HSP(ひといちばい敏感な人)の基本的な知識から、最新の議論までをご紹介する、精神科医・明橋大二先生の連載「HSP大全」第6回です。
HSPの基本的な内容は下記でまとめていますのでご覧ください。
HSPが相手を許せないとき、その根っこにあるのは何でしょうか?
もしかすると理由は相手にあるのではなく、気づかずに封印してきた自分の中にあるのかもしれません。
心が楽になる、明橋先生の連載をお楽しみください。
(1万年堂ライフ編集部より)
今回は、DOESの4つめのSです。
“subtle stimuli(ささいな刺激)”のSは、かすかな刺激にも敏感で、ちょっとした変化にも気づく、という特性を表します。
鋭いのは、感覚(五感)ではありません。受け止めです。
HSPはわずかな情報や微妙なメッセージを敏感にキャッチし、HSPらしい深い反応を示しているのです。
「かすかな刺激」への感じ方って?
例えばこうです。
具体的な特徴をいかにいくつか挙げますので、自分もそうだと感じられれば、ボタンにチェックしてください。
半分以上に該当すれば、4つの特徴のうち、Sに当てはまるかもしれません。
※下のフォームから、ぜひ回答をお寄せください。
“S”の具体例
自分の敏感な生き方を責める必要はありません
HSPは変化や異変、違和感に鋭く反応します。
相手の表情を読み過ぎて、もやもやしたり、誰かの癖(貧乏ゆすりや音を鳴らす癖など)が気になって、イライラしたりします。
不正なことが許せないなど、日々刺激が高ぶり、煩わされがちです。
HSPはそういう自分の反応にさえ敏感に反応し、「私は人を愛せない」「僕は器が小さい」と思い込みがちです。
イライラしている自分を責め、相手がそのことにちっとも気づかないことで、さらにイライラします。
しかし、刺激に煩わされない生活を望むのは、人間として当たり前のことです。ただそのレベルが人と違うだけで、自分を責める必要はありません。
自分が一方的に我慢し続ける必要はないし、逆に相手を完全に拒絶する必要もないのです。
目の前にいる相手に「それはちょっと私にはキツいかも。これからはこうしてみない?」と提案してみればいいのです。
子どもの頃を振り返ってケアしましょう
HSPが相手を許せないとき、その根っこには、自分を許せていない心が隠れているかもしれません。
幼少期の敏感な自分を振り返ってみましょう。
男の子なら、敏感さのせいで反応を友達にからかわれたり、親に冷たくされたりしたことはないでしょうか?
女の子なら、さまざまな刺激から自分を守ろうと、安心できるところを探す一方で、そんな自分に自信を持てずに苦労したことはないでしょうか?
それは決して、あなたが悪かったのではなく、周囲がHSCを理解していなかったからなのですが、そういう経験があると子どもは自分の敏感さを隠し、自分の正直な感覚を否定して、やがて封印してしまいます。
もし、あなたが今も、ありのままの敏感な自分を愛せないでいるなら、相手を愛する前に、あなた自身のケアが必要です。
HSPの神経システムは人類にとって必要です
アーロン氏は、神経システムが異なるHSPと非HSPが存在するのは、生き物の生存戦略として必要だったからだと述べています。
あなたの敏感さは、人類のために必要な資質だったのです。
気質は、学べば学ぶほど、ストレスは軽くなり、自分にも他人にも寛容になれます。
それだけではありません。辛かった日々の一瞬一瞬が、逆に自分を深く知る、喜びの時間に変わっていきます。
敏感さに感謝さえできるようになるのです。
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