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「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法

ツインデミックを防ぐ方法とは?

インフルエンザの時期到来です。皆さんはもうワクチンを打たれましたか?
ワクチンも費用がかかりますよね。

今回はお金のかからないインフルエンザ予防法について取り上げます。
口の体操である、「あいうべ体操」です。

今は新型コロナウィルスが蔓延し、さらにこの時期インフルエンザも流行するのでは、と両者が相まって大混乱がおきるツインデミックが心配されています。
日本ではインフルエンザのワクチンは過去最高の数が用意されているようです。

世界的に見ると、先月オンラインで発表された医学雑誌『ランセット』で、先に冬を迎えた南半球でインフルエンザ患者数が非常に少なかったというコメントが掲載されました。
コロナの影響で感染対策が十分なされ、それが南半球の冬の間、インフルエンザにかかる人の減少につながったのではと推測されます。

しかし、これから冬の時期を迎える日本でどうなるかはわかりません。
自発的に予防を行うことはこれからに向けて大切なことだと思います。

インフルエンザのウイルスはどこからくる?

あいうべ体操は福岡の内科医師で「みらいクリニック」院長の今井一彰先生が考案された体操です。
素晴らしい体操なので是非神髄を知りたいと当院で講演してもらったのが6年前でした。

九州の小学校でこのあいうべ体操を取り入れたところ、インフルエンザにかかる児童が激減したという効果があり、テレビでも話題になりました。

「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法の画像1

なぜ、あいうべ体操はインフルエンザ予防に効果があったのでしょうか。
まず、インフルエンザにかかる流れを知る必要がります。

インフルエンザウィルスを私達が体に取り込まなければ、インフルエンザにはなりません。
ウィルスは空気中に浮遊していますので、それを取り込むことが前提です。

取り込むのは喉の粘膜です。
鼻や喉の粘膜にウィルスが付着して、そこから細胞に取り込まれ、細胞内でウィルスが繁殖して炎症を起こし、咽頭痛、鼻水、発熱といった症状が出るのです。

これを飛沫感染といいますが、それ以外には接触感染があります。
かかった人が口を手で覆い、手を洗わずにドアやノブに触ります。
そこに健康な人が手で触れて、その手で口や目や鼻を触ることから感染します。

いずれも粘膜から感染するのです。
私たちが呼吸している以上、空気と一緒に空気中のウィルスを取り込んでも不思議はありません。

ウイルスを防ぐには口呼吸から鼻呼吸へ

では口で呼吸している人、鼻で呼吸している人はどちらがインフルになりやすいのでしょうか。
正解は…口で呼吸している人ですね。

私たちは1日に1~2万ℓの空気を吸い込んでいるのです。
家のお風呂の100杯分です。

「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法の画像2

鼻にはまず、入り口に鼻毛があり、ほこりやちりをブロックしてくれます。
次に鼻の粘膜からねばねば液が出て、細菌がくっつき痰として出たり、繊毛上皮細胞がのどに送り飲み込み胃に送って殺菌します。

乾燥した空気を鼻で吸い込むと鼻やのどでは湿度は80~85%になります。
湿度が高いのでウィルスの生存率は低下します。
鼻はウィルスにとって体内に入りにくい場所なのです。
ところが口で息を吸い込むと一気にのどの奥まで入り込み、ウィルスが取り込まれ繁殖し増加します。

あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸に変える体操です。
あいうべ体操を続けると舌が正しい位置である口の上側につくようになり自然と鼻呼吸できるようになります。
また最後にベー、とベロを出すことにより、唾液もたくさん出るようになり、口腔内が湿潤し、ウィルスが増殖できない環境になるのです。

「あいうべ体操」を今やるべき理由

では、あいうべ体操を行ってみましょう!

「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法の画像3

短時間でタダで実行できるすぐれた体操です。
1日30回行いたいですね。

ある新聞には、このように書かれていました。

今、とても気になっているのが、口が開いている人の多さ。特に若年層に多い。
友人の小学校教諭に尋ねると「今までそんな目で見たことがなかったけれど、うちのクラスでは3分の2の子の口が開いていた」
口が開くと、口腔内の乾燥も加わり、病気にかかりやすくなる。
その一つがインフルエンザ。空気中を漂うウイルスが口から取り込まれて喉の粘膜に付き、増殖するからだ。
一方、鼻で息をすれば、まず鼻毛で大きなごみが除かれ、その奥にある粘膜やリンパ組織などにより、ウイルスはブロックされる。
さらに、呼気は無数に走る毛細血管に温められた上、適度な湿度を帯びて器官に送り込まれるため、感染リスクは大幅に減る。
来年、生活面に詳報するが、電車やバスに乗ったら、さりげなく周囲の若い人の口に目を走らせてほしい。驚きで自分の口が開くかも、です。
(西日本新聞「デスク日記」佐藤弘 2012年12月14日)

コロナが蔓延している今年の時期はインフルの流行はおきないのではないかとも言われています。
三密を避けて、マスク着用で感染対策に十分注意しているからです。

ではそのマスクの中はどうなっているのでしょうか。
あるテレビ番組でとりあげていました。
街頭で、マスクをしている人に「マスクの中の口はどうなっているのでしょうか」という質問をしたのです。

「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法の画像4

「あいうべ体操」で口呼吸から鼻呼吸へ!今からできるツインデミック予防法の画像5

このように、マスクの中は口がぽかんと開いた状態で、口で呼吸している人が多かったのです。
こういう時期だからこそ、鼻で呼吸できるようにあいうべ体操をおこないましょう。

寝ているときの口呼吸対策

ちなみに、夜寝ているときに口を開けて寝ている可能性があります。
意識がないのでわかりませんよね。
就寝時は、唾液も止まっているので、口を開けていると口腔乾燥が進んで感染を起こしやすいのです。

そこで活躍するのが「口テープ」です。
口にまっすぐテープを1本貼り付けます。

舞台で活躍している俳優の筧利夫さんが以前テレビに出演されていた時、「夜寝るときにすることは何か」という質問に答えていました。
答えは口テープでした!
舞台に立つ人は声が命なので、夜の間に喉を傷めないように、公演期間中は口テープをされるのだそうです。

口テープを一晩していれば口は潤いを保てます。
これはおすすめです。