親から言われなくても、自分から勉強する子は何が違うのでしょう?
しつけや勉強の土台となる「心の根っこ(自尊感情)」の育み方から教えてくれるのは、家庭教育研究家の田宮由美先生です。
(1万年堂ライフ編集部)
子どもが幼い頃は、「のびのび育てたい」「自主性を尊重しよう」と思っている親御さんは多いと思います。
ですが、子どもが順調に育ち、小学校に入学すると、どうしても勉強のことが気になってきます。
テストが行われ、点数や成績で評価されます。
そうなると、「宿題を先にしなさい!」「もっと勉強しなさい!」という言葉がどうしても出てくるのではないでしょうか。
「のびのびと」「自主性の尊重」などの言葉は、頭の片隅に追いやられてしまいがちです。
ですが、それらは心のどこかにモヤモヤとした気持ちとして残り、親も葛藤しながら、子どもを勉強に向かわせることがあると思います。
そして、ほぼ全ての親御さんが望んでいると言っても過言ではないのが、
「子どもが自ら進んで勉強をしてくれればいいのだけど…」
ということでしょう
では、親がどのように関われば、子どもは進んで「学び」に取り組むようになるのでしょうか。
子どもが自主的に学ぶための、親の関わり方3つのポイント
そもそも「勉強が好き」「勉強全てが楽しい」という子どもはほとんどいないでしょう。
同時に大人にでも言えることですが、自分の興味ある分野だと、自ら進んで取り組むことはあると思います。親はまず、そのような環境作りのサポートをすることが大切です。
自主的に学ぶ姿勢が身に着く関わり方で、特に大切な3つのポイントをご紹介します。
(1)「なぜ?」「どうして?」子どもが興味のありそうな疑問を投げかける
「飛行機はなぜ、空を飛べるのかしら?」
「どうして夕焼けは赤いの?」
「時計の中はどうなっているのかしら?」
「転んで擦りむくと、なぜ血が出るの?」
「リンゴって、どんな木になっているのかしら?」
「お金はどこで作っているの?」など、何でもいいと思います。
身の回りにあるもの、起こる現象など、全てに疑問を投げかけてみましょう。
そこから、特に自分がピン!ときた分野に興味を抱き、関連する教科や学習を自ら進んで取り組むようになるかもしれません。
子どもは何に興味を示すか分かりません。最初はできるだけ広く、さまざまな分野に触れるとよいでしょう。
(2)「わかった」「できた」という感動体験を積み重ねる
今まで知らなかったことを知った、できないことができた喜びをたくさん味わわせましょう。
そして「わかった」「できた」という体験を十分させましょう。
それには、いきなり高いハードルを設けず、簡単な問題から取り組むなど、小さな成功体験を多く重ねることです。
そして、子どもが新しいことを知って喜んでいる時は
「わ~!今まで不思議に思っていたことが分かって、すっきりしたね」
「この難しい文章問題、解けたんだ!スイスイ解けると面白いね」
など、さらに意欲が湧く言葉がけも忘れずしたいですね。
そうすることによって、自ら学びに向かう意欲が高まるでしょう。
(3)いつでもどこでも、勉強にアクセスしやすい環境を作る
学びに取り掛かるためのアクセスは、少しでも簡単にしておいたほうがよいでしょう。
何かを調べたい時は、すぐに図鑑や辞書が手に届く場所にある、学習をするのにノートや教科書はリビングの机の上に置いておくなど、家庭の状況はそれぞれ異なると思いますので、各家庭に合った環境の中で考えるとよいでしょう。
また、キャラクターものの文房具などは勉強の妨げになるという考えも聞きますが、まずは子どもが少しでも手に取ったり、気持ちが向いたりするように、お気に入りのものでよいと思います。
とにかく最初は、勉強することにスムーズに、気持ちも行動も入っていける環境を用意したいですね。
親も一緒に「学ぶ」楽しさを味わいましょう
子どもが自主的に勉強するには、ほめたり、時には、
「すごい、こんなことも分かるのね、お母さんにも教えて!」
と、子どもに教えてもらったりするのもよいでしょう。
そのほか、親自身が、読書や興味のあるものを学んでいる姿を見せるなど、学ぶ姿勢を子どもが身近で感じることも大切です。
子どもが自主的に学びに向かうようになるには、最初は環境づくりの親のサポートが必要です。
ぜひ子どもと一緒に学ぶ楽しさ、親も味わってみましょう。
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