「時折感じる居心地の悪さや、自分を押さえつける目には見えない重石に、うんざりする」と綴る、HSPマンガ家の高野優さん。
食べず嫌いは克服できるけれど、5人に4人の多数派とは違う感性を守る”味方”が、どんなときにもHSPには必要なのかもしれません。
ひといちばい敏感だから生きづらいのではなく、ひといちばい敏感だからこそ、人生を楽しめることに目を向けてくれる、優さんのHSPマンガエッセイをどうぞ。
高野優のオフィシャルブログ:「釣りとJAZZと着物があれば」
高野優さんのマンガエッセイ連載はコチラ相手の好意にストップはかけたくないけれど…
「安全地帯」と書くと、ある一定の世代の方はバンド名かと思うはず。
ここでの安全地帯はそちらじゃなくて、こちらのHSP談義。
心理学の先生から「HSPの方は安心して自分がだせる『安全地帯』を作るといいですよ」と聞いたことがあり、今更ながら胸に染みわたる。
社会がすべて危険地帯だとは思わない。思わないけれど、やっぱり時折感じる居心地の悪さや、自分を押さえつける目には見えない重石に、うんざりする。
だからこそ、自然にふるまえる場所や、緊張をしない友人の存在はなによりも大切。
漫画で描いた調味料の話。
「自分でかけさせて」というたった一言。せっかく気を利かして調味料をかけてくれている好意にストップをかけるようで、なかなか言えずにいた。
でも、相手だってなにがなんでも調味料をかけないと! と意気込んでいるわけでもなく、ただ単に気の利かないわたしのために世話を焼いてくれているだけ。
「自分でやるから」と言った後、相手の「あ、そう?」という表情に、拍子抜けをしてしまったくらい。
シルバー(フォークやスプーン)を渡してくれる方、おしぼりを手渡してくれる方、サラダを取り分けてくれる方、添えているレモンを絞ってくれる方。
ありがたいけれど、いつも喉のすぐそばまで「ジブンデ!」と自己主張が強めな二歳児が出てくる。
以前、テレビドラマで、周りになにも言わずに唐揚げにレモンを絞ることについて、熱く持論を語るシーンがあって、頷きながら笑ってしまった。そうそう、そんな感じ。
古い友人に、自分で取り分けるからと伝えても、いいからいいからと諭される。そんなときはもう「トリワケビト」だと思って、その好意に甘えることにしている。
「こうじゃなくちゃ」から「これでもいっか」と、シフトチェンジをして自分を緩めることも、HSPにとっては大事なこと。
自分でシルバーや、おしぼりを取りたいタイミング、自分で食べたいサラダの量、レモンを付けたくない唐揚げ。
この厄介な気持ちに「わたしも同じ!」と、挙手をしてくれる方はいるかしら?
唯一、手放しでうれしいのは、コロナビールに挿してくれるライム。
これもまたわかってくださる方がいたらいいなぁ。
ぜひ読んでいただきたい本
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