最高の学習効果をもたらす親のあり方 #7

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受験指導のプロが教える!今からできる効果的な勉強法

猛暑もおさまり、ちらほら秋の気配が感じられるようになりました。実りの秋、お子さんには実力を発揮してもらいたい時期ですね。

特に、来春に受験を控えているお子さんにとっては、ラストスパートです。

不安が少しでも軽減されて自信がつきますよう、今回は中学受験指導のプロ、阿部順子先生のアドバイスをご紹介します。

ぜひ日頃の勉強成果が発揮できますように。

(1万年堂ライフ編集部)

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質問

2021年度の中学入試まで半年を切りました。合格率を上げるために、どのような対策をしたらいいですか?

答え

6年生のこれからの時期は、総合的に問題を解くよりも、過去問を分析し、志望校の出題傾向に合った問題に慣れることが大切です。

なぜなら、出題傾向は、各学校によって異なるからです。

(1)過去問に慣れることで、合格率は確実にアップ!

模試で高得点が取れても、受験校の過去問が解けなければ合格率は低いといえるでしょう。

そして、逆のこともいえます。合格率30%未満と出ていても、合格できる望みは多分にあるのです。

特に私学は、入試問題の独自性によって学校の個性や方針を間接的にアピールしているため、どの学校も第一志望で入学する生徒を望んでいます。

つまり、自校の傾向を掴んで勉強してくる生徒が有利になるよう、入試傾向を貫いています。

入試説明会などに足を運ぶと、過去問に関しての説明や、大きな変更がある場合は変更点の説明をする学校が多くあります。

今年はコロナの影響でオンラインによる説明会がなされている学校も多いのですが、入試の情報を入手するのは必須です。

そして、何よりも過去問を分析し、志望校の問題に慣れることで合格率を確実にアップできます。

 

(2)対策が難しい算数を攻略する、5つのポイントとは?

① 計算問題について 

問題数や難易度、還元算(□を求める計算)や、工夫の必要な問題の有無をチェックしましょう。

問題数は3題の学校もあれば、4題、5題と学校によって異なります。

練習をする場合は、出題数と難易度、そして傾向に合わせた問題を用意し、全問正解ができるよう訓練することをお勧めします。

 

② 難易度の構成について

【後ろの問題になるにつれ、難易度が増す場合】

⇒ 前のほうから1題1題丁寧に解き、正解を積み上げていきましょう。

【難易度の順番が決まっていない場合】

⇒ たとえ1行の簡単そうに見える問題であっても、少し考えて解けなそうな場合は飛ばし、後ろまで進めましょう。一見難しそうに見える大問であっても、後ろの問題が易しい場合があります。

 

③ 途中点の有無や途中点のつけ方について

途中点は、僅差で合否が決まる中学受験においては大切な要素となります。

学校による途中点の有無だけでなく、途中点のある場合は、加点方法の詳細も調べましょう。

時間をかけて丁寧な式を書かなくても、筆算だけでも記入があれば加点対象となる場合もあります。

途中点がどのように反映されるのかは学校によって同一ではないので、確認し、時間をかけずに得点につなげられる練習をしておきましょう。
(入試説明会などの個別の質問で教えてもらえます)

 

④ ひっかけ問題の出題について 

例えば「㎞」で出た答えを、あえて「m」で答えさせるなど、注意力を求められる問題がよく出されるか、そうでないかを確認しましょう。

ひっかけ問題が出ることを知っておくだけでも、心構えになります。

 

⑤ 求められる解答の仕方について

学校によって、単位まで書く場合と、答えのみの学校があります。

単位まで記入が必要な学校では、書き忘れると減点もしくは不正解となるので、事前にしっかり確認し単位をつけ忘れないよう留意することで、ミスを防ぎやすくなります。

 

その他、学校によって、割合や速さ、図形など、頻出している分野が異なるので、傾向をつかみ、頻出問題から優先的に学習を進めるなどの対策も功を奏すでしょう。

また、解答もチェックし、答えが比較的整った数になるか、分数などの中途半端な数になるか、その傾向もチェックしておくと、当日の戸惑いが薄れます。

学校によっては、分析したからこその出題傾向のヒントが見つかることもあり、思わずにんまりしてしまいます。

傾向を知っておけば、子どもの自信にもつながります

このように、過去問から見えてくることがたくさんあり、残された期間でやるべき個々の対策もはっきりしてきます。

過去問の分析は宝の山なのです。

過去に目にした中学受験の本で、「過去問をやっても同じ問題は出ないので、過去問をやる意味がない」と書かれていることに私は驚きました。

確かに全く同じ問題は出ませんが、過去問を入試直前にしかやらないのはもったいないのです。

しかも、塾や家庭によっては『解くだけで終わり』ということも多いようです。

それでは合格率を上げることはできません。

分析をして対策をしてこそ、合格率を上げることができるのです。

すでに個別指導などを受けている方は、どこまで深く過去問を分析し、指導に活かしているかを確認してみるといいでしょう。

国語に関しても、詩や俳句が出題される学校とされない学校がありますし、記述中心の学校もあれば、選択問題中心の学校もあります。

ことわざや四字熟語、敬語などの知識問題も学校によって問われる内容はさまざまです。文学史の出題も学校によります。

それらの傾向を知らずに、総合的な学習を主流にして進めるのと、過去問の対策をして臨むのとでは、大差が出ることは間違いありません。

また、過去問を解く時期ですが、入試直前に本番さながらに解かせる塾もあるようですが、私はお勧めしません。

メンタルが強いお子さんはいいのですが、思った結果ではなかった場合、自信を失くしてしまうお子さんもいます。

できれば入試1ヵ月前までには終わらせておくのが良いでしょう

著者からのメッセージ

コロナの影響で入試方法が見えない今ですが、学校側も教師一丸となって最善の対策を探っています。

受験生全員が同じ境遇です!!

余計な不安を払拭し、試験当日の限られた時間の中で、ベストな得点が得られますよう、前向きな気持ちでお子さんを支えてください。

有意義な過去問対策で、ラストをあなたのお子さんらしい、志望校への合格を掴んでくださいね!

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