自粛が解除されて、少しずつ元の日常の生活を取り戻しつつあります。学校も再開されましたが、通常よりも早いスピードで授業を進める先生もあり、「学校のペースについていけない」「なかなか新しいことが覚えられない」というお子さんもいるようです。
どうしたら前向きに子どもの学力を伸ばすことができるのでしょうか?
このたびは、漢字の勉強法について教育コンサルタントの阿部順子先生からお聞きしました。
(1万年堂ライフ編集部)
質問:漢字をなかなか覚えられません。どのように学習したら覚えられますか?
答え:視点を変えたユニークな漢字練習法をご紹介します。
漢字を書いて練習するというのはよくある勉強法です。5回、10回と繰り返し書かせれば覚えるだろうと思いますが、案外覚えていないものです。
テレビを見ながらだったり、気になることがあったりすると散漫になって、学習というよりは作業と化してしまいます。さらに、お子さんが「やらされている」と感じている場合は、手だけが動いて頭に入っていきません。
そこで1つ、視点を変えたユニークな漢字練習法をご紹介しましょう。
1日3分!書かず覚える漢字勉強法とは?
それは、「簡単」しかも、「短時間にできる」、さらに、「書かなくていい」画期的な漢字練習法なのです。漢字が好きでないお子さんは、たいてい書くのを面倒がる傾向があるので、きっと喜んで取り組んでくれることでしょう。
しかも勉強時間は1日たったの3分!これまでのやり方で今ひとつだった方は、ぜひこの機会に試してみてくださいね。
- 1.覚える漢字を(5個程度)紙に書きます
- 2.「よーいスタート!!」30秒間見て覚えます(30秒は意外と長いのです)
- 3.30秒後、「おしまい!」見本の字を伏せ、違う紙に書いてみます
いくつ書けましたか?
だらだら練習するよりも、短時間でも頭をフル回転させたほうが記憶に残りやすいのです。
覚えられなかった漢字は、再度個数によって時間を定め(2個なら10秒など)見て覚えさせます。そして、週末などにまとめてもう一度、一週間分の漢字を復習するなど、繰り返して定着を図ってみてください。
例)15個(1分)×2回 ※1週間分の漢字15個を復習する場合
漢字力が身につく5つのポイント
1.漢字を覚える注意点としては、「とめ」「はね」「はらい」の3点は見落とさないよう事前に声掛けしておくとよいでしょう。
2.意味の分からない漢字は必ず調べましょう。「意味を調べる」回り道の学習が、記憶を定着させるだけでなく、語彙も増えて派生的に学習効果をアップさせます。
3.「繰り返して定着させる」のも、1つのポイントです。
4.漢字を分解して覚える方法もあります。「花」であれば「草かんむり」にカタカナの「イ」+「ヒ」となります。
5.3回書いてどの字が綺麗に書けたか比べさせると、字のバランスに気をつけながら丁寧に書くので、記憶に残りやすくなります。
漢字の学習はこの先ずっと続きます。「漢字練習をさせる」というより「楽しく漢字を覚える」という姿勢で取り組ませると効果が増しますよ。
また、ベストな覚え方はお子さんによって違うので、試しながら合った学習方法を見つけてみてくださいね!