五感の敏感さゆえに、自分を否定してきたことの棚卸しをしてみませんか。
それはわがままだったから?いいえ、きっと素敵なHSPの資質とは、切っても切り離せない面に違いありません。
そう思わせてくれる、マンガ家・高野優さんの、笑って癒やされるメッセージを受け取ってください。
高野優のオフィシャルブログ:「釣りとJAZZと着物があれば」
周りは苦手な臭いに満ちあふれていて…
「聴覚」「嗅覚」「触覚」「視覚」「味覚」。
この五つの感覚で、いちばんぴりぴりと過敏になるのはどれですか?
わたしは並べたとおり。聴覚がもっとも過敏で、味覚に対しては大人になった今、ほとんどなにも感じない。
グルメとは180度遠いし、甘味、酸味、苦味、うま味、塩味にこだわりは薄い。なんでも美味しく食べられて、強靭な胃袋を持っていることは良しとしなくちゃ。
ただ、聴覚と嗅覚と触覚。この三つが敏感ゆえにしんどくて、頭を抱えてばかりいる。
小学校低学年までは、カレーライスが大好きなのに、食べられなくて苦労をした。
カレーとライスが別々なら舌鼓を打っておかわりをするのに、ライスの上にカレーのルーが乗っていると、混ざっている部分だけがどうしても食べられない。
家でも学校でも「おなかに入れば一緒だから!」と怒られて、飲み込むように食べていた。今思うと、味覚というより食感が苦手だったのかもしれない。
わたしの友人は味覚が過敏で、カフェインと化学調味料が大の苦手。
カフェインを摂ると頭痛を引き起こし、化学調味料を摂ると喉がひどく乾くらしい。
幼い頃からわがままだと怒られたり、ときには叩かれたと聞いて、同じ思いを抱えていたわたしも胸がちくりと痛む。
きっと誰しもが小さくつまずいて転んで、なんとか立ち上がっている。
とはいえ、なにもかもを我慢して、自分を犠牲にしてまで立ち上がらなくてもいい。
ときには、体育座りでぼんやりしてもいい。
そう思えるようになったのは、HSPの概念を知ったから。