2人の歴史ナビゲーターがおくる新感覚歴史クイズ「歴シル」!
手軽にサクッと学べる13問のクイズを解き終えるころには、あなたも立派な戦国通です!
ナビゲーター紹介
長宗我部元親
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名前の読み方は「ちょうそかべもとちか」。 四国・高知県の戦国武将。戦国時代をクールに分かりやすく解説する。 |
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リン
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都内の大学に通う明るく元気な1年生。歴史は詳しくない。元親のことをチカさんとよんでいる。 |
今回のクイズはこちらです!↓↓
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【Q5】戦国大名は時としてお互いに「同盟」を結んで協力しあった。お互いの絆を強めるためにさかんに行われたこととは次のうちどれ?
A・人質として家来を交換する
B・家宝を交換する
C・結婚する
D・領地を交換する
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まだテストしていない人はコチラから!
敵だらけの今川、武田、北条はなぜ生き残れた?
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【正解】「C・結婚」だ!
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戦国時代でもとくに激戦区だったのが関東や東海だ。
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激戦区って?
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まわり中敵だらけなんだよ。1人で10人相手にケンカしてるみたいなものだ。
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え、10人? ムリでしょ。それいつかヤラれちゃうんじゃない?
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そう。そこを生き残ったのが今川義元や武田信玄、北条氏康だ。
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あ、今川とか聞いたことある。でもどうして生き残れたの?
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戦うばかりが能じゃない。ときに大名たちは手を組んだんだ。これを「同盟」と言う。
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同盟? 仲間になるってこと?
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そうだ。「あなたの領地には攻め込まないし、戦争するときは一緒に戦いましょう!」っていう約束だ。昨日までの敵同士が仲間になることも珍しくなかった。
「別におまえを助けたわけじゃない、おまえを倒すのはオレだからな」的な感じね! なんかかっこいい!
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中二病か…実際はビジネスパートナーになる感じだな。ただ口約束だけでは裏切られるかもしれない。そこで信頼を強めるためにさかんに行ったのが結婚だ。
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結婚!? そうなの!?
*チカさんのひとこと解説*
両家が親戚になることで、同盟をより強くしようとしたんだ。関東・東海は激戦区で、とくに今川、武田、北条の三家はおたがいに足をひっぱりあっていた。あるとき
「うん、オレたちこのままじゃ何の利益もない。いっそ3チームで手を組んだ方がいいんじゃない?」
と同盟をすることになった。おかげで後ろを気にすることなく、領土を広げることができたんだ。そして同盟を強めるために結婚し合った。こんなふうに。
また織田信長は将軍を助けるため京都に入る際、滋賀の浅井氏と同盟した。背後を気にしなくていいようにするためで、このときは信長の妹・市姫が浅井長政に嫁いだ。
結婚相手は親どうしが決めるのがふつうで、相手を選ぶ権利はない。
女性は2つの家の仲をつなぎ、跡継ぎを生む、これが女性の役目と思われていたんだ。
だから戦国大名は親戚どうしということがとても多い。
なお、夫人との間に子どもが生まれるとは限らない。
だから戦国大名は正式な妻とは別に、何人か妻をもつのがふつうだった。
そうした妻を「側室」というぞ。
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多くの場合、結婚式の当日に、初めて相手と出会うことになる。
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えっ!? 会ったことない人と結婚するの!? 信じらんない。好きになれなかったらどうするのよ?
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まぁ、そこは賭けだな。
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えー、ぜったいやだ!!
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戦国時代に生まれなくてよかったな。ちなみに女の子は何歳くらいで結婚してたと思う?
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え?分かんない、25くらいじゃないの?
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13~15くらいだ。
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中学生じゃん! 好きな人に告白できないまま、むりやり引き離されるなんて……わーーっ、やだーーー!!それだったら、国を捨てて、家出するかな〜。
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…本当に、戦国時代に生まれなくてよかったな…。
●まとめ
戦国サバイバルを生き抜くために、大名たちは手を組み、仲を深めるために結婚をしました。女性は両家をつなぐ大事な橋渡しをしていたのです。
一度嫁いだら、嫁いだ先の人間になり、実家にもどることはまずありませんでした。生家を離れるときどんな思いがしたでしょうか。
そして女性のもう一つの大きな役割は「跡継ぎ」を生むことです。「○○家」「○○一族」など「血筋」が、現代とは比較にならないくらいほど大事にされていて、血筋が途絶えることをとても恐れていました。だからあとを継ぐ男の子を生むことは大手柄だったのです。
自由に恋愛して結婚するいまとはまるで別世界です。それも運命と受けいれて、戦国の女性はたくましく生きていたのでしょう。
ちなみに基本的に長男があとを継ぎますが、側室がさきに男子を生み、正室があとから男子を生んだ場合は、正室の子が跡継ぎになります。側室の子はあくまで正室に男子が生まれない場合のいわば保険だったのです。
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