インターネット上には、匿名で投稿することができる掲示板が複数あります。
最近ですと、「2ちゃんねる」「爆サイ」「したらば掲示板」「はてな匿名ダイアリー」など。
「匿名だから何を書いても大丈夫」と、軽い気持ちで書き込んでしまう人も多いのではないでしょうか。
でも、インターネットの掲示板に書き込むのは、慎重にしないと非常に危険なことになりかねません。
なぜなら、明らかに他人の権利を侵害したと判断された場合、書き込んだ人の特定を請求されますし、特定することも可能だからです。
掲示板への書き込みは「匿名だから大丈夫」の誤り
インターネットの掲示板は誰でも自由に見ることができます。ですから例えるならば、渋谷のセンター街の画面にでかでかと表示されるのと同じようなもの。
しかしどうでしょうか。掲示板に書き込むときに、そんな気持ちで書き込んでいますか?
もしそこに、人を傷つけるようなことを書いてしまったら。もしそこに、個人情報を書き込んでしまったら。
想像すれば分かりますよね。
インターネットの掲示板に書き込むということは、全世界に情報を公開するということですから、そのような自覚を持つことが大切です。
インターネットの向こう側には必ず生身の人間がいます。それを見て傷つく人もいるのです。でも、こう思うかもしれません。「匿名だから、大丈夫」。
確かにインターネットの掲示板には、匿名で投稿することができます。
でも本当に匿名なのでしょうか。
実は、掲示板に書き込んだ人の特定を請求できる場合があります。
それは書き込まれた内容が、人を傷つけるもの(名誉毀損)であったり、個人的な情報を書き込んだもの(プライバシー侵害)であったりなど、権利が侵害されたことが明白で、かつ被害を受けた人が損害賠償請求をするために必要、などといった正当な理由がある場合です。
匿名の書き込みへの特定方法
具体的な特定方法として、書き込んだときのIPアドレス(インターネットに接続されたコンピュータに割り振られる識別番号)が分かれば、どこのプロバイダを使って書き込んだかが分かります。
さらにタイムスタンプ(書き込んだ日時)が分かれば、プロバイダに対して「その時刻にそのIPアドレスを使った人は誰ですか?」と問い合わせることができるのです。
これらのIPアドレスやタイムスタンプは、掲示板の管理者が情報を持っているので、掲示板の管理者に問い合わせをすることで判明します。
そして判明した情報をもとに、プロバイダへ書き込んだ人を明らかにするように請求し、書き込まれた人の権利が侵害されたことが明白であった場合、書き込んだ人の氏名や住所が明らかにされます(開示を拒否されることも多いですが、その場合は裁判で争うことになります)。
もちろん、権利の侵害が明らかといえない場合にはプロバイダは開示しませんし、ログが残っていないなど書き込んだ人が特定できない場合もあります。
ですが書き込む側からすれば、相手に配慮をして書き込みをすることが重要ですね。