紅茶の国・イギリスのことわざを紹介
今回は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国からなる連合王国、イギリスのことわざです。
イギリスといえば、真っ先に紅茶を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。
実際、1日のうち5、6回はティータイムがあるそうですから、どれだけ紅茶が好きなのかよくわかります。
他にも有名なものといえば、「シャーロック・ホームズ」や「ハリー・ポッター」などの文学。
ロックバンドのザ・ビートルズやローリング・ストーンズなどのポップミュージック。
劇作家のシェイクスピアもイギリス出身です。
そんなイギリスにはどのようなことわざがあるのか、見ていきましょう。
一日の中に四季がある!?イギリスのお天気事情
イギリスの人は天気の話をよくする、と聞きます。
それは、イギリスの天気が変わりやすいことが理由の1つにあるそうです。
実はロンドンの年間降水量は、東京よりもはるかに少ないということをご存じでしょうか。
それにもかかわらず、イギリスといえば雨というイメージが強いのはなぜか。
それは、「一日の中に四季がある」と言われるくらいコロコロと天気が変わるからなのでしょう。
どんなに快晴の日でも、数時間後には土砂降りになったり。
突然ひょうが降ったと思えば雪に変わったり。
そうかと思えば、次の瞬間には青空が広がっている。
雨はよく降っても、一日中雨という日があまりないので、降水量自体は少ないのですね。
プライバシーを尊重するイギリス人
イギリスの人が天気の話をよくするのには、もう一つ、性格的な面での理由があるようです。
イギリス人はプライバシーを大切にする傾向があり、プライベートなことを聞くのは失礼だと考えます。
仲良くなってからも、プライバシーに踏み込むようなことはほとんど聞かないのだとか。
初対面の人に話しかけるのは恥ずかしく、話しかけるにはきっかけや理由が必要です。
ですから、会話にはとても気を遣います。
こんなことを聞くのは失礼じゃないだろうか。
余計なことを言って気分を害したらどうしよう。
悩んだ結果、一番無難な天気の話に落ち着いているわけです。
シャイで控えめなところは、日本人にも通じるところがありますね。
3月の天気はライオンと子羊?イギリスのことわざ
では、そんなイギリスにはどのようなことわざがあるのでしょうか。
イギリスならではの表現が面白いことわざを紹介します。
3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく
- 英語
- March comes in like a lion and goes out like a lamb.
- 意味
- 荒々しい天気で始まり、穏やかな天気で終わるという意味。
- コメント
- 表現がとてもいいですね。
変わりやすいイギリスの天気がよくわかることわざです。
- 表現がとてもいいですね。
好奇心は猫を殺す
- 英語
- Curiosity killed the cat.
- 意味
- 好奇心は身を滅ぼす。
- コメント
- イギリスでは「猫に九生あり」と言われていたそうです。
その猫でも好奇心が原因で命を落とすことがある、と言われていることわざです。
- イギリスでは「猫に九生あり」と言われていたそうです。
2人なら仲間、3人は群衆
- 英語
- Two is company, three is a crowd.
- 意味
- 2人でいれば仲良くできるのに、3人では仲間割れが起こってしまう。
- コメント
- 人数が増えれば増えるほど、まとめるのが難しくなります。
人間関係を如実に表していますね。
- 人数が増えれば増えるほど、まとめるのが難しくなります。
タンゴを踊るには2人必要
- 英語
- It takes two to tango.
- 意味
- 争いごとが起こった時に責任の所在は両方にある。
- コメント
- 日本では「喧嘩両成敗」と言いますね。
何事も、どちらか一方だけが悪い、ということはないのかもしれません。
- 日本では「喧嘩両成敗」と言いますね。
私の紅茶じゃない
- 英語
- It’s not my cup of tea.
- 意味
- 私の趣味じゃない、苦手だ、という意味。
- コメント
- 紅茶を使った表現がイギリスならではという感じがします。
“my cup of tea.”は「私の好きなもの」という意味になるそうです。
- 紅茶を使った表現がイギリスならではという感じがします。
どの雲でも銀の裏地がついている
- 英語
- Every cloud has a silver lining
- 意味
- どんな絶望の中にも必ず希望はある。
- コメント
- 「銀の裏地」とは、雲の裏側の太陽に照らされた明るい部分のこと。
勇気が湧いてくることわざです。
- 「銀の裏地」とは、雲の裏側の太陽に照らされた明るい部分のこと。
チャンスをものにするのは、他の誰でもない自分
ここまで、イギリスならではのことわざを見てきました。
最後に紹介するのは、こちらのことわざです。
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない
You can lead a horse to the water, but you can’t make him drink.
⇒機会を与えることはできるが、実行するかどうかは本人次第
馬に水を飲んでほしいと思って水辺に連れて行っても、最終的に水を飲むかどうかは馬にゆだねられます。
馬が望まないのに、飼い主が無理やり水を飲ませることはできません。
同じように、周りの人がいくらチャンスを与えても、それをものにするかどうかはその人自身の問題。
自分の人生の責任はすべて自分が負っていかなければなりません。
人生の舵取りの大切さを教えてくれることわざです。
各国のことわざはこちらから
イギリスのことわざはおしゃれな表現が多かったですね。
他の国ではどのような表現がなされているのでしょうか。
以下のリンクからご覧いただけます。
・三人寄れば無責任!?中国のことわざ・格言から学ぶ人生哲学
・「小さいトウガラシのほうが辛い」ってどういうこと?韓国のことわざから学ぶ人生哲学
・「猫を染めて売る」!?タイのことわざから学ぶ人生哲学
・酒を飲まないとスパイ!?健康長寿国イタリアのことわざに学ぶ人生哲学
・国民性と文化がわかるドイツのことわざ一覧!「私にとってはソーセージ」とは?
まとめ
1日のうちでも天気が目まぐるしく変わるイギリス。
そのシャイで控えめな国民性は、日本人の私たちにも共通する部分があります。
同じ島国ですから、似ているところも多々あるのかもしれませんね。
イギリスのことわざからも学べることが多くありました。
周りの人がチャンスを与えてくれても、それを実行するかどうかは自分次第。
自らの人生にしっかり責任をもって、チャンスを無駄にしないようにしたいと思います。
参考文献
『英国らしさを知る事典』(株式会社東京堂出版)小池滋
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