ウソに気をつけましょう
4月1日は、エイプリルフール。「ウソをついてもいい日」なのだそうです。
そうしますと、あとの364日は「ウソをついてはいけない日」になりますが、世の中「ウソ」が多いですよね。「オレオレ詐欺や、還付金詐欺などに気をつけましょう」というニュースを聞かない日はないほどです。
一度きりの人生、誰かのウソにだまされて「こんなはずではなかった」と悔やみたくないもの。
『徒然草』には、兼好さんが世の中の「ウソ」を解説している段がありました。
木村さんの意訳でどうぞ。
とにもかくにも、ウソの多い世の中です
(意訳)
世間に語り伝えられていることは、本当のことを言うと、つまらないからでしょうか、多くは、皆、ウソなのです。
どんなウソがあるか、見てみましょう。
まず、すぐにばれると知りながら、口から出まかせに、しゃべり散らすウソがあります。これは、根も葉もないことだと分かります。
次に、自分でも「これは本当の話ではない」と感じながらも、他人から聞いたまま、鼻の辺りをぴくぴくさせて、得意げに話すウソがあります。これは、その人が作ったものではなく、受け売りのウソです。
最も恐ろしいウソは、いかにも本当らしく、所々をややぼかして、よく知っていないように装い、それでいて、うまくつじつまを合わせて言うウソです。これは、だまされやすいので気をつけなければなりません。
この他に、消極的なウソが二つあります。
一つめは、誰かが、自分のためになるようなウソ、名誉になるようなウソを言ってくれた場合です。だいたい、本人は黙認して、否定しません。しかし、黙っているままが、ウソをついていることになります。
二つめは、多くの人が、面白がって聞いているウソです。たとえ、自分が真相を知っていても、「そうではない」と言える雰囲気ではないので、黙って聞いているしかありません。しかし、黙っていたために、ウソが本当のこととして定まってしまうことがあります。
このように、ウソの多い世の中です。だから、人から、面白い話、うまい話、儲かる話を聞いても、そのまますぐに信じてはいけないのです。
(原文)
世に語りつたうること、誠(まこと)はあいなきにや、多くはみなそらごと也。(第七三段)
(『こころ彩る徒然草』木村耕一著 イラスト 黒澤葵より)
だまされて、無駄な時間を使わないように
兼好さん、ありがとうございました。
ウソにも色々あるのですね。勉強になりました。
特に、「最も恐ろしいウソ」には気をつけたいと思います。
兼好さんの分析どおり、ウソが上手な人は、よく知らないように装って、こちらに話をさせると、後出しジャンケンのごとく、ホイホイと話を合わせながら、ウソをつくんですよね。
こちらの話にうまいこと合わせてくるのが、ミソなのです。危ない、危ない。
だまされて、無駄な時間を使わないように、気をつけたいと思います。
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