグマリオン効果」という心理効果もあります。
人間は期待された通りの結果を出す傾向があるとされており、ロバート・ローゼンタールというアメリカの教育心理学者が提唱しました。

ピグマリオン効果の実験は、ローゼンタールがサンフランシスコの小学校で行った実験が最初です。
その実験とは、次のような内容です。

生徒に対して特別なテストをして、今後成績が伸びる生徒は誰なのかを担任の教師に教えます。
ただし、この成績が伸びると言われた生徒は、テストの結果とは関係なく無作為に選ばれただけの生徒です。
その8カ月後に、もう一度テストをすると、成績が伸びるだろうと言われた生徒は他の生徒より成績を上げていたのです。
つまり教師は、生徒が優秀だという思い込みによって、生徒に対してそのように接するようになり、またその生徒も期待されていると感じることで、本来以上の結果を出すことができたのです。

このように、思い込みによって、実際に結果を出すことがあるのです。

本田選手も実践!夢を叶えるアファメーション

アファメーションが有効なのは、脳の仕組みにも理由があります。
言葉を発すると、脳が肯定的か否定的かを判断し、それぞれに応じた感情が引き出されます。
そこで生じた感情に応じて、思考が生み出されるようになっていくのです。

ですから、否定的な言葉を使っていると、思考そのものがネガティブになっていきます。
反対に、肯定的な言葉を使えば、思考はどんどんポジティブになっていくのです。

自身の前向きな発言によって夢をかなえた有名人といえば、サッカー選手の本田圭佑さんです。
本田選手は小学校時代の卒業文集に、セリエAに入団することや、エースナンバーである背番号10番で活躍することなどを書いていました。
また、「世界一のサッカー選手になりたい!というより、なる!」と断言しています。

世間からはビッグマウスだと言われていた本田選手ですが、自身は本気でなってやると思っていました。
自分の言葉によって、それが行動となり、実際に思い描いた自分になることができたのです。

人生の挑戦を後押し!「肯定するフレーズ」

では、具体的にどのような言葉を使ったらいいのでしょうか。
例えば、ダンスが踊れるようになりたければ、まずはうまく踊れている自分を思い描きましょう。
そして自分に言い聞かせるように、前向きな言葉を発します。

例えば、以下のような言葉が有効です。

・「私はうまくダンスをしている」
・「私はダンスがどんどん上達している」
・「ダンスを練習することが楽しいし、うれしい」
・「私は自分に自信を持っている」
・「私はいつもうまくやれる」

ポイントは、ゴールに到達している自分の視点で言葉を作ることです。
よって、言葉は完了形や進行形を使います。
「なりたい」では、まだなれていないということなので、良い例とは言えません。

前向きな言葉が人生を変える!

このようなアファメーションというテクニックを、普段の生活の中に取り入れていくことができます。
例えば、毎朝、鏡に向かってポジティブな言葉を自分自身に投げかけたり、夜寝る前に前向きな言葉を口に出すことも良いと思います。
毎日続けることで、より実感を深めていくことができます。

あるいは、家族に対しても、「ダンスの練習、楽しい!」「どんどんうまくなってるよ!」と言ってみましょう。
周囲の人たちの自分を見る目が変わっていき、思い込みが次第に現実になっていきます。

理想の自分が本来の自分なんだと思い込むことで、コンフォートゾーンが理想の自分のほうに移っていきます。
そうすると、現状の自分に違和感を覚えるようになりますから、無意識的に新しいコンフォートゾーンに自分を合わせていくようになるのです。

ダンスの例で言えば、踊れる自分が本来の自分なのだと思えるようになってくるということです。
そうすると、踊れない今の自分に違和感を覚えますから、踊れるように自然と練習するようになり、すぐに習得できるようになるでしょう。

まとめ

セカンドライフに突入するにあたって、新しい自分になりたいと思われる方は多いでしょう。
しかし、実際には新しい自分になることに不安を感じてしまうのも事実です。

そんな時に役に立つのが、前向きな言葉を発する「アファメーション」です。
毎日続けていくことで、誰でも新しい一歩を踏み出すことができます。

実践して、ぜひ明るいセカンドライフを送りましょう!
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