アレルギー性鼻炎になると、鼻詰まりや息苦しさでつらいものです。
また、今は鼻炎になっていないけれど、これからなるのではと心配な方もあると思います。
そんなあなたへ、アレルギー性鼻炎の全容を教えてくれる書籍がこちらです。
花粉症やアレルギー性鼻炎について、わかりやすく解説されています。
今回は、『あんしん健康ナビ 花粉症・アレルギー性鼻炎』の中から、アレルギーを予防する食事についてのアドバイスを特別にご紹介します!
食生活の変化による影響
昔の日本人はアレルギーになる人が少なかったのですが、現代はアレルギーになる人が増えてきています。
その原因の一つと考えられているのが、食生活の欧米化です。
もともと日本人は、野菜や穀物が中心で、たんぱく質は魚が中心でした。
しかし、食生活の欧米化によって、肉類や卵などを多く摂取するようになり、たんぱく質や脂肪を取り過ぎたことで、アレルギーになりやすくなっているといわれています。
なぜそのようなことになるのでしょうか。
実は、私たちの腸の中には、腸内細菌がたくさんすんでいます。
その数は五百兆~千兆個といわれています。
実は私たちの出す便の約半分は、腸内細菌やその死骸であるといわれています。
腸内細菌は、私たちの体の中にすみつきながら、私たちの体によい影響を及ぼしています。
もし腸の中から細菌を一掃してしまったら、大変なことになるのです。
アレルギーを予防する日本食の力
腸内細菌の働きは、まだよく分かっていないことも多いのですが、病原菌の増殖を抑え感染を防いだり、有害物質や発がん物質を分解したり、食物の消化を助けたり、ホルモンやビタミンを作り出したりするなど、さまざまな働きがあるといわれています。
腸内細菌はまた、免疫力をコントロールしているともいわれています。
腸内細菌が乱れると、適切な免疫力を獲得できず、異常な反応(アレルギー反応)が起きてしまうのです。
日本食は、野菜や穀物が中心で食物繊維が多く、また味噌や納豆などの発酵食品も多くあります。
これらの食材は、腸内細菌を整えて、うまく働くようにすることができるので、日本食をバランスよく摂取することで、アレルギーを予防することができるのです。
腸内細菌の中で、善玉菌といわれている代表格が「乳酸菌」です。
ヨーグルトや漬け物などに多く含まれています。
以前の調査では、乳酸菌を摂取することで花粉症症状が改善しやすくなったという報告がありますし、我々が行った疫学調査でも、乳酸菌を常に摂取している人は、アレルギーが改善しやすかったという結果が出ました。
ここでは乳酸菌について述べましたが、それ以外にも、緑茶、甜茶、赤ワインに含まれるポリフェノールが花粉症やアレルギーに効果があるという報告もあります(カテキン、ルチン、イソフラボンなどのフラボノイドもポリフェノールの一つです)。
ただここで注意していただきたいのは、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」ということです。
これらの食べ物が本当に効果があるのかは、まだ科学的に完全に証明されているわけではありませんし、効果があるからといって、そればかりを食べ過ぎると、逆に体の害になる場合もあります。
何事もバランスが大事です。
日本食を中心とした、バランスのよい食生活がいちばんです。