孤独の名言レシピ #8

  1. 人生

相次ぐ芸能人の自殺と孤独|「家族や友達にわかってほしい」心の寂しさに共感する名言

見た目には見えない深刻な孤独

友達や家族と一緒にいるときに、ふと寂しさを感じたことはありませんか?

これまで、7回に渡ってさまざまな形の孤独を紹介してきました。
「孤独」といえば、一人ぼっちになることを想像します。
実際、一人になる寂しさを訴える方は少なくありません。

では、家族や友人に囲まれていれば寂しくないのでしょうか。
充実し、順風満帆そうに見えていても、実は人知れず悩みを抱えている場合もあります。

一人でいる人からしたら贅沢な悩みと思われるかもしれませんが、この悩みは意外と深刻だったりするのです。
最近も有名人が自ら命を絶ち、家族や友達にも恵まれ充実しているように見えたのに、と周囲は驚きを隠せませんでした。

そんな人知れず抱えている寂しさを打ち明けてくれた方がありますので、紹介します。

ひとりぼっちで、もがいている人生

60代の女性・Iさんは、幼少期にご両親が商売をされていました。
Iさんにはお兄さんがいて、商売をしている関係上、跡取りとなるお兄さんばかりが可愛がられていたそうです。

そこでIさんは、手のかからない子を演じることで両親を喜ばせようとしました。
本はそんなに好きではなかったものの、小学生の頃は絵本ばかり読んでいたといいます。
絵本を読んでいれば、いい子だと両親は褒めてくれたからです。

中学ではバレーボール、高校ではテニスと運動神経も万能で友人も多く、充実した学校生活を送っていました。
しかし、振り返ってみれば寂しさをごまかす手段が絵本からスポーツに変わっただけだったのです。

結婚しても、夫とは分かり合えず、ママ友ともうわべの話だけ。
仕事をしながら育児も家事もこなす中、母親からは教育に関してヤイヤイ言われる。
家族にも友人にも、本音で話せたことはなかったそうです。

同じことを繰り返して、あっという間に過ぎてゆく日々で、気付けば子どもも独り立ちしていました。
周りにはいつも人がいたけれど、心はずっと寂しかったそうです。

人間はわかってほしい生き物

Iさんは、人間関係も構築できていたし、やりたいこともしてきて、世間的に見ると「できる人」「能力のある人」でしょう。
人付き合いが苦手でもなく、インドアどころか、むしろ活動的で、「孤独」という言葉とは縁のない人のように思えます。

しかし、ずっと寂しい気持ちを抱えていた。
本当は自分のことを理解して心を通わせられる人が欲しかったんですね。

私もいろいろと悩み相談を受けますが、女性の場合、「〇〇した方がいいですね」というアドバイスを求めてはいません。
話を聴いてもらいたい、そして共感してもらいたいから話していることがほとんどです。

わかります」「それは大変でしたね
共感、頷き、労いの言葉、これを重ねるだけで相手の方はすごく楽になるようです。

特に女性は、自分の苦労を受け止め、共感し、寄り添ってほしいのです。
聴いてもらえた、受け入れてもらえた、という安心感に、救われた気持ちになるのではないでしょうか。

わかってほしいのに心はひとりぼっち

大切な人にこそ、自分の気持ちをわかって、受け止めてほしい。
それは多くの人の願いでしょう。
「どうして私の気持ちをわかってくれないの」という言葉は、「わかってほしい」という心の裏返しなのです。

では、身近な人なら自分のことをわかってくれるのでしょうか。
今回は、孤独の本質を突いたこちらの名言を紹介します。

心は一人ひとり違います。
その意味では、人はいつも”ひとり”なのよ。

ターシャ・テューダー(アメリカの絵本画家/1915~2008)

私たちの心は一人ひとり違います。
それぞれが異なる場所で異なる人生を生きてきたからです。
みんな顔かたちが違うように、趣味も、価値観も、ものの見方、考え方も人によってまるで違います。

それが個性で、その人にしかない長所でもあり、役割にもなるでしょう。
適材適所、居場所であり、個性はみんな違っていいものです。

しかし、だからこそ私たちは本当はみんなひとりぼっちなのです。
わかってほしいのにわかってもらえない。
そんなジレンマを誰もが抱えているのではないでしょうか。

わかり合えないからこそ、わかってあげる努力が大切

Iさんのように、傍目には恵まれているような人でも、孤独に苦しんでいる心があるのでしょう。
みんな寂しい心を抱えて、理解者を求めているのだと思います。

まずは、互いにわかり合えないものだと理解することが大切ではないでしょうか。

わかってもらえると思っていると、「どうしてわかってくれないの」と余計に寂しい気持ちになります。
しかし、それはお互い様で、私もまた相手の気持ちを本当に理解することはできません。

ただ、気持ちがわからないなりにも寛容な心で共感し受け入れることはできます。
それだけでも相手はとても救われた気持ちになるでしょう。

多くの人の心に寄り添っていくことによって、相手から喜ばれ感謝される存在になり、幸せな生き方ができます。
わかり合えないものだからこそ、相手のことをわかってあげる努力が大切です。

ぜひ、実践してみてください。
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